天国から来た大投手 十、レッツ・プレー・ボール 149 | 六月の虫のブログ

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浩輔との早朝トレーニングの後、ネイサンと彼とメグのアパートの前でキャッチボールをするのが森次郎の日課になっていた。ネイサンも結構いい球を投げるようになっていた。小学生のレベルがどうか分からないが、キャッチボールはそこそこのレベルだと思う。ネイサンはカーメルのタイニーリーグに入る予定で、トライアウトがこの週末の三日間行われることになっていた。タイニーリーグのトライアウトは、選手達を三つのチームに分けるため、個々の選手の実力を把握し、三チームの力が均衡するよう組み分けするのが目的だ。各チームのコーチが、自分達の欲しい選手を順番に指名していくのだ。この指名順位は、選手やその父兄には知らされない。

ネイサンは、自分の学校が終わると森次郎達、ロバートソン高校野球チームの練習に姿をあらわし、球拾いなど練習の手伝いをしてくれる。ミスターZも、ネイサンに個人指導をしてくれる。ミスターZのネイサンへの個人指導を見て、自分のプレーを修正する選手もいる。森次郎はそれがミスターZの本当の狙いかもと思うほどだ。ネイサンは素直にミスターZの教えに従う。ネイサンも野球の腕をめきめきと上げている。タイニーリーグで先発メンバーに入るのも夢ではない。ジュディは、シーズン前にネイサン用にと小さなバットをプレゼントしていた。そのバットには「ネイサン、アイ・ラブ・ユー、ジュディ」とサインがしてある。ネイサンは、メグからプレゼントされたグラブとジュディのバットを持参している。ミスターZは、ネイサンの打撃練習の時間も設けてくれている。ネイサンの打撃練習は、チームの皆も心が和み、声を出してネイサンの打球を捕る。ネイサンはアメフトの時と同様、チームに一体感を与えてくれる。

中間テストが終わり、ジュディと美盤が久し振りにモントレーにやって来た。森次郎が美盤に会うのは久し振りだ。美盤は「お邪魔虫登場」と第一声を上げた。森次郎は「姉貴がいても、ジュディと僕は自分達のペースでいちゃつくから気にしないで」と反撃した。ジュディは微笑んで、森次郎の腕を取った。森次郎は、美盤の前でジュディにキスをした。美盤は少し不機嫌になったが、ジュディがすかさずフォローした。「今夜はカーメル、それともピア」と美盤に希望を聞いた。美盤は「ピアでダンジャネス食べよう」。



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