天国から来た大投手 四、佐々木裕香 35 | 六月の虫のブログ

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 野球部の練習の後、森次郎はキャッチャーで相棒の克也がスポーツクラブに行きたいというので、連れて行くことにした。浩輔の指示どおりのメニューをこなし、満足なトレーニングができた。同行した克也は、森次郎のトレーニングぶりに驚いた。克也は、森次郎とのパワーやスピードの差が歴然としていることを思い知らされた。浩輔は、克也もプロ野球選手並みの身体能力があると森次郎に耳打ちした。森次郎も克也は確かに凄いと思った。森次郎が最初に浩輔とウエートトレーニングを始めた時より、克也の方が重いウエートに対応している。何より浩輔の球を確実に捕れるというのが凄い。
 トレーニングを終えると、二人はクラブ内にあるサウナに行った。サウナの温度は百十度に設定してあり、中には五分くらいしかいられない。森次郎は慣れているが、克也は初めてで「暑い暑い」を連呼した。森次郎はサウナに入った時に逆さにした砂時計を黙って見つめていると、克也が質問した。「モリ、お前、マネージャーの小倉と付き合っているの?」。森次郎は、克也の質問に少し驚いたが、「いいや、弘子とはただの幼なじみさ。家族ぐるみで付き合っているけどね」と答えた。克也は「あぁそう」と言うと、先にサウナを出た。

 横浜高校との試合の後も、森次郎たちは勝ち続けた。森次郎はまだヒットを一本も打たれていない。森次郎は、毎試合ホームランを打っている。大リーグのスカウトも試合を見に来ているらしい。監督の池崎は、練習試合のない土日には全体練習はしない方針だ。久しぶりに二日間オフになる。森次郎は、早慶大学野球部の野島監督から土曜日に大学のグランドに来るように言われていた。


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