2月1日、フランスのベルサイユ宮殿で開催された「がん対策パリ憲章大賞」に常陸宮さまと華子さまが出席されました。
この賞は、がん対策の研究で国際的に大きな貢献をなした人にフランスの公益法人が贈っている賞で、日本人としては初めての受賞です。

席上、今回の受賞の理由として「およそ40もの研究論文を書き、がん研究基金の総裁を務めるなど、人間と動物のがん研究・がん治療の発展に尽力された」ことが紹介されました。これを受けて常陸宮さまはスピーチをされ、パリで昨年11月に発生したテロによる犠牲者に哀悼の意を表されるとともに、がん研究と治療の必要性を訴えられました。

常陸宮さまのがん研究の業績については、一言では語ることができません。

名誉総裁を務められる「公益財団法人がん研究会」は、日本最初のがん専門機関であるとともに、研究所と附属病院としてがん研有明病院を備え、日本のがん研究と治療をリードし続けた機関です。

常陸宮さまは学習院大学理学部、東京大学理学部で学ばれた後、このがん研究会の研究所に所属され、40年以上、客員研究員として動物のがんの研究を続けてこられました。

さらに、平成9年には米国のジョージ・ワシントン大学、平成13年4月には,ミネソタ大学から名誉学位をお受けになり、平成11年には,ドイツがん学会の名誉会員にご就任されました。

これも日本人として初めてのことだそうです。

最近は車いすで公務に臨んでいらっしゃいますが、今も週3回ほどがん研究所を訪れ、論文を読み、多くの人と熱心に議論されているそうです。

皇室には代々、施薬救療(無償で薬を施し、治療を行うこと)によって国民を救済する伝統があるそうです。
古くは、聖徳太子が難波(現在の大阪)に建立された四天王寺に併設の「施薬院」「療病院」「悲田院」にて、代々医療のみならず民草の生活を案じて慈恵救済を行ってきました。

昨年末、安倍政権は「がん対策加速化プラン」を策定しました。


私も常陸宮さまの努力とお心に恥じないよう、がんから国民の生命と健康を守るために、これらの国の取り組みがしっかりと進むよう、後押ししていきます。



最後になりましたが、常陸宮さまのこの度の受賞を心よりお祝い申し上げます。

参考:済生会ホームページ「恩賜(おんし)財団の表記」