大リーグ監督からビジネスを学ぶ④ | 六月の虫のブログ

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MLBのオフィシャルサイトのニュースによると、ジョー・マドン監督が我がシカゴ・カブスの監督になる可能性があると報じています。現監督のレンテリア氏とは契約が残っているので、どうなるかわかりませんが、楽しみです。


マドンは最も革新的で最も興味深く、最も成功した監督の一人です。彼は、いろいろな球団を渡り歩いた二流のバッターを四番に据え、二線級のピッチャーでリリーフ陣を形成します。さらに、毎回変わる守備シフトを敷きます。


マドンはフロントオフィスの方針をチームに反映し、彼自身の哲学もチームに浸透させているのです。


さて、前回は、「自分の能力を知り、自分の能力を高めてくれる人たちと付き合うことが重要だということ」、「うまくいったことや成功したことは、それを再現する方法を見つけないと、継続的な発展は望めないこと」を学びました。


http://ameblo.jp/junebugmaymolly/entry-11945413889.html


今回は、マドン監督の”素晴らしい雰囲気作り”の極意とそれによる”チーム作り”を紹介します。雰囲気がいいと、選手たちのパフォーマンスも上がるからです。


「うちの選手たちもそうだけど、私は自分を大人だと思ったことはないよ」とマドン。彼は未だに子どもの心を持っているのです。


タフな試合に負けた後、ある選手がメキシカンバンドをクラブハウス(ロッカールーム)に呼んで演奏させたとき、選手全員が監督は怒っていないかとマドンの方を見ました。「それはいい考えだと思ったよ。演奏が始まって数分すると、みんなもう試合のことなんか忘れていたからね」とマドンは言います。




『遠征、ヒッピースタイル』http://ameblo.jp/junebugmaymolly/entry-11848292259.html )にも書きましたが、マドンは選手たちに仮装させて遠征に出る“テーマトリップ”が好きです。パジャマ姿やカウボーイやヒッピーの格好で飛行機に乗るのです。選手にも好評で、いろいろアイディアを出すように言っています。




あるテーマに基づいて仮想して遠征する“テーマトリップ”の狙いは?



「それこそチーム作りのためさ。普段しない格好をすることで、ドキドキして落ち着かなくなる。選手たちはその格好でホテルのロビーに入るし、ファンと写真を撮ったりもする。そのドキドキして落ち着かない気持ちが好きなんだ」。



「まあ、何よりも楽しいからさ。3,000ドルのスーツを着て専用機で遠征しているチームに楽しさを見せつけるのさ。3,000ドルのスーツを着て遠征することが、勝ちに結びつくとは考えられないからね」。



「多くの紀律(自分に対する厳しさ)は自由から得られるって信じているんだ。もし、あなたが信頼できる、高いプロ意識を持つやる気のある集団と一緒に仕事をしていたら、その集団に対して自由度を広げると、自分たちに対してより厳しくなると思うんだ」




マドンはまた、クラブハウス(ロッカールーム)にもいろいろなものを呼んできて、選手たちを驚かします。手品師、DJ、音楽バンド、へびやペンギンなど。


ビジネスの学び

上述のマドンの言葉にあるように、自由度と責任の大きさは比例するのです。そして、マドンが選手たちに求めているのは、”高いプロ意識””やる気”です。


今はドラッカーも言うように”知識の時代”です。こういう時代には、従業員をマニュアルで縛るよりも、自由度を大きくして”高いプロ意識””やる気”そして、”能力”を引き出し、彼らの知識を最大限活かしきることが大切です。以前にも増して、責任感が重要になります。


もちろん、”テーマトリップ”やクラブハウスでの種々のイベントだけで、選手たちのモチベーションやプロ意識を上げているわけではありません。


次回は、マドンの個々の選手たちとの接し方から、リーダーシップについて紹介します。




レイズの”テーマトリップ”、左上がマドン監督(フリー画像より)。