天国から来た大投手 八、小さな友人 100 | 六月の虫のブログ

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森次郎が検査から戻ってくると、メグは「どうだった」と尋ねた。森次郎は「異常はないみたいです」と答えた。メグは「よかったわね。もう少し待てるのなら学校まで一緒に帰らない」と言ったので、森次郎は好意に甘えることにし、コーチ・ウイルソンにその旨連絡した。ソーントン母子は、学校の敷地内にある職員用のアパートに住んでいるとのことだ。

森次郎は「ネイサンは大丈夫なんですか」と訊いた。メグは「まあね。ネイサンは、強い子だから。ね、ネイサン、ギブ・ミー・ファイブ」と言って、ネイサンとハイタッチした。学校に着くと、森次郎は「ありがとうございました」とお礼を言った。ネイサンは「モリ、僕達、友達だよね。明日、練習観に行ってもいい」と言った。森次郎は「もちろん、ギブ・ミー・テン」と言って両手でハイタッチした。

病院から戻ると、十二時を少し回っていた。森次郎が、ランチを食べにカフェテリアに姿を見せると、コーチのヤングとデニスが寄ってきた。「どうだった」とヤングが訊いた。森次郎が「異常なしです。今日からでも練習していいそうです」と答えると、デニスは「モリは異常なし」と大声で言った。すると、カフェテリアにいた生徒や先生達から歓声が上がった。生徒の一人が「州大会へ行くぞ。州大会へ行くぞ」と連呼すると、カフェテリアいる者全員が「州大会へ行くぞ」と連呼し始めた。この金曜日の試合に勝てば、州大会への出場が決まる。森次郎は、皆の期待を肌で感じ、鳥肌が立った。

この日の練習は、ヤングの指示もあり、軽く体を動かすだけにした。練習を終えて寮に戻ると、メールをチェックした。弘子や両親から検査の結果を教えて欲しいとのメールがあった。裕香からも森次郎を心配しているというメールが入っていた。取材に来ていた記者が、裕香に報告したらしい。森次郎は、すべてのメールに返事を送信し終わると、いつものように宿題に取り掛かった。



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