天国から来た大投手 十、レッツ・プレー・ボール 156 | 六月の虫のブログ

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ジョンは森次郎をリビングルームに呼んだ。「ジュディからモリに代理人を紹介するよう頼まれていた件だが、私の知り合いにジェリー・マグアイアーという代理人がいる。彼はまだ独立したばかりだけど腕は確かだよ。何より彼は信頼できる人物だ。明日、彼がここに来ることになっている。モリ、もしジェリーが気に入らないなら正直に言ってくれ、私に気を使う必要はない。モリにとって、代理人とは友人であり、ビジネスパートナーでもあるのだから」とジョンが言うと、森次郎は「ありがとうございます。ジョンが信頼できるというなら、僕も信頼できると思います」と答えた。

しゃぶしゃぶは好評だった。特にジョンは「こんなに健康的な食べ物はあまりないよ。野菜はたっぷり摂れるし、肉の余分な脂は摂らなくてすむ。それにホット酒が良く合うもんだ」と絶賛した。森次郎が「ネイサンは野球のタイニーリーグのトライアウトが来週末に控えていて、張り切っている」と報告すると、マーサは何よりねと喜んでくれた。ジョンは「モリ、とにかくネイサンを支えてあげなさい。彼は相当頑張っているよ。あの病気は想像以上に体に負担を強いるんだよ」、「ところで、モリ、スタンフォードの知り合いの教授に聞いたんだが、君は医学部を志望しているらしいね」と続けた。ジュディも美盤も思わず驚きの声をあげた。ジュディは「なぜ、私に言ってくれなかったの」と悲しそうに言った。美盤は「本当よ。寝耳に水だわ」と森次郎を責めた。森次郎は「ごめん。決まってから言おうと思っていたんだ」と説明した。ジョンは「モリ、申し訳ない。君がまだ誰にも言っていないとは知らなかった」と謝った。

森次郎は「ネイサンと出会って、世の中には難病と戦っている子供達がたくさんいることを知りました。ネイサンは僕がフットボールで活躍すると、心から喜んでくれます。僕がフットボールや野球で活躍して、勇気付けることはできると思います。ジュディと知り合って、彼女が彼女の父、ジョンについての話しを聞いたり、彼女の強い使命感を目のあたりにすると、医者ってすごいんだなと思ったんです。フットボールや野球は、若い間しかできないけど、医師としてもっと長い間、ネイサンのような子供達の役に立てるのではと思いました。僕にその能力があるどうか分かりませんが、精一杯努力するつもりです」と説明した。ジュディは、両親の目もはばからず、森次郎に抱きつきキスをした。ジョンは「私も応援するよ」と約束してくれた。美盤は、自分の弟の言葉に、ただ驚くばかりだった。




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