天国から来た大投手 八、小さな友人 113 | 六月の虫のブログ

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シャワーで少し戯れた後、二人はモーテルを出て、ネイサンのいる病院に向かった。二人は信号に止まるたびに、軽いキスを交わした。病院の駐車場で車から降りると、二人は手をつないで病院に入った。ネイサンの部屋の前に来ると手を離し、森次郎がノックすると、中からメグの「カムイン」と言う声がした。

二人が部屋に入ると、ネイサンはまだ眠っていた。森次郎はメグに「ネイサンは、大丈夫なんですか」と尋ねた。メグは、「ネイサンの容態は落ち着いたみたい。金曜日の試合には行けるでしょう」と答えた。森次郎は「よかった」とため息をついた。ジュディは「メグ、ここはガン病棟ですけど、もしかしてネイサンは」と言った。森次郎は「何を言っているんだよ、ジュディ。変なこと言うなよ」とジュディを制した。

メグがゆっくり口を開いた。「ネイサンは、脳に腫瘍ができているの。今は小康状態が続いていて、今すぐどうのこうのということはないわ。モリと出会ってから、ネイサンも元気に前向きに考えるようになったわ。タッチダウンを決めて、少しほっとしたのかしら」と言うと頬に涙がつたった。ジュディはメグを抱きしめた。森次郎は、涙が止まらなかった。メグは「ネイサンの治療は大人でも根を上げるほど大変らしいの。でも、ネイサンは愚痴一つ言わないわ。たまに、激しい頭痛に襲われることがあるらしいけど、ネイサンは顔をしかめるだけで、痛みに耐えているみたい。だから、私も強くならなきゃ」と涙ながらに語った。ジュディもメグの手を握りながら涙を流している。




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