時々、考えることがあります。
・うちの会社、なんでこんな右肩上がり計画立ててんの?こんなに需要あるか?
・計画必達!計画必達!って、その間にどんどん組織が疲弊していってるんですけど、上(経営)はなにも感じないの?
・そもそも無理ゲーじゃない?
・いや、待てよ、どこの企業も同じもんか…。
そう自分を諭して無理ゲーな日常に戻っていくのですが、たまたま手に取った本作(山口周著、ビジネスの未来)。私たちの無理ゲーの正体が分かった気がします。
そもそももう、資本主義の限界なんだ。先進国の経済はすでに成長期を終え、文明化された高原状態にある。かつての高成長は途上国から先進国にステップアップする過程で得た臨時ボーナスみたいなもので、有史以来でみてもあり得ない現象だった。
既に需要は飽和状態で、さらに消費を煽ることは環境面に多大な負担を強いてしまう、と。
そうそう、ドラッカー大先生は言っていたな。
マーケティングとは顧客を創造することだと。だが、これは換言すればマーケティングとは人為的に問題を産み出すことでもある。放っておいても解決してほしい問題があればマーケティングは不要だよ。経済が高原状態にある世界ではマーケティングにより問題を開発し、イノベーションにより問題を解決する必要がある。
昔習った経済学では口を揃えて所得を上げるには労働生産性を高める必要があるという。設備投資やイノベーションにより、2人がかりでやっていた仕事が1人で出来るようになれば1人あたりの所得は上がると。いやいやまてまて、あぶれたもう1人はどうなんの?
別の仕事につけばいいだよって、それ以上は経済学は寡黙になるんだよね。
高原状態にある現代社会では、イノベーションが起きると、その産業の生産性は上昇するが、解雇された労働者に新たな職は簡単には見つからない。結果、格差が拡大している。
かつての成長期にあった世界では失職者は新たに産まれた産業の労働力となれたが、すでに文明化の終わった世界では、失職者には新たな職は見つかりにくい。
そもそも、経済発展により先進国では平均寿命は大幅に伸び、識字率はほぼ100となり、飢えることはなくなった。これ以上、何を望むのか?
ベストセラーとなった水野和男さんの著書「資本主義の終焉と歴史の危機」でも同じことが指摘されてますね。そして、「閉じていく帝国と逆接の21世紀経済」では資本主義の行き詰まりが帝国主義となって復活する可能性が高まると述べておられました。
これ、恐ろしい程に今の世界をものすごく言い当てていると思います。
山口周さんがいうように、経済指標としてのGDPに頼ることはもう止めて、ベーシックインカムを導入し、人は自らの衝動に正直にやりたい仕事を探せる世界が、人類にとっての明るい未来だと。
哲学者らしい表現ではありますが、共感しまくりの一冊でした。
そして、今、目の前には終わらない仕事が立ちはだかる、そんな日常でした(笑)、
よき一冊でした。
了
