14日、皇居・宮殿の松の間で新春恒例の「歌会始」が行われました。



歌会始の起源は定かではありませんが、古くは鎌倉時代に記録があるそうです。

江戸時代には毎年開催されるようになり、明治維新後も改革を加えながら連綿と受け継がれてきました。



この改革で素晴らしいと思ったこと。



明治7年(1874年)には一般の詠進が認められ、これまでのように皇族・貴顕(きけん)・側近などだけでなく国民も宮中の歌会に参加できるようになったのです。

これが私たちにおなじみの歌会始。

まさに皇室と国民が言霊をもって相互に交流する形式がうまれたのです。



改革を行った明治天皇は、9万を超える歌を詠まれました。

どの歌の背景にも、国民の幸福、国の繁栄に対する祈りがあります。日本の偉大なる礎です。



ちなみに明治神宮のおみくじには吉凶は書かれていません。明治天皇による「御製(天皇が詠まれた和歌)」と

昭憲皇太后による「御歌(皇太后、皇后が詠まれた和歌)」の中から道徳の教訓が書かれた歌が書かれた

「大御心」というくじになっています。

おみくじという親しみやすい形で今日の私たちに祈りが伝えられていることに、心からありがたいと思います。



ことしの「歌会始」のお題は「人」。

全国と海外から合わせて1万9000首近くの短歌が寄せられたそうです。



今回、天皇陛下は「戦ひにあまたの人の失せしとふ島緑にて海に横たふ」という歌を詠まれました。

この歌は、去年4月に太平洋戦争の激戦地であったパラオをご訪問になり、多くの日本兵が命を落とした島に向かって拝礼したときのことを詠まれたものです。



皇室と国民の交流の場で、陛下は日本人の鎮魂のために歌を詠んでくださいました。

日本はそんな言霊の力に支えられているのですね、、、。



来年のお題は「野(の)」。

読者の皆様もふるってご応募ください。