「”○○○っていう商品”ある?」と商品の固有名詞を出してスタッフに問いかけるお客様がおられます。
こんなとき、どのような接客をするかでお客様の満足度が変わります。
もし、”○○○っていう商品”をあなたの店で売っていなかったらどうします?
最悪の接客は、「当店で”○○○”は扱っておりません」とだけ答えることでしょう。お客様は、「ほな、さいなら」と言って帰ってしまいます。
もし、お客様が”○○○っていう商品”という場合、私はこう解釈します。
”○○○に似ている商品”または”○○○と同等の商品”。
”○○○”と言い切らず、”○○○っていう商品”のように”・・・っていう”がつく場合、そのお客様はその商品の愛用者ではなく、初めて買う人であることが多いからです。
もし、”○○○っていう商品”がかぜ薬だったら、そのお客様のニーズは”かぜを治したい”ということであって、”○○○っていう商品”ではないのです。
だから、「”○○○っていう商品”は置いておりませんが、それと同じような商品はあります」と別の商品をご紹介します。
半分以上のお客様が、”○○○っていう商品”ではなく、紹介した”○○○に似ている商品”または”○○○と同等の商品”を買ってくれます。
その商品を愛用していないお客様は、”○○○っていう商品”の”○○○”を間違って覚えていることも多いのです。
以前、「”パンタロン”くれ」と言われたお客様がおられました。私が「”パンタロン”ですか?」と訊くと、「そう、痛いところに塗る”パンタロン”だ」とお客様。それでようやく分かった私は「ああ、”バンテリン”ですね」と言って商品を渡したことがあります。
ビールやタバコの銘柄ではそういうわけにはいかないでしょうが、医薬品などのコモディティに近い商品は、”○○○に似ている商品”または”○○○と同等の商品”で代替できるのです。
でも、この”○○○に似ている商品”または”○○○と同等の商品”を紹介できない店員が多いのです。
パンタロンの画像で検索して出てきたのがこの画像。なんと、デビッド・ボウイではありませんか。