十六歳のアメリカ メイキング・フレンズ 二一、ピザ・ハウス、ジノズ 59 | 六月の虫のブログ

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ボクは機会があればいつでもケルチ家の夕食に呼んでくれと、デイヴに言っていた。その日は彼の家で夕食を御馳走になった後、二人でドライブに出掛けた。三日前の月曜日、ボクが三時限目の授業が終わって、ロッカーに次の授業の教科書を取りに行くと、デイヴが立っていた。ボクを待っていたらしい。彼は例のものが手に入ったとボクに教えてくれた。そして、木曜の夜に彼の家に夕食を食べに行くことにした。彼がスチュワート家に電話しくれて、マムの許しを得ることができた。通常平日の夜は外出禁止だが、夕食への招待は例外だった。人気のない小さな公園の横に車を止めると、デイヴはポッケットからナイロン袋を取り出した。中から手巻きの煙草のようなものを出した。これが例のものだった。まず彼が火を付けて、お手本を示した。そしてボクに渡し、吸い方を説明してくれた。煙は飲み込むようにして体にいれ、できるだけ長くホールドしろとのことだった。ボクはそのとおりにした。少しむせたが、彼と交互に数回吸い込んだ。デイヴは残りを吸い終わると、エイト・トラックのボリュームを上げ、車を出した。二人とも自分の世界に入ってしまっていて、二人の間に会話はなかった。気が付くと、ハーディーズ (Hardee´s) というファースト・フードのドライブ・スルーにいた。そこでコーラとフレンチ・フライを買った。平日ということで、フレンチ・フライを食べ終わると、スチュワート家に送ってもらった。ボクは自分の鍵でドアを開け、家に入ると、口臭で例のものを吸ったことがマムにばれないように冷蔵庫に直行して、アイスティーを飲んだ。

 この夜のことはデイヴもはっきり覚えているらしく、社会人になってから彼と会った時、この夜の後日談を話してくれた。次の日、チャックは彼を呼び出し、ボクにビールを飲ませたのではないかと彼を追及したらしい。デイヴはチャックに事実を伝えたらしい。「アルコールは一切飲んでいない」と。



ビートルズの曲、”A Day in The Life ”の世界だった(フリー画像より)。当時の高校生の85%以上が経験した世界、レーガン以降の大統領は、オバマ大統領も含めてすべて経験している世界だ。もちろん、ジョンもポールも…