植村直己さんの北極圏への冒険記と、アラスカに移り住んだか写真家、星野道夫さんのエッセイ。

 

このふたつの出会いに導かれて、オーロラタロットを作るに至ったお話を「私とタロットのお話」というシリーズにして書いています。

このところ話が脱線気味でしたが、今日はようやく続きを……。

 

 

星野道夫さんのエッセイを読んで驚いたのは、まず、文章のたくみさ、あたたかさでした。

 

写真が本業の人とは思えない深く響いてくる言葉の数々。。

 

 

特に、編集者によって抜き出された言葉が、星野さんが撮影した美しい写真と並んでみられるフォトエッセイ集“Michio's Northern Dreams”シリーズでは、そこに収められている言葉に何度も唸りました。

 

この一言が出てくるまでに、彼はアラスカでどんなことを体験し、どんなことを考えたのだろう……と思ってしまう言葉をいくつもあるのです。

 

 

有名なところだと、

「人の心は深く、そして不思議なほど浅い。

きっと、その浅さで、人は生きてゆける」

とか。

 

そして、こちらは星野さん自身の言葉ではなく、知人にかれられた言葉。

 

「寒いことが、人の気持ちを暖めるんだ。

離れていることが、人と人を近づけるんだ」

 

こんな言葉をかけてくれる友達が近くにいるアラスカの暮らし。

寒い寒い、オーロラが見える土地での暮らし……。

 

 

想像のつかない世界です。

 

でも、そこが、魂を震わせるような写真と言葉を生み出す力を人に与える土地であるのは間違いないこと。

 

 

私にとって、この“Michio's Northern Dreams”は、ちらっと見返したり、心のなかで思い出したするだけで、心臓に近いところに微かな震えを感じる本になっています。

 

感動的な映画を二時間かけて見終わったのと同じくらいの心の震えを瞬時に呼び覚ます――そんな力を持つシリーズです。

 

 

 


 

今、アマゾンのレビューを見てみたら、私だけではありませんね。

 

このフォトエッセイに心を揺り動かされている方がたくさん。。

 

 

さて、オーロラタロットですが、

星野さんの著作からイマジネーションを得て作ったカードは、なんといっても『カリブー』、『ナヌーク』、『くじら』それから『ベリー』です。

 

こうした生き物、植物は、植村さんの冒険にもたくさん出てきます。

 

でも、星野さんの写真と言葉から得たイマジネーションのほうが強いカードです。

 

 

いっぽう、植村さんの冒険から得たイマジネーションが色濃く出ているのは、『乱氷』や『犬ぞり』、『ブリザード』など、手ごわい自然を感じさせるもの。

 

それと比べてみると、星野さんの本からいただいたのは、動物や植物など、生命のモチーフですね。

 

 

そうしたものが混ざって、ひとつの世界に収まりました。

 

 

それから、もうひとり。

植村さんや星野さんほどの著名人ではありませんが、オーラタロットを作るとき、カードにしたいモチーフを授けていただいた著者の方がいます。

 

次回は、その方の本を紹介したいと思っています。

 

……続く。

 

 

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