風の歌を聴け (講談社文庫)/村上 春樹

¥400
Amazon.co.jp
1973年のピンボール (講談社文庫)/村上 春樹

¥420
Amazon.co.jp
羊をめぐる冒険/村上 春樹

¥1,995
Amazon.co.jp
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)/村上 春樹

¥620
Amazon.co.jp
私が子供のころから大人になりかけの頃(年齢だけですが)に読んだ村上春樹さんの初期の作品。これらは、『ノルウェイの森』の前までの作品というくくりで、全く私的なくくり方です。内容的には、『羊を巡る冒険』の続きは『ダンス・ダンス・ダンス』になるようです。
『風の歌を聞け』をなぜハード・カバーを買ってまで読んだのか思い出せないのですけど、学校で薦められる推薦図書(明治の近代文学が多かった)に絶望していたからというのがあると思う。漱石の小説なんて文章には今でも感銘を受けるが、話はホントに退屈だった。嫌いでした。
それに比べて『風の歌を聞け』がすらすら読めてなんか面白いと感じた。たどたどしさも同時に感じながら。たどたどしいのは当然でこれは本当に作者の処女作なのだそうです。私は次の作品に期待した。
『1973年のピンボール』を読んだとき、語り口が数段前作に比べてうまくなっているのに驚いた。それに物語らしくなっており大変面白かった。この作家は、いいと直感した。
『羊を巡る冒険』には、本当に感銘を受けて羊男が登場する場面の異様な感じは今も印象に残っている。
ロング・グッドバイ/レイモンド・チャンドラー

¥2,000
Amazon.co.jp
割と最近このチャンドラーの有名な『ロング・グッドバイ』を読んだのだけど、この作品に出てくるテリー・レノックスが羊男にそっくりな役回りをしてるのに気付いた。
テリー・レノックスがフィリップ・マーロウの分身であるのと同じように羊男は「僕」の分身なのだ。
実際に村上さん自身で『羊を巡る冒険』は『ロング・グッドバイ』を下敷きにしているとインタヴューで答えているそうだ。
昔に戻ると、『羊の巡る冒険』を読んでしばらく空いたあと、何故か家に『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』があるのを発見した。家族の誰が買ったのか知らなかったけれど、どうも書き下ろし文学作品集の一冊ということで他の小説と一緒に誰かが買ったらしかった。
この作品は「明日世界の終りが来る」ことを知っている「僕」と、ハードボイルドワンダーランドに生きる「私」がパラレルに世界を語っていく物語。この「僕」があす以降のために今日やることが以下に多いかという話をしているのが印象に残っている。明日が来ないとなったらほぼ何もしなくてよくなる今日というものを人間は生きていると言われると、「今日を生きる」と言われるような言葉が実は空虚なのだと物語っているようでかなり心を惹かれた。
この作品を読んだとき、『風の歌を聞け』以来の世界が完結したという印象を強く持った。終わったと思ったのだ。なので、『ノルウェイの森』にしばらく手が伸びなかった。
どうでもいい話、今回色々WIKIを見たら村上春樹が芥川賞を取っていないのを知った。その授賞に反対した作家のなかに大江健三郎がいるというのでなんか嬉しくなってしまった。
大江健三郎のくそ難しいような小説にうんざりしたことがある私としては、深遠なことを語るのに面白い語り口を使える物語的手法を持つ村上春樹のような作家を多くの人が支持し彼の作品を待っているのが嬉しい。
日本の文学界が明治時代に欧米から「リアリズム」を輸入し真似し、勘違いの「写実文学」を生みだしてしまった弊害から、村上春樹は完全に自由になった作家だと思う。

¥400
Amazon.co.jp
1973年のピンボール (講談社文庫)/村上 春樹

¥420
Amazon.co.jp
羊をめぐる冒険/村上 春樹

¥1,995
Amazon.co.jp
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)/村上 春樹

¥620
Amazon.co.jp
私が子供のころから大人になりかけの頃(年齢だけですが)に読んだ村上春樹さんの初期の作品。これらは、『ノルウェイの森』の前までの作品というくくりで、全く私的なくくり方です。内容的には、『羊を巡る冒険』の続きは『ダンス・ダンス・ダンス』になるようです。
『風の歌を聞け』をなぜハード・カバーを買ってまで読んだのか思い出せないのですけど、学校で薦められる推薦図書(明治の近代文学が多かった)に絶望していたからというのがあると思う。漱石の小説なんて文章には今でも感銘を受けるが、話はホントに退屈だった。嫌いでした。
それに比べて『風の歌を聞け』がすらすら読めてなんか面白いと感じた。たどたどしさも同時に感じながら。たどたどしいのは当然でこれは本当に作者の処女作なのだそうです。私は次の作品に期待した。
『1973年のピンボール』を読んだとき、語り口が数段前作に比べてうまくなっているのに驚いた。それに物語らしくなっており大変面白かった。この作家は、いいと直感した。
『羊を巡る冒険』には、本当に感銘を受けて羊男が登場する場面の異様な感じは今も印象に残っている。
ロング・グッドバイ/レイモンド・チャンドラー

¥2,000
Amazon.co.jp
割と最近このチャンドラーの有名な『ロング・グッドバイ』を読んだのだけど、この作品に出てくるテリー・レノックスが羊男にそっくりな役回りをしてるのに気付いた。
テリー・レノックスがフィリップ・マーロウの分身であるのと同じように羊男は「僕」の分身なのだ。
実際に村上さん自身で『羊を巡る冒険』は『ロング・グッドバイ』を下敷きにしているとインタヴューで答えているそうだ。
昔に戻ると、『羊の巡る冒険』を読んでしばらく空いたあと、何故か家に『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』があるのを発見した。家族の誰が買ったのか知らなかったけれど、どうも書き下ろし文学作品集の一冊ということで他の小説と一緒に誰かが買ったらしかった。
この作品は「明日世界の終りが来る」ことを知っている「僕」と、ハードボイルドワンダーランドに生きる「私」がパラレルに世界を語っていく物語。この「僕」があす以降のために今日やることが以下に多いかという話をしているのが印象に残っている。明日が来ないとなったらほぼ何もしなくてよくなる今日というものを人間は生きていると言われると、「今日を生きる」と言われるような言葉が実は空虚なのだと物語っているようでかなり心を惹かれた。
この作品を読んだとき、『風の歌を聞け』以来の世界が完結したという印象を強く持った。終わったと思ったのだ。なので、『ノルウェイの森』にしばらく手が伸びなかった。
どうでもいい話、今回色々WIKIを見たら村上春樹が芥川賞を取っていないのを知った。その授賞に反対した作家のなかに大江健三郎がいるというのでなんか嬉しくなってしまった。
大江健三郎のくそ難しいような小説にうんざりしたことがある私としては、深遠なことを語るのに面白い語り口を使える物語的手法を持つ村上春樹のような作家を多くの人が支持し彼の作品を待っているのが嬉しい。
日本の文学界が明治時代に欧米から「リアリズム」を輸入し真似し、勘違いの「写実文学」を生みだしてしまった弊害から、村上春樹は完全に自由になった作家だと思う。
