「どうしてそんなふうにスラスラとカードが読めるんですか?」

という質問をいだたくことが、ときどきあります。

 

 

まったくの素人さんから聞かれたときは、

「えっと、それはあの、プロなので……」

と言って済ませてしまいがちですが、

 

 

タロットの勉強をしている方から聞かれた場合は

「圧倒的な時間を費やしているのです」

とお答えします。

 

 

いえ、

実際には、こんなふうには言いませんけど、

 

「なにしろ、16歳のころからタロットを読んでいるんです、私」

とか、

 

「365日のうちの350日くらいタロットのリーディングをやって、その結果を書く仕事をしているんです。

 

これくらいやると、誰でもきっと、スラスラ読めるようになりますよ!」

とか、

 

そんなふうに答えます。

 

 

でも、実は

こういう答えに心から納得している人って意外と少ないのです。

 

 

というのも、私の答えを聞いたあと、

 

「私もスラスラ読めるようになりたいんです。

半年前から勉強しているんですけど、なかなか……」

 

……なんていう言葉が続いて出てくる方がね、多くいらっしゃいます。

 

 

 

いえ、だから、こちらは四半世紀を越えて、ずっとずっと勉強してきたんですって!

 

しかもここ10年は

パン職人がパンを作るのと同じくらいの時間をかけて、タロットの解釈を書き続けているんですってば!

 

 

……と畳みかけたりは、もちろん、しません。

 

ただ、「半年くらいでスラスラと読めるようになるのは無理ですよ」と言いたい気持ち、やっぱりそう簡単には伝わらないよね、と小さくため息をついています。

 

 

 

というのも、昔の私もそうだったんです。

 

子供の頃、なかなかカードが読めなくて、ずーっと悩んでいました。

 

仕事になってからだって、

書籍を書いているときだって、

うまく解釈できないことはありました。

 

そのたび、

「あーもー、どうしてなの……」と悩んできました。

 

 

でも今は分かります。

 

それは“霊感”がないせいでもなければ、

“素質”がないせいでもありません。

 

単なる「経験不足」なんですね。

 

 

 

カードの意味をしっかり覚えるだけでも半年では足りないでしょう。

 

とはいえ、それぞれのカードの意味を覚えるのは、「音符」や「音楽記号」の意味を暗記するのと、あんまり変わらないはずなのです。

 

 

それらをひと通り覚えれば、譜面を見て、全体のストーリーを頭に読み込んで、楽器を弾けるようになりますよね。

 

でも、楽譜をパッと見ただけでスラスラと音を奏でられる人って相当な訓練を積んでいるはずです。

 

それと全く同じです。

 

目の前に並んだカードを1枚ずつ、たどたどしく読むことは半年でできるとしても、

 

全部のカードをパッと見ただけでスラスラとリーディングしていくって相当の訓練を積まないと無理なのです。

 

 

バイオリニストやピアニストだって、半年の訓練だけでどんな曲でも見た瞬間にスラスラ弾ける、なんていう人は天才でしょう。

 

タロットも(それからホロスコープも)、それとまったく同じだと思うのです。

 

 

それから、その他のこともそう。

 

私たちが「うまく出来ないこと」について悩むとき、

8割がたは「まだまだ時間をかけたりていない」という、それだけのことだったりすると思います。

 

 

最近の私、写真をね、自分の思い通りに撮れることが増えました。

 

でも、ここに来るまで、既に10年以上かかっています。

長い道だったなぁ……と思うのです。

 

 

何事もそう。

続けることです。

 

 

明日も

あさっても、

来年も、

再来年もね、

とにかく続けてみること。

 

 

それこそが「上達」と「成功」のゆるぎのない秘訣ですよ!

 

地味だし、面白くもない話だけれど、それが真実なのです。

 

 

というわけで、今日もお疲れさまでした。。

 

みなさん、それぞれ今日もまた、自分の技能やスキルを磨かれたことでしょう。

 

明日もまた、頑張りましょうね!

 

 

おやすみなさい。

いい夢を……。