天国から来た大投手 五、注目の的 61 | 六月の虫のブログ

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弘子は「裕香さんて、本当にいい人ね。森次郎、あんな人が彼女だったらいいでしょ。まあ、裕香さんは、あなたみたいな鈍感なガキは相手にしないでしょうけど」と毒づいた。森次郎は「まあね。それよりお前、飲みすぎだよ」と返した。弘子は森次郎に腕を絡め、寄っかかってきた。二人はそのまま電車に乗ると、戸塚駅でバスに乗り継いだ。森次郎は、乗客の目が彼らに向けられているのが気になったが、弘子はお構いなしだ。二人がようやく弘子の家の前まで来ると、弘子が「森次郎、私のことが好きなら、ここでキスして」と言って森次郎の首に両腕を回した。森次郎は「酔っ払いが、何言ってんだよ」と弘子をなだめようとした。弘子は「嫌いなの」と言って、目に涙を浮かべた。森次郎は、弘子のことも好きなので迷った。弘子が涙を流すのを見たのは、アメフトの試合で負けた時と関立高校に森次郎の活躍で勝った時だけだ。森次郎は「泣くなよ。この酔っ払い」と言うと、弘子を抱き寄せキスをした。森次郎は裕香と最初にキスした時のように、舌が疲れるまで弘子に激しくキスをした。弘子の涙が止まらないのか、彼女の涙が口に伝った。森次郎は、思わず服の上から弘子の胸を触った。森次郎は弘子の唇から離すと、弘子の涙を手で拭った。森次郎はもう一度「泣くなよ。この酔っ払い。結構、胸でかいんだね」と言って、もう一度軽くキスした。弘子は、ようやく笑顔になり「スケベ、ありがとう」と言った。

森次郎は弘子が落ち着くのを待って、ドアベルを鳴らすと玄関が開いた。弘子の母親が「モリちゃん、弘子どうしたの」と訊いた。森次郎は「すみません。弘子、お酒を飲んで酔ったみたいです。僕が付いていながら、すみません」と頭を下げた。弘子は「ママ、ごめんなさい。エヌ・ビー・シーのアナウンサーの佐々木さんと意気投合しちゃって、日本酒を少し飲んじゃった」と説明した。奥から「モリ、ちょっと上がらないか」と親父さんが呼んだ。弘子の母親は「ごめんね、モリちゃん。後でお家まで送るから上がって」と言った。弘子は「パパ、ちょっと飲んじゃった。森次郎は一滴も飲んでいないのに、彼に迷惑掛けちゃった」と説明した。森次郎は「すみません。もっと早く止めるべきでした。佐々木さんと一緒だから油断していました」と謝った。親父さんは「モリと一緒なら安心だよ。でも、弘子、お前はモリ達の世話をするマネージャーだろう。逆になってどうするの」と穏やかに言った。「ごめんなさい。今日はどうかしていたの。でも、もう大丈夫。だよね、森次郎」とウインクした。森次郎は「まあね」と答えると、ズボンのポケットにある携帯が鳴った。弘子は「携帯が鳴ったわよ」と言った。森次郎が携帯を見ると、裕香からのメールだった。森次郎はメールを見ると「裕香さんからのメールで、「弘子ちゃん、大丈夫?だって」」と報告した。弘子は「裕香さんというのがそのエヌ・ビー・シーのアナウンサーなの。裕香さんに謝っといて」と言った。本当は「モリ、友達と『抱夢』に行くなんて。まさか、その友達がスカートはいている友達だとは思わなかったわよ。罰として、大阪に行く前に、もう一度会いましょう」とあった。




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