十六歳のアメリカ Vol.128 | 六月の虫のブログ

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ベースボール


三〇、練習試合 (つづき)


 シーズン開幕前の最後の練習試合は、大学のベースボール・チームと対戦することになった。相手の大学は、カンカキーにあるカンカキー・コミュニティー・カレッジ(KCC)だ。KCCとマクナマラ高校は、同じグランドをホーム・グランドにしていた。ミスターZの計らいで、五イニングだけ相手をしてくれることになった。

 この日の先発は、ブライアン・ジョンソンで、一人一イニングずつ投げることになっていた。私は、ブライアンの後、今回も二番目に投げるように言われていた。大学の方はもうシーズンが開幕しているので、KCCチームのコンディションは万全だ。

 この日は、ブルペンで投球練習をしながらでも、試合運びを見る余裕があった。初回表の我々の攻撃は相手ピッチャーが打てず、三者凡退で終わった。その裏のイニング、練習十分の大学生相手に対してブライアンも相当てこずり、一イニングで五点献上した。

 二回表のマクナマラの攻撃は、四番のエド・ラブーからだ。彼は大学生の球をセンター前にライナーで弾き返した。マクナマラ・ベンチは、点を取ったかのような騒ぎようだ。私もブルペンから一塁のラブーにガッツ・ポーズを贈った。打てなくて当たり前の大学生の球だ。会心の一撃をくらわして、嬉しくないはずがない。でも、ラブーは一瞬笑みを見せただけで、真剣な顔に戻った。いつもふざけているラブーとは別人だ。しかし、このイニングも後続を断たれ、無得点に終わった。

 いよいよ私の出番が回ってきた。


 つづく・・・




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現在のKCCのホーム・グランド。立派なグランドがある。KCCのホームページを見ていたら、過去35年の間に十数人のプロ野球選手を輩出している。



注意: 『十六歳のアメリカ』は、私の体験を基に書いていますが、フィクションです。