だいたい40過ぎた男が1人で旅をするなんて、これはすこし恥ずかしがらなくちゃいけないことでもあると考える。でもまぁしょーがない。
「ツール・ド・シュト」の開幕である。
天気は快晴。
「あら?お出かけ?」
「あっはい。ひと月ほど家を空けますので何かあればよろしくお願いします。」
「あっこの間行ってたご旅行ね?
え?自転車?どちらまで?」
「あっ九州までなんですう…汗」
「え?あ、まぁ!!
頑張って!」
なんていうやりとりを終わらせて出発。
朝の7時半だというのにかなりの暑さである。
これはかなりヤバいかもなぁ〜。
とりあえず国道246で海を目指すのみ。
この246って車だと気付かないかもしれないけど、意外とアップダウンが多いんだよ。
足の疲れを溜めないようにゆっくりと進む。
この旅最大の難所は、そう!初日の今日なのだ。
なんてったって天下の剣、箱根峠を越えないといけないのだ。
そこを越えれば箱根を越すような登りはないんだ。
しかも足もカラダも仕上がってない状態で登るんだから、絶対にキツい。
よく「いつもアクティブに動いてるねー」
とか「カラダ鍛えてるねー!」
とか言われるけど、多少腕立て伏せやら腹筋はやってるけど、他はほぼゼロ。
通勤時間もないし、1日200歩も歩いてないんじゃないかと思う。
この旅にむけてカラダを仕上げようと試みたものの、意志の弱い僕は10キロランニング一回。自転車50キロ一回しかやらなかった…
よーするにフツーの中年の旅だと思ってくれていい。
そのフツーの中年のおっさんが果たして自転車で大分まで行けるのか?
その答えは「行けるのだ」
それだけはわかってるんだ。
僕は体力はないけど、疲れは知ってるんだ。
このぐらいの疲れなら明日も大丈夫とか、けっこうしんどいけど、まぁ許容範囲だなぁとか、この疲れは明日に響くだろーなぁーとかね。
まぁそれは学生時代の山登りとかもあるけど、やっぱり経験ってことになると思う。
てことでまぁ大丈夫だろぉなんていう気持ちでね。
厚木を越えたあたりで前の方に旅をしてるらしきロードバイクを発見。
背中の大きい若い兄ちゃん。
(こりゃ風よけにもってこいだなぁ〜)
「こんちはー!暑いねぇー!そこのコンビニで一服しない?」
「あっこんちは!いいすねー!」
ってことでアイスコーヒー飲みながらしばしお話。
「どこまで行くの?」
「今日は小田原までで、明日熱海の方に足を伸ばそうかと…どちらまでですか?」
「あっ俺法事で大分まで帰らなくちゃいけないんだ。」
「まじすか!じゃ、前を引かせてください!!」
なかなかわかってるこの兄ちゃんは小学校の先生をしてる泉君。
ここから小田原まで泉君に引いてもらう。
ラッキー!!
自転車ってのは坂道はもちろんなんだけど、意外とキツいのが風なんだ。
1人、前にいるだけでそうとう楽に走れるわけ。
僕が疲れない程度の速度でゆっくりと小田原までというか箱根湯本まで運んでくれた。
ここでお別れ。
「マジでこれから箱根超えるんすか?大丈夫すか?」
「まあね。まぁ大丈夫だろ!ホントにありがとね!世田谷に来たら連絡してよ!」
と僕はここから1人で箱根峠へ…
かっこよく別れたんだけど、もう目の前には信じられないくらいの坂が…
まぁ泉君が見えなくなったら歩いちゃおー。
と思ってたんだけど、泉君、律儀にずーっと手を振ってんだよぉ涙
ここで降りたらカッコ悪いからチャリから降りられない。
もういいって…マジで…
運動不足の僕の足はマジで痙攣間近…
ようやくカーブを曲がったところでチャリを降りてしばらく自転車を引きながら歩く。
マジかぁ。ヤバいなぁ。マウンテンバイクで荷物を載せてるとはいえ、これはかなりバテ過ぎ。
傾斜がきつくなるとチャリを引き、また乗るの繰り返し。
ようやく箱根峠を越えたらあとはもう天国の下り坂。
三嶋大社で待ち合わせ。
いやぁほんとにいつもいつもありがと!
話は尽きないが、明日もみんな仕事で僕は旅ってことで、寝袋に入って就寝…
とにかく最難関は突破したぜぃ。





