ある日、少年が外で遊んでいると、木の葉にまゆがついているのが見えた。少年はそのまゆを部屋に持ち帰った。数日後、チョウがまゆを破って外に出ようと苦闘し始めた。長くて厳しい戦いだった。少年にはチョウがまゆの中に閉じ込められているように見えた。チョウの動きが止まったことを心配した少年は、ハサミでまゆを切ってチョウを助け出した。
しかし、そのチョウは翼を広げて飛ぶことができず。ただ這い回るだけだった。本来なら、まゆの小さな穴から苦闘しながら出ることによって体液が翼にまで行きわたり、チョウは飛べるようになるはずだったのだ。
人生は苦闘の連続だが、もし苦闘がなければ、私たちは本来の強さを発揮できなくなる。
By アレキサンダー・ロックハート
子育てでも、社員の育成でも、助けるのが良いときと、少し突き放した方が良いときがある。でも、なるべく自力で何でもさせるほうがいいのかもしれない。
今の親や上司は、上述の少年のようにまゆをはさみで切ってしまう人が多いような気がする。
子供や部下が、翼を広げて飛ぶことができずに、這い回るだけの人間にならないように気をつけたい。
このチョウは翼を広げて、羽ばたいていったのかなあ。