天国から来た大投手 八、小さな友人 104 | 六月の虫のブログ

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森次郎は、ネイサンの気迫に感動していた。隣にいる母親のメグは、ネイサンの頑張りに目頭を熱くしていた。浩輔もその横で拍手を贈っている。ネイサンと目をあわすと「ナイス・タックル、ネイサン」と森次郎は大声で言った。ネイサンは照れくさそうに手を上げた。

後半もネイサンはベンチスタートだ。パンサーズは、後半もリードした。後半も勝負がほぼ決まった残り十分、三十五対十七でネイサンが呼ばれた。今度はオフェンスからの出場だ。ネイサンには、なかなかボールは渡してもらえない。残りもわずかになった最後のプレー、クォーターバックはネイサンにボールを渡した。ネイサンがボールを受け取って数歩走ったところで、相手チームのディフェンスのタックルにあった。地面に叩きつけられてもネイサンはボールを死守した。ただ、一ヤードもゲインできず、攻守交替となった。

試合の後、森次郎は、コーチと一部の父兄とその子供達とソーントン母子らと一緒にファーストフードの店でランチを食べることになった。森次郎は、コーチにアメリカにおけるフットボールの裾野の広さに驚いたことなどを話した。コーチは、「ネイサンのガッツが他の子供達にあれば、パンサーズは無敵だよ。ネイサンには頭が下がるよ。あの小さな体のどこにあんなエネルギーがあるかってね」と他の人達に聞こえないように森次郎に言った。森次郎も、ネイサンのひた向きさと前向きな心に感心していた。




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