Davidさんは、実にすばらしい曲集を残してくれています。クライスラー等もバロックの古い作品を発掘して現代風にアレンジして「擬古典」というジャンルに貢献したことでも知られていますが、このFerdinand DavidのDie Hohe Schule Des Violinspiel は、すばらしい曲集であると同時にヴァイオリニスト上級者を育てるための教材としての意味合いもあり、学ぶべきことがたくさん詰まっています。プロを目指す上級者や、あるいは既にプロとして活動している人も、バロック時代の作品の様々な表現や奏法をしっかり勉強するにはとてもすばらしい曲集です。惜しむらくは現在この教本が出版されていないということです。なので、お薦めしたくても出来ないのが現実です。ま、いっか。自分用極秘教材として内緒にしておくのもありかも???!

ちなみに日本で出版されている教本によく載っているコレルリのラ・フォリアや、ヴィタリーのシャコンヌ(シャルリエ編)は、大元はこのDavid版であることを知っている人は少ないようです。