アイドル刺傷事件で三原じゅん子氏「早急に法改正を」 警察の弾力的運用が必要

東京都小金井市で、アイドルとして活動している大学生、冨田真由さん(20)がファンの男に刺されて重体となった事件が波紋を広げている。かつて自身もアイドルやタレントとして活躍し、国会議員としてストーカー規制法の改正にも関わった、自民党の三原じゅん子参院議員(51)に聞いた。

 「極めて痛ましい事件です。法律が実態から遅れていたということが悔やまれてなりません」

 三原氏はこう語った。冨田さんは犯人にツイッターで執拗(しつよう)に絡まれていたが、ストーカー規制法が「つきまとい」とする定義には、ツイッターなど会員制交流サイト(SNS)への投稿は明記されていなかったのだ。

 「2013年に同法が改正されたとき、メールを送信する行為を規制の対象に入れました。でも、当時はスマホの無料通信アプリLINE(ライン)はあまり普及しておらず、SNSへの認識が希薄でした。早急に法改正を行い、再発防止に努めなくてはいけません」

 アイドルやタレントのあり方が多様化し、よりファンに近くなった現在、その危険性について懸念があるという。

 「私が(『3年B組金八先生』など)テレビで活動していたときは、芸能界と一般社会との間には、ある程度の距離がありました。『ファンとの交流』といえば、ほとんどファンレターくらいで、電話番号を聞かれることもありませんでした」

それでも、コンサートでいきなり舞台に上がってこられたり、自宅まで後を付けられたこともあるという。

 「私も何度か怖い思いをしたことがありますが、『本当に怖い』と思ったのは、AKB48のメンバーが14年5月、岩手県での握手会で男に襲撃された事件です。ああいう場合、防ぎようがありません」

 今回、冨田さんは芸能事務所に所属していなかった。ただ、警視庁には事前に相談していた。

 「警察の活動をもっと弾力的に運用すべきです。今回のケースはツイッターの書き込みなど、犯人の異常性が明らかでした。何かある場合、警察がより機動的に動けるように、法律の改正を考えたいです。ストーカー規制法と、リベンジポルノ規制法のリンケージも重要。やるべきことは、まだまだあります」 (ジャーナリスト・安積明子)