高畑勲監督の初監督作品として名を残す名作。1968年制作。
太陽の王子 ホルスの大冒険 [DVD]/大方斐紗子,市原悦子,平幹二郎

¥4,725
Amazon.co.jp
病弱な父親と、人里離れた浜辺で暮らしていたホルス。ある日、ホルスは狼の群れに襲われるが、たまたまそこで昼寝をしていた岩の巨人モーグに助けられる。そのお礼にモーグが以前から苦しんでいた肩のトゲを抜いてやるが、そのトゲは“太陽の剣”と呼ばれる剣だった。モーグから太陽の剣を譲り受けたホルスは「その剣を使いこなすことができたなら、おまえは人々から“太陽の王子”と呼ばれて尊敬されるだろう」と告げられる。やがて父親は「人間の世界に戻れ」と言い残して他界。遺言に従って相棒の小熊とともに旅立ったホルスは、モーグや謎の少女ヒルダの力を借りて、魔王グルンワルドと対決することになるのだが…。
高畑監督は緻密な構成力でリアルで自然な世界観を展開させられる演出力をもち、多くのアニメ監督から演出の師と仰がれている。彼が監督したテレビのアニメ・シリーズが長年の再放送に耐え繰り返し視聴されて来たのも、その演出力の賜物だと思う。
この作品では、宮崎駿が場面設計と原画に参加してその相乗効果で、「日本のアニメが初めてディズニーを超えた」と荻昌弘に言わせた作品になった。今みても、作画技術の高さは現在を凌ぐような場面も多くみられ、特に海を描いたところなどものすごく力が入っている。
また、例えば冒頭出てくる岩男や、氷マンモスなどこれは宮崎駿のアイデアだろうと思われる。(いま見たらWIKIにキャラクターと原案者の一覧が存在していました。)そうすると、この作品を本当に面白くしていたのは宮崎駿のアイデアだなと思うわけで、彼が現役を退いた後のアニメ界はかなり寂しいものになりそうだ。スタジオ・ジブリの作品なら宮崎駿監督作品でなくともという声をときおり耳にすることがあるが、そういう人は宮崎駿と宮崎吾朗の監督作品の雲泥の差というものがわからない幸せな人というべきであろう。
内容について、思いつくまま書いて行くと、高畑さんは左翼だなということ。この時代、組合運動がさかんな時代だったらしく、民主的に話し合いで制作を進めるようなやり方だったそうだ。
それが物語の世界観にも反映していて、悪魔はいるのに王や神は存在していないし、ホルスのたどり着く村の首長はどういう存在なのか、子供にはわかりくい話になっていたと思う。きっと、左翼の人は好きなんだろうなと言う感じ。
また、この時代まだ「色彩設計」という職能がなかった時代だったからだろうが、色調全体に統一感がないという印象があった。現在のジブリの作品のような色の綺麗さを感じない。
ヒルダの声を市原悦子さんがやっていて、この人若い時の声も今とほとんど声質が変わっておらず、市原さんだとわかるのが少し興ざめな感じでした。しかし、なぜ市原さんて色んなところで主役がやれるの?「家政婦はみた」シリーズとか、「おばさん刑事」シリーズとか。
このアニメで私の一番好きなキャラは、雪狼。これは、大塚康夫さんのアイデアだそうです。
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高畑監督は緻密な構成力でリアルで自然な世界観を展開させられる演出力をもち、多くのアニメ監督から演出の師と仰がれている。彼が監督したテレビのアニメ・シリーズが長年の再放送に耐え繰り返し視聴されて来たのも、その演出力の賜物だと思う。
この作品では、宮崎駿が場面設計と原画に参加してその相乗効果で、「日本のアニメが初めてディズニーを超えた」と荻昌弘に言わせた作品になった。今みても、作画技術の高さは現在を凌ぐような場面も多くみられ、特に海を描いたところなどものすごく力が入っている。
また、例えば冒頭出てくる岩男や、氷マンモスなどこれは宮崎駿のアイデアだろうと思われる。(いま見たらWIKIにキャラクターと原案者の一覧が存在していました。)そうすると、この作品を本当に面白くしていたのは宮崎駿のアイデアだなと思うわけで、彼が現役を退いた後のアニメ界はかなり寂しいものになりそうだ。スタジオ・ジブリの作品なら宮崎駿監督作品でなくともという声をときおり耳にすることがあるが、そういう人は宮崎駿と宮崎吾朗の監督作品の雲泥の差というものがわからない幸せな人というべきであろう。
内容について、思いつくまま書いて行くと、高畑さんは左翼だなということ。この時代、組合運動がさかんな時代だったらしく、民主的に話し合いで制作を進めるようなやり方だったそうだ。
それが物語の世界観にも反映していて、悪魔はいるのに王や神は存在していないし、ホルスのたどり着く村の首長はどういう存在なのか、子供にはわかりくい話になっていたと思う。きっと、左翼の人は好きなんだろうなと言う感じ。
また、この時代まだ「色彩設計」という職能がなかった時代だったからだろうが、色調全体に統一感がないという印象があった。現在のジブリの作品のような色の綺麗さを感じない。
ヒルダの声を市原悦子さんがやっていて、この人若い時の声も今とほとんど声質が変わっておらず、市原さんだとわかるのが少し興ざめな感じでした。しかし、なぜ市原さんて色んなところで主役がやれるの?「家政婦はみた」シリーズとか、「おばさん刑事」シリーズとか。
このアニメで私の一番好きなキャラは、雪狼。これは、大塚康夫さんのアイデアだそうです。