十六歳のアメリカ 英語が空を飛ぶ 9 | 六月の虫のブログ

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五、スチュワート家 (The Stewarts) 


 スチュワート家の家族構成は、まずスチュワート夫妻、長男ロブ (Rob) 、次男リック (Rick) 、長女アン (Anne) 、そして一番下が三男チャック (Chuck) で、チャック以外は、大学生だった。それと忘れてはならないのが、犬のバーニー (Bernie) とスパイク (Spike) だ。

 アメリカ人の名前だが、チャックとかリックは呼び名、略名、通称、愛称で、チャック (Chuck) はチャールズ (Charles) 、リック (Rick) はリチャード (Richard) が、フル名称だ。また、スチュワートさんはボブ   (Bob) で、長男はロブ (Rob) で通称は異なるが、フル名称は両方ともロバート (Robert) と同じだ。つまり、親父さんの方はロバート・スチュワート (Robert Stewart) 、長男はロバート・スチュワート・ジュニア

 (Robert Stewart, Jr.) となるわけだ。


 スチュワート家の朝はケロッグのコーン・フレークに代表されるシリアル (cereal) から始まる。各人自分の好みのシリアルをボールに取り、自分でスライスしたバナナやいちごなどの果物をその上にいれ、牛乳を注ぐ。初心者のボクは、ケロッグのコーン・フレークを選ぶことが多かった。また、一週間に一度は、オートミール (oat meal) が出されたが、これは苦手だった。オートミールを辞書で調べると、カラス麦のお粥と出ているが、このお粥には味がない。ボクは、これに砂糖と牛乳をたっぷりかけて味付けして食べた。チャックをはじめスチュワート家の人々は、暖かいお粥に冷たい牛乳をかけ、コーン・フレークを食べるときと同じ味付けをするボクを不思議そうに見ていた。日本ではその様にオートミールを食べるのだろうとスチュワート家の人々が思っていたかどうかは知る由もない。まあとにかく、全般的には非常に健康的な朝食だということは、間違いない。余談だが、日本の我が家に滞在している交換留学生のケリーは、我が家で朝食にサラダを出され驚いていたが、アメリカ人は朝食に生野菜は食べないようだ。

 昼食は、簡単なものが多い。サンドウィチにスープか、ホットドッグまたはハンバーガーにオーブンで暖める冷凍のフレンチ・フライなど簡単なものが多い。夕食は、肉料理一皿、茹でた野菜かサラダ一皿、ポテトかライス、そしてデザートに果物かアイスクリームというのがスチュワート家の通常のメニューだ。まだグローバルではない一九七〇年代当時アメリカ人は毎日ステーキを食べていると教えてくれた日本人の人がいたが、そんなことはない。スチュワート家でステーキが夕食に出たことはない。肉料理といってもチキンやポークが多かった。スチュワート家のミートローフとポークチョップ&アップルソースは絶品だ。

デザートのアイスクリームの量は半端なく多かった。日本で売っているカップ入りのアイスクリーム3個分くらいの量で、3スクープ分は食べた。味も日本のそれよりリッチで甘かった。アイスクリームがない時は、わざわざサーティワンアイスクリーム(バスキン・ロビンズ)に車で買いに出かけることもあった。サーティワンアイスクリームというのは常時三十一種類のアイスクリームを置いていることから、その名前が付いたということだった。ボクは二回ほど本当に三十一種類あるかどうか数えてみたが、二回とも二十数種類しか店頭にはなかった。ボクがそのことをチャックに教えてやると、彼は驚きもせず「あっそう」という感じだった。なんてクールなんだ。ボクには三十一種類ないことが納得できなかったのに。ボクは気を取り直して、チョコレートミントという緑色のアイスクリームをダブルスクープ注文した。

夕食後のデザートがアイスクリームの時は、食べた後の皿の底に溶けたアイスクリームをスパイクかバーニーに舐めさせてやった。二匹ともアイスクリームは大好物だ。それに二匹とも良くしつけられていて皿を床に置いてOKと言うまで舐めない。スチュワート家は、優等生の集まりなのだ。


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私の朝食、シリアル2種類にバナナスライスを入れて、牛乳をかけて出来上がり。