十六歳のアメリカ メイキング・フレンズ 二一、ピザ・ハウス、ジノズ 63 | 六月の虫のブログ

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 パーティーの後は、ジノズに戻ってジュークボックスを聴きながら、酔いを覚ました。例のものを吸った後は、空腹感が強烈になるため再びピザを食べることが多かった。ピザよりハンバーガーの方が好きなボクは、たまにハーディーズ行きを頼むことがあった。ボクはハーディーズのハンバーガーのおいしさとその値段に感動していた。後にデイヴは、ボクが ”I wanna go eat a 30 cents hamburger” と、車がハーディーズに到着するまで叫んでうるさかったと当時を思い出して笑った。ボブもリックもデイヴも、ボクにハーディーズに向かっていることを何度も説明しようとしたらしいが、ボクは理解せず、叫び続けたらしい。百円以下でおいしい牛肉料理が食べられることに心を奪われていたのだろう。

 ほとんど毎週末、このようなパーティーをしたが、事故になることもなかったし、警察にお世話になるともなかった。運が良いとしか言い様がない。身分証明書 (ID) の提示を求めるなど、十九才未満がアルコール類を買うのには非常に厳しいが、当時、飲酒運転に関してはそう厳しくなかった。変な国だと思った。ボクが友達に、日本ではビールの自動販売機が道端に置いてあり、誰でもアルコール類は買えることを教えてやると、みんな一様に驚く。みんなが驚く点は二点ある。第一点は誰でもアルコール類が買えるという点、そして、第二点が、自動販売機が道端に置いてあるという点だ。彼らには、どんな自動販売機でも道端に置くということが信じられないらしい。確かにアメリカでは自動販売機は、必ず建物の中に置いてあり、屋外に置いてあることはない。「もし、アメリカで自動販売機を道端に置いたら、一晩で自動販売機ごと盗まれる」と、彼らは言う。また、ボクが日本では高校生にとってアルコールより、煙草に対しての方が厳しいと言うと、彼らは不思議がる。「酒で社会から落伍する者はいるけど、煙草で身上潰したり、社会から落伍する者はいない」というのが彼らの言い分だった。




ドリーム・マシーン!(フリー画像より)。当時のアメリカのティーンエージャーにとって、路上にあるビールの自動販売機は夢の機械でした。