十六歳のアメリカ Vol.153 | 六月の虫のブログ

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ベースボール


三二、勝負はこれから (つづき)


 翌日、我がチームにはリッチ・サウス高校とのダブルヘッダーが待っていた。二ゲームとも、前日の打棒爆発が嘘のように、点が取れない。結局、第一試合が一対九、第二試合がゼロ対三と二連敗に終わった。第二試合はクリスが好投したものの打線の援護がなく、彼は見殺しにあった。私は肩にまだ張りがあり、とても投げられる状態ではなかった。ブライアン・ジョンソンもブライアン・マーサリも、翌週の同じカンカキー地区のセイント・アン高校とウエストヴュー高校戦に先発の予定で、リッチ・サウス高校戦での出番はなかった。エースが投げてないせいもあり、このダブルヘッダーの二連敗にもチームのムードは暗くなかった。

 翌週の水曜日、セイント・アン高校戦に先発したのは、勝ち頭のブライアン・ジョンソンだった。さすがにもう既に二勝を上げているだけあって、彼のピッチングは安定していた。ところが、六対二で迎えた最終回、ブライアンが疲れを見せ出した。ワン・アウトを取ったもののストライクが入らず、三つのフォアボールで満塁にしてしまった。私はそうとも知らず、ブルペンでピッチング練習をしていた。このときは、文字通り練習していただけで、リリーフの準備をしていたわけではなかった。ベンチの前からハイランドが私を呼んだ。ミスターはマウンドのブライアンのところにいた。そして、ブライアントの話が一段落した後、ミスターはハイランドに呼ばれてベンチの前まで戻っていた私に、続きを投げるように言った。あまりにも急だったので、緊張する暇がなかったのがかえって良かったのか、ブルペンの調子で気楽に投げられた。結局、二人のバッターをショート・フライとサード・ゴロに打ち取って、ブライアンに三勝目をプレゼントした。


 つづく・・・





 今、進行中のニューヨーク対タンパベイ戦。ニューヨークは地区優勝を決定している。一方のタンパベイは、ワイルドカード争いでボストンに2.5ゲーム差、まさに「勝負はこれから」状態にある。個人的には、お金を使っていないタンパベイに鬼のように金を使って選手をかき集めたボストンを破って欲しい。この試合は、四回を終わって12対ゼロとタンパベイが勝っている。



注意: 『十六歳のアメリカ』は、私の体験を基に書いていますが、フィクションです。


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