上の三つは、全て弁慶と義経一行が山伏に身をやつして、安宅の関を抜け奥州に落ち伸びた史実に基づく芝居と映画です。
歌舞伎名作撰 勧進帳 [DVD]

¥4,242
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一番有名なのは『勧進帳』ですね。初代の市川団十郎が能の『安宅』をもとに創作。歌舞伎十八番のひとつで、弁慶、富樫、義経の3役は看板役者で演じない人はいないというほどのものです。多分歌舞伎演目の中でも最も上演回数が多いのではないでしょうか。
役はあっても芝居自体はほぼ弁慶の独り舞台。勧進帳の読み上げ、延年の舞、飛六方など有名な見どころ満載。歌舞伎の立役なら一度はやりたい役でしょう。
弁慶はスーパーヒーロー、富樫は2枚目、義経は貴公子という風情が出ることが大事でしょうか。特に弁慶は現代の特撮もののウルトラマンとか、ゴジラに通底する異形のヒーローの原型ではないかと思います。歌舞伎の荒事には体も周りの登場人物に比べ大きく観る人を驚かす派手な扮装の異形のヒーローが登場するものですが、その流れは現代に脈々とも受け継がれているような気がします。
上のDVDですが、七代目松本幸四郎の弁慶・六代目尾上菊五郎の義経・十五代目市村羽左衛門の富樫による『勧進帳』で国宝級名演として戦争中にもかかわらず撮影されたものです。ただカラーではないので買うのはちょっともったいないかと思います。図書館にある可能性があるのでお近くの図書館に当たってみてください。
最も古いのは、『勧進帳』のもとになった能の『安宅(あたか)』ですが、16世紀室町時代に上演記録が残っているようです。ここで有名な弁慶が「勧進帳」を読み上げるシーンが創作されたようです。能は眠くなると思う方も多いかと思うのですが『安宅』は思いのほか面白いです。歌舞伎との違いは、山伏のアンサンブルが結構活躍するところ。12人の山伏のアンサンブルが檜舞台を音楽的に踏みならすところが見事な見せ場になっていて、歌舞伎とは違う種類の演劇を観る楽しみがあります。
DVDはないみたいですね。NHKの教育テレビをチェックしてみるか、能楽堂に通うしかありませんね。
虎の尾を踏む男達<普及版> [DVD]

¥1,995
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最後にあげた『虎の尾を踏む男達』は黒澤明の1945年の映画です。これも安宅と勧進帳を基にした義経一行の奥州逃避行が内容です。有名な謡や長唄の歌詞「旅の衣はすずかけの・・・」が女性コーラスになっていてミュージカル化ともパロディー化とも受け取れる内容になっています。戦争中で検閲と資材不足の中でこういう演目なら何とか撮影出来るという苦肉の策だったようですが、撮影中に終戦を迎え、できあがると今度はGHQの封建的という検閲コードにひっかかり、公開がサンフランシスコ講和条約締結後になるというなかなか苦労を背負わされた作品です。
芝居の『勧進帳』を見に行く前にこの映画を一度観ておくと予習になってよいかと思います。レンタル店の名作のところにあると思います。
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一番有名なのは『勧進帳』ですね。初代の市川団十郎が能の『安宅』をもとに創作。歌舞伎十八番のひとつで、弁慶、富樫、義経の3役は看板役者で演じない人はいないというほどのものです。多分歌舞伎演目の中でも最も上演回数が多いのではないでしょうか。
役はあっても芝居自体はほぼ弁慶の独り舞台。勧進帳の読み上げ、延年の舞、飛六方など有名な見どころ満載。歌舞伎の立役なら一度はやりたい役でしょう。
弁慶はスーパーヒーロー、富樫は2枚目、義経は貴公子という風情が出ることが大事でしょうか。特に弁慶は現代の特撮もののウルトラマンとか、ゴジラに通底する異形のヒーローの原型ではないかと思います。歌舞伎の荒事には体も周りの登場人物に比べ大きく観る人を驚かす派手な扮装の異形のヒーローが登場するものですが、その流れは現代に脈々とも受け継がれているような気がします。
上のDVDですが、七代目松本幸四郎の弁慶・六代目尾上菊五郎の義経・十五代目市村羽左衛門の富樫による『勧進帳』で国宝級名演として戦争中にもかかわらず撮影されたものです。ただカラーではないので買うのはちょっともったいないかと思います。図書館にある可能性があるのでお近くの図書館に当たってみてください。
最も古いのは、『勧進帳』のもとになった能の『安宅(あたか)』ですが、16世紀室町時代に上演記録が残っているようです。ここで有名な弁慶が「勧進帳」を読み上げるシーンが創作されたようです。能は眠くなると思う方も多いかと思うのですが『安宅』は思いのほか面白いです。歌舞伎との違いは、山伏のアンサンブルが結構活躍するところ。12人の山伏のアンサンブルが檜舞台を音楽的に踏みならすところが見事な見せ場になっていて、歌舞伎とは違う種類の演劇を観る楽しみがあります。
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芝居の『勧進帳』を見に行く前にこの映画を一度観ておくと予習になってよいかと思います。レンタル店の名作のところにあると思います。