天国から来た大投手 五、注目の的 63 | 六月の虫のブログ

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翌日、森次郎は浩輔との軽いトレーニングの後、家へ戻った。家には弘子が待っていた。森次郎は母親と弘子の三人で昼食を食べると、母親の車で集合場所の新横浜駅まで行った。駅には選手達だけではなく、その親御さんたちも見送りのためたくさんいた。森次郎に皆の期待がひしひしと伝わってきた。いつの間にか後援会まで出来ている。新幹線のホームでは、OBと思われる後援会の人達が、万歳を連呼し早慶高校の校歌を熱唱している。監督の池崎が父兄や後援会の人達に甲子園での決意と謝辞を述べていると、新幹線がホームに入ってきた。池崎はスピーチを切り上げ、選手達も新幹線の扉の前へ進んだ。森次郎達が席について窓の外を見ると、父兄と後援会の人達は万歳を三唱していた。

森次郎の隣には弘子が座っている。森次郎は克也に悪いと思ったが、弘子の方から座ってきたのでどうしようもなかった。森次郎は、克也に気を使い弘子との会話を避けるために、目を閉じ眠ることにした。森次郎は、横に弘子がいて変な感じはしたが、昨晩の裕香とのドライブを思い出していた。裕香は鎌倉まで行くつもりだったが、それだと運転だけで終わってしまう。結局、遠出は止め、二人は港の見える公園に行った。公園近くの駐車場に車を止め、公園に向かった。外は蒸し暑く、街灯の周りには小さな虫や蛾が飛び回っている。二人は街灯から離れ、真っ暗なところへ歩いた。歩く時、裕香は森次郎の左腕に右腕を絡めていた。裕香は、周りに人目がないのを確認すると、森次郎にキスを迫った。裕香の迫り方があまりにも自然だったので、森次郎もすんなりとそれに応えた。長い二人のキスが終わると、裕香のブラは上に押し上げられていた。裕香はブラを元の位置に戻しながら「今夜はここまで、ごめんなさい。今、あれの最中だから。この続きは甲子園で日本一になってからね」と言うと森次郎の股間をなで、森次郎にキスをして抱きしめた。

森次郎は、そのまま眠ってしまい、目が覚めたのは名古屋に着く少し前だった。弘子は克也達と楽しそうに話している。森次郎は、克也に気を使っていたのが馬鹿馬鹿しくなった。森次郎が目を覚ますのを見た克也は「彼女をほっといて昼寝かよ、モリ」と笑いながら言った。




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