じょんのブログ

じょんのブログ

NEC PC-88VA2を修理(?)している記録です。

このブログでは、主にPC-88VA2の修理記録を書いていますが、拡張ボードの設定ソフトの都合等により、PC-9800シリーズのパソコンが必要になることがあります。そんな理由で、数年前にPC-9821Xa12を購入しました。

元々ジャンク品として購入してしていますが、ハードディスクを除けば、それなりに生きています。メモリも32MB実装済み。

LANボードの設定はFD起動ができるドライバディスクでできてしまったので放置していましたが、ちょっと手を加えればすぐに使えるようになりそうです。

そんなわけで、今回はPC-9821Xa12の復旧を試みた内容の記録です。


まずは明らかに壊れているハードディスクについて。修理か交換かということになりますが、私にはハードディスクを修理するような技術はないので交換一択です。

とは言っても、元のディスクの容量は800MB、最大でも2GBまでしか認識できないので、かなり古い中古かデッドストックとなります。動いたとしても安定稼働は期待できません。できればSSDとかにしたいところですが、そんな小さな容量のSSDなんてありませんよね。そこで登場するのが、SDカード→IDE変換基板です。

 

はい、そしてこちらがAmazonで購入したSDカード→IDE変換基板です。


メーカーは不明ですが、SD35VC0という型名らしきものが書かれています。 

SDカードはMS-DOSが認識できる限界である2GBのものを買ってきました。

SDカードの場合、FAT16で稼働している組み込みシステム等がたくさんありますので、まだしばらくは2GBのSDカードの入手に困ることはないでしょう。


さて、物がそろったら、次はハードディスクの初期化です。

Vector等にこのあたりのツールもいくつかありますが、まず最初はMS-DOS6.2のシステムディスクに入っているツールで何とかする予定です。

AT互換機の世界では、ハードディスクのパーティションを分けてから初期化しますが、PC-9800シリーズは順番が逆です。

まずハードディスクを初期化して、そのあとに領域確保です。

  1. FORMAT.EXEを起動
  2. HDDを初期化
  3. 領域確保
  4. システム転送
MS-DOS6.2のシステムディスクの中にHDFORMAT.EXEというプログラムがありますが、こちらは単独で起動できないようになっており、FORMAT.EXEの中から、「固定ディスクの初期化」を選ぶことによって、子プロセスとして実行されているようです。
MS-DOSを使うには2GBは大きいかもしれませんが、特にパーティションは分けません。
 
さて、ここまで進んだら、いったんリセットして再起動します。
AT互換機のMS-DOSでは、A:B:ドライブはFDD固定で、ハードディスクの1台目はC:ドライブになりますが、PC-9800シリーズでは(PC-88VAのPC-Engineも同じだけど)、ドライブの種類に関係なく、起動したドライブがA:ドライブになります。
OSのインストール時はフロッピーディスクから起動しているので、FDDがA:ドライブですが、HDDから起動するなら、HDDがA:ドライブとなる前提で各種設定をする必要があるので、ここでリセットが必要になるんですね。
 
本来ならこの後、各種ソフトをインストールしていくことになるのですが、ここで致命的な問題が発生してしまいました。
リセットでは問題なかったのですが、電源をOFFしてから再起動すると、HDDを認識しなくなってしまうのです。
 
結論を先に言うと間違っていたのですが、私はまず最初に以下の予想を立てました。
 
PC-9821Xa12は、FlashROMというものが存在しない時代のパソコンだったはず。
 ↓
「固定ディスク起動メニュー」に相当するブートローダーがSRAMに書かれているのでは?
 ↓
SRAM保持用の電池が切れている(二次電池が既に寿命で充電できない)。
 ↓
電源を落とすとハードディスク起動用のブートローダーが消えてしまう。
 ↓
電源OFFでハードディスク起動不可になる。
 
それで、まずは二次電池を交換することにしました。
PC-9821Xa12の電池は、電源ユニットの下にあります。
パソコンのフタを開けて、電源ユニットを固定しているネジを数個外せば、その下にコイン型の二次電池がケーブルでつながっているのが見えるはずです。私のPC-9821Xa12は、以前に電池を交換していたらしく、いかにも適当な感じで、電池がビニール袋に包まれて、本体にガムテープで止めてありました。
ネット記事を色々と調べてみると、一般的にはPanasonic製の二次電池 VL2330が使われているようです。
ネット上では、これを一時電池のCR2032に置き換える方法が色々と見つかりましたが、今回はそれはやめておいて、ヤフオクでVL2330を入手、交換しました。
因みに、PC-9800シリーズ用として出回っているケーブル・コネクタ付きのVL2330については、コネクタの形状が2種類あるようで、注意が必要です。私のパソコンでは、航空電子の茶色いコネクタのタイプでした。
この辺りの事情については、↓以下のページにて非常に詳しく紹介されていますので、興味のある方はご参照ください。
 
さて、二次電池を交換してカレンダー時計も無事復旧しましたが、残念なことに当初の目的であった電源OFF後のHDDからの起動は叶いませんでした。前のほうにも書きましたが、二次電池の問題ではなかったのです。
そうして原因を検討していたところ、バッチリその答えが書いてある↓サイトを見つけました。
この記事によると、起動できないのは以下の理由によるもののようです。
  1. PC-98のブートBIOSが起動直後にハードディスクの0セクタ目に書かれているIPL(Initial Program Loader)を読み出そうとする。
  2. SD-IDE変換基板の初期化処理が遅いため、0セクタ目が読み出せるようになる前に時間切れ
  3. PC-98が不正なディスクだったと判断 
  4. 以降、初期化完了しようが、リセットしようが、電源ON直後以外は認識しない。
AT互換機では仕組みが違うので「問題ない」ということになってしまうのだそうです。
一応、回避策はあるようで、SDカードを抜いた状態で起動→ SDカードを差してリセットすると、認識するようになるようです。とりあえず、私のほうは当面はこれで運用していこうかと考えています。
 
しかし、前の記事にあるZennさんがスゴいのは、起動できない理由+対処方法だけに留まらず、ボード上のROMを逆アセンブルして解析し、PC-98でも正しく起動できるように修正してしまったということです。
私が以前に逆アセンブルしたICMのパケットドライバは4kb程度でしたので、まあ、解析するのも可能な範囲だったのですが、こちらのROM容量は64kbもあります。しかも、その修正したROMは公開されているようです。う~ん、スゴい!尊敬します。
 
とりあえず、文章が長くなってきたので、今回はここまで。続きはまた今度。
 

↓この記事の続きです。

 

その後の調査でトランジスタQ10がミュート回路の一部であることは間違っていませんでしたが、故障の原因ではないことがわかりました。


そもそも、原因特定のための現状把握が間違っていました。

以前に確認した時はLINE OUT端子から出力ができていないと判断していましたが、再度確認したところ、問題なく出力できていたようです。外部機器の接続で何かミスしていたのかも?

 

ちなみにQ10は、2SA1115かと思っていましたが、どうやら2SA1175が正解っぽいです。

調査の為に外してしまいましたが、脚が短くなり過ぎて再利用はできず、今は2SA1015を付けています。

 

とにかく、問題はLINE OUT以降、スピーカ出力までに絞られました。

スピーカは、オーディオ基板上にあるμPC2002H(IC8)によって駆動されているようなので、その入出力の波形をとってみました。

黄色が入力、緑が出力です。

入出力の電圧レンジは違っています。入力が600mV±200mVぐらい、出力が0~5Vぐらいです。選択できるレンジの問題で入力の方が大きく見えていますが実際は逆です。

 

音声出力していない時の波形

 

音声出力中の波形


恐らく入力波形は問題ないと思われます。知らんけど。

出力波形は明らかに音声の波形じゃないですよね。飽和しています。

μPC2002Hは、負帰還増幅回路を構成して使用するものらしいのですが、たぶんそこがうまくいっていない。

 

μPC2002Hの周辺の回路はこんな感じです。

IC6はアッテネータμPC1406HAです。(アッテネータでスピーカ出力のボリューム調整をしています。)

CN1は本体メイン基板へとつながっています。

結論から先に言うと、回路図中の赤い✕マークのところが断線していました。

たぶん、現物を見て配線を追っていても、そこの断線には気づけなかったと思います。

今回ここにたどり着けたのは、月刊I/O1987年8月号の記事があったからこそです。

オーディオ基板は電解コンデンサを全交換していますが、どうやらその時に、電解コンデンサC8に接続されていた配線を破損してしまったのではないかと思います。

上の写真の赤い〇で囲った部分のジャンパー配線で修理完了!

入手可否が不明なチップの問題でなく、配線だけで解決できる問題でよかったです。

無事、音が出るようになりました。めでたし、めでたし。

 

なんだか文章に書いてみると簡単に直っちゃったみたいだけど、原因をここまで特定するのはなかなか苦労しました。

(ハードウェアの知識が無さ過ぎて…w)

 

因みに、今回、この修理のために回路図面作成ソフトKiCadの使い方をちょっとだけ覚えました!

「回路図エディター」をちょっといじってみた程度ですけどね。

 

今回は珍しく、うまく修理ができた報告でした。

スピーカーから音が出ない件、AIに聞いてみたところ、それなりの回答が返ってきた。

 

・ヘッドホン端子からは音が出る

・スピーカー、LINE OUTからは音が出ない。

・ディスプレイ端子は未確認。

 

この情報がかなり重要だったらしい。

私の知る限り、ユーザーが入手可能なPC-88VA2の音源基板の回路図は出回っていない。ただし、PC-88VA(初代)や、PC-8801MA/MA2ならある。

AIは、近い時期に発売された同系列機種の回路構成は似通っているだろうと推測した。

いや、修理した人のブログ等から拾い集めた情報かもしれないが、その辺りは私にとってはどうでもいい。

とにかく、回路図を読み解くヒントを得た気がした。

 

まず重要なのは、ヘッドホン出力回路が前段にあり、その後にオペアンプやミュート回路があってその他の系統に出力していること。

つまり、故障の原因はヘッドホン回路の後から出力回路までの間にあるということだ。

 

PC-88VA(初代)の回路図を入手していたのに、

「どうせ音源周りの回路は違っているから」

という理由でそこまで見ようともしていなかった自分が悔やまれる。

 

とにかくAIは、症状からミュート回路あたりが怪しいのではないか?という提案をした。

出力回路周りの写真を撮り、怪しそうなトランジスタにマークをつけて、

「これだろうか?」

と聞いてみた。

 

 

複数の理由を並べて、それで間違いないだろうとの回答だった。

こんな基板写真から回路上に配置されているものが何であるか判断するんだね。

最近のAIって、やっぱりスゴイわ。

まあ、予想は外れていたけど。

 

そのトランジスタ、ミュート回路なのは恐らく合っているのでしょう。知らんけど。

だとしたら、外してしまえば、ブチ音はするけど音は鳴るようになるはず。

しかし、そうはならなかった。

症状変わらず。

残念…。

 

でも、調査すべき範囲はわかったのだから、地道に調べていけば答えに辿り着けそうな気がしてきた。

 

↓この続きはこちら