十六歳のアメリカ Vol.92 | 六月の虫のブログ

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ニュー・ファミリー


二六、ダンス・パーティー (つづき)


 美術の授業で一緒のデニスやドーンにSAAダンスにハーシャー高校のシニア(十二年生)と行くことを話していたし、会場で会うことになっていた。デビと私は駐車場で車から降りると、体育館とカフェテリアをつないでいる屋根つきの渡り廊下にある入り口へ向かった。入り口を入ると渡り廊下は飾り付けてあり、照明は暗めにしてあった。ダンスの会場はカフェテリアで、その入り口には受付があった。受付にはリンダ・ゴロウスキーがいた。いつもなら、挨拶すると笑顔で答えてくれ、たわいもない話をするのに、彼女は私のほうを見ようとしなかった。私が「ハイ、リンダ」と呼びかけると、彼女はようやく笑顔で挨拶してくれた。しかし、私のとなりにいるデビを見ると、下を向いてしまった。

 私は受付に二人のコートを預け、写真撮影の予約をしてからデビと会場に入った。会場に入ると、まずドーンを探し、彼女のいるテーブルに行った。私はドーンにデビを紹介し、ドーンは私に彼女のデートを紹介してくれた。紹介の後、私は二人分のパンチを酌んできて、一つをデビに渡した。もう一つは、自分の分のつもりだったが、ドーンは私にウインクしながら私の手にあるパンチを取り上げた。私は、彼女に「ありがとう」と皮肉を言って、もう一度パンチが入っているボウルに向かった。

 パンチの横にシスター・ドウセット(私の宗教の先生)がいた。私がシスターに挨拶すると、彼女は私のデートが誰なのか質問してきた。私はデビのほうを指差して、彼女はハーシャー高校の生徒で十二年生だと伝えた。シスターは、私たちの馴れ初めまで尋ね、私もシスターが満足するまで説明した。ドーンのおかげで、シスターに捕まってしまった。私がパンチを持ってテーブルに戻ってデビと踊ろうとしたとき、バンドが休憩に入った。何というタイミングの悪さ。


 つづく・・・




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SAAダンスのクイーン。クイーンには十二年生がなる。



注意:『十六歳のアメリカ』は、私の体験を基に書いていますが、フィクションです。