大リーグ監督からビジネスを学ぶ⑤ | 六月の虫のブログ

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前回は、マドン監督のテーマトリップに代表される”素晴らしい雰囲気作り”と、以下のマドンの言葉どおり、その自由な雰囲気には責任がもれなく付いてくることを学びました。


http://ameblo.jp/junebugmaymolly/entry-11945836309.html


「多くの紀律(自分に対する厳しさ)は自由から得られるって信じているんだ。もし、あなたが信頼できる、高いプロ意識を持つやる気のある集団と一緒に仕事をしていたら、その集団に対して自由度を広げると、自分たちに対してより厳しくなると思うんだ」。


先例のないゲーム戦略やチームの雰囲気作りなども成功の要因にあげられますが、マドンの人気があり尊敬される性格も大きな要因の一つだと思います。







監督の役割として一番重要なのは、選手たちの話を聞くということだとマドンは言います。「コーチ時代、“君たちは私に合わせもらわないと困る”と言った監督がいたけど、そんな独裁的なやり方が通用する時代ではないよ」。


マドンは選手を理解しています。「ジョー(マドン)は、僕たちのことを尊重してくれる。窮屈にならないようにしてくれるんだ。大リーグに上がったばかりの時、バッティング練習で手を抜いて投げていたんだ。そしたら、彼は僕のところに来て、話し出すんだ。それも、野球に関係ない話をね」とエースピッチャー、プライスは言います。


「才能のあるプライスや実績十分のシールズ(ピッチャー)には、あまり何も言わない。言うとしたら、もっと速い球を投げろかな」。しかし、マイナーリーグと大リーグを行き来しているゾブリスト(野手)。マドンは彼が大リーグに定着するためには、どこでも守れるユーティリティ・プレーヤーになるしかないと考えた。ゾブリストは言う「複数のポジションが守れるように、いろいろな種類のグローブを用意しとけって監督は言うんだ。僕がグランドで恥をかきたくないって監督に言うと“心配するな。君ならできる”って。彼は自信を染み込ませる名人だね」。




打撃も守備も不振のジェニングズ選手に言ったアドバイス。「私は彼に言ったんだ。まず、1つ目、彼は本当に本当にいい選手だって。そして、2つ目、決して失敗することを心配するなだ」。



2012年にロサンゼルス・エンジェルズからリリーフピッチャー、ロドニー投手(彼の前年の成績は防御率4.50でたったの3セーブ)を獲得した。ロドニー投手は、レイズに入って活躍し、防御率0.6048セーブをあげた。マドンにロドニー再生の方法を聞くと「簡単だったよ。私たちは彼に彼がいかに優れたピッチャーかということを伝えたんだよ。私たちは彼をリスペクトしているし、彼のすべてを受け入れるってね」


マドンの上司、球団上級副社長のフリードマン氏は言う「彼はどこまでも楽天家だ。これが逆に欠点でもあるんだ。彼は選手に忠義を尽くし過ぎるんだ。もう諦めないといけない選手にも、我慢強く接するんだ。他の多くの監督は、我々よりも早く選手を見切るが、マドンは違う。彼は『選手をひとりの人間として接するんだ』という信念を持っている」。




レイズの得点力が1試合あたり3.63点と、アメリカン・リーグで最低となり、マスコミからシェルトン打撃コーチへの批判と責任追及が叫ばれるようになった。マドンは、彼をかばいました。「シェルトンに一切責任はない。ゼロだ。レイズでは彼らマスコミが思っているような働き方はしないんだ。私たちは異花受粉方式で仕事する、全員がすべてのことに関わっているんだ。シェルトンは素晴らしい仕事人だよ」。シェルトンは過去にも批判を受けたことがあるが、彼は自分がクビになるなんて考えたことはないだろう。


「外部の人間は、何かうまくいかないことが起きると誰かのせいにする。もし、コミュニケーション、考え方や方法論が崩壊していたら、私も何か対策をとるだろう。当然のことだ。でも、そんなことは起こっていないんだ。うまくいかないといって、外部から違うボタンを押す誰かを連れてきたって、驚かされるだけさ、本当に」。


マドンでも選手との間で問題が起きることもあるでしょう。そんなとき、マドンは82歳のアドバイザー、ドン・ジマー(今年の6月に83歳で亡くなる)を上手に使います。オールドスクールのジマーとコンピュータのデータに基づいて作戦を立てるマドンのコンビは奇妙に映ります。でも、マドンは言う「もしある選手と問題が起きたとき、私は彼にジマーと話に行かせるんだ」


ベネズエラにある野球学校を訪れた時のこと。多くの監督がゴルフや観光に時間を割いたのに対し、マドンは毎朝7:30に学校に出向いて生徒たちと一緒にトレーニングをして親交を深めました。


塁上にランナーがいるとき、あるバッターが三振しました。マドンはベンチに戻ってきたその若い選手の隣に腰を下ろしました。彼の打席でのアプローチの良さに感心したマドンは、彼に「そのままでいい。必ずうまくいくよ」と言いました。次の打席で、彼はセンター前にヒットを打ったのでした。


野球は失敗のゲームだ。そのことをマドンより理解している者は少ないと思います。


ビジネスの学び


1.マネジャーの役割で一番重要なのは、部下の話を聞くこと。

話を聞くことで、部下の考え方や性格を理解して的確な指示やアドバイスができるようにする。


2.部下に自信を染み込ませること。

部下の能力を見極めて、部下に自信を持たせ、失敗したときは部下をかばい、マネージャー自身が責任を取る。


3.異花受粉方式で仕事すること。

部下全員にその部署やプロジェクトの全体について関心を持たせ、関わらせていく。

4.年長者を部下とのクッションに使うこと。

自分とは違うやり方で、優しく部下を導いてくれるドン・ジマーのような年長者がいるといい。






ドン・ジマー。こんな優しそうなおじいちゃんと話をすると、心も落ち着くだろうな…(フリー画像より)