ニュー・ファミリー
二五、寒い冬 (つづき)
クリスマス休みの間はドミニクとよく遊んだ。公園でホッケーをしたり、とうもろこし畑でクロスカントリー・スキーをして楽しんだ。周りは雪で真っ白だが、丘がなく真っ平らなイリノイでは、ダウンヒル・スキーをする場所がない。したがって、この辺でスキーといえばクロスカントリーとなる。ドミニクと私は、ピーターを伴って、とうもろこし畑の上を二時間ほどスキーを履いて散歩した。地平線の彼方まで白銀の世界が続いている。広大な白銀の大地に、我々三人だけがいる。今考えると、大変贅沢な遊びだ。「寒いけど、外に出てスキーするのも気持ちいいね」と、ドミニクに話しかけた。彼はうなずき、「明日はキジを撃ちに行こうか」と言った。私が聞き返すと、彼はライフルを撃つ格好をした。
翌日、私がドミニクの家に着くと、彼の後について地下室へ降りた。私がコートを脱いでいる間に、彼は棚から二丁のショットガンを持ってきて、テーブルに並べた。私は興奮していたが、平静を装った。ドミニクは、ショットガンに詰める弾を取り出し、ショットガンの機能について説明しだした。ショットガンの弾はシェルといって、小さな鉛の玉が詰まっていて、それが散乱して獲物に当たるようになっているとのことだ。次に、彼はシェルの詰め方や安全装置について教えてくれた。そして、ショットガンの持ち方と構え方を教えてくれた後、注意事項を説明してくれた。二人とも真剣だ。彼の説明が一通り終わると、私は安全装置について再確認した。ドミニクはショットガンとシェルの入った箱を持ち、私はコートとショットガンを持ってガレージへ向かった。
つづく・・・
二丁とも12ゲイジのウインチェスターのショットガンだった。イリノイ州では、ショットガンは16歳以上で撃つことを許されていた。ただ、シェルを買えるのは18歳以上だったと思うが・・・。
冬でも外で遊ぶことはたくさんある。アイスホッケーやスケート、クロスカントリー・スキー、キジ撃ちなど・・・。
注意: 『十六歳のアメリカ』は、私の体験を基に書いていますが、フィクションです。