今日は坂本龍一の最新且つ最後の舞台作品『TIME』をみてきました。

お隣の駅まで歩く途中に満開の桜をぱちり。

ホテルも多い地区なので外国人の方がとても多いのですが

彼らも写真を撮ったり満開の桜を楽しんでいました。

 

 

 

 

場所は初台の『新国立劇場』。なんか最近初台づいているな。

先日水曜日の飲み会も初台だった。(よって遠かった)

 

 

 

開演まで待っていたら見覚えのある顔が。。。

あれ?お茶の教室で一緒の男子だ!

(京都の御曹司くんといいこういう芸術イベントでお茶の子たちとは偶然よく会う)

 

舞台は1時間20分。

『田中泯』のダンスをみたいと思ったのでチケットをとりました。

1時間20分間。はじめから圧倒されっぱなし。

ちょっと形容できない世界観。内容は哲学的だし能の表現にも似ているし。

演出としては谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』そのもので。

雨の音から始まり宮田まゆみさんの笙の演奏は水面を歩きながら。

『田中泯』はごつごつとした人間そのもの。

水、水面、水鏡と光と影の陰翳が織りなす世界観は

人間の生死と自然の時間軸を表現しているようにも思える。

これは夢なのか現実なのか、そんな時間。

 

笙の音色は素晴らしく、『田中泯』の全身からほとばしる人間としての表現力。

影にもにエネルギーが宿るような。

なんともいえないこの舞台、なかなか解釈が難しいので万人受けは

しないと思いますがじゅんちくわにとても響きました。

 
お茶の男子とその後LINEでお互いの感想をやり取り。
彼は『夏目漱石』のテクストが素晴らしいと。
じゅんちくわは谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』の世界観だったと。
それを伝えてもすぐに『たしかに!』とわかってくれるあたりさすがだと
思ったよ。

 

で余韻に浸りながら家に届いている雑誌をぱらぱらとめくっていたら

ちょうど『TIME』の特集がされていて。

能の世界観だと舞台をみて感じたのはほんとにその通りで

坂本龍一はシテで今回の出演者はワキなのだそうです。

あとこの舞台は2021年にアムステルダムが初演で今回の東京公演は

3月28日から。奇しくも坂本龍一の一周忌とのこと。

それも一周忌を図ったわけではなく元々昨年から2024年3月28日

が東京公演の初日と決まっていたらしい。それもすごい偶然。

 

(雑誌自体はエルメス創業家6代目のアクセル・デュマ氏も特集されていたり、

先日虎ノ門ヒルズにオープンした”アポテオーズ”の北村シェフ(この人、ナリサワ系

でピエール・ガニェールで修業したのね)と色々読み応えがあった)

 

珍しくパンフレットも買ってきたら

坂本龍一は『福岡伸一』先生とも仲が良かったらしい。

この舞台はロゴスとピュシスなんだと。なるほど~。

ピュシス=自然、人間、 ロゴス=時間なのか!

 
本能的にいい舞台だと思いましたが昔から能などたまに観たりしていたので
その世界観はわかるのとここ数年の仕事と読書の知識が結集し
具体的な例えで感想を表現できるということに我ながら自分の成長を感じました。
(今までだったらただ良かったとかすごいとかだけしか言えなかった)