本日の日経Web版のコラム、『勝ち組不在 薄型テレビ市場の不思議』。
確かに、国内市場で80%強のシェアを持つシャープ、パナソニック、東芝の3社とも、テレビ部門は大赤字です。
これまでは、市場のシェアを上げることによって利益を上げるというパターンでした。つまり、市場シェアの高いメーカーは儲かっていたのです。ところが、”薄型テレビ市場”では、儲かっているメーカーがいないのです。コラムでは、これが不思議だといっていました。
「メーカーは国内だけでなく海外でも戦っていて、そこで苦戦を強いられているから」ということもあると思います。
「地デジ化で爆発的に売れた後の反動が予想以上に大きかった」こともあるでしょう。
コラムでもその点は指摘しています。
でも、私が考える国内での”この不思議”の一番の原因は、「価格決定権はメーカーではなく、家電量販店が握っている」ということだと思います。薄型テレビは、完全にコモディティー化したのです。つまり、つま楊枝や綿棒、割り箸と同じような商品になってしまったということです。
逆に、現在、コモディティー化していない商品の方が少ないと思います。
あなたに質問です。
「この商品、このブランド、このメーカーじゃないとダメなの」っていう商品あります?
そうでない商品は、値段が購入の決め手になりませんか?これが、コモディティー化です。
さらに、その商品の普及率が100%近くになると、商品はコモディティー化しやすい。薄型テレビは携帯電話の普及率を越えています。
アイリスオーヤマが、白物家電に参入するのも白物家電がコモディティー化したからでしょう。
”市場シェア”至上主義という今までの概念は通用しなくなる可能性があると心しておかないといけないようです。