ヤスりん、パパになる-003
私は、台所に立ち、考えを巡らせた。
妊婦の食事は、根菜を食べると良いと聞く。
そもそも理想の食事は、和食マイナス塩分だそうである。
日本の食文化は偉大である(表現がギレン総帥っぽいなあ。ジーク・ジオン!)。
保存がきき、冷めていても、おいしく食べれる和食。
大量に作っておけば、妻は昼間でも食べられる。
代表格は、筑前煮であろう。
ただ、これはパスする。
作ったことがないし、絶対私の母の方が旨く作れる。
勝てないケンカは、あえて始めからしないのが得策なのだ。
早速、実家の母に連絡する。
母は承諾してくれた。
私は、ひじきの煮物を作ることにする。
ひじきを水で戻して、豆、ニンジン、油揚げで炒める。
これは後日に、ゴハンのお供に食べてもらえばいいのだ。
そして毎日の夕食は、私でもできる炒め物を料理するのだ。
私のできる料理で一週間のローテーションを考える。
この生活は、妻のつわりが続く限り継続するのだ。
毎日の食事は、点ではなく繰り返しのある線で考える必要がある。
そして実行するにあたり、無理がないスケジュールにしなければならない。
自分が得意で、手間がかからないものに限定する。
昼間は仕事をしなければならないのである。
月曜日、レバニラ炒め。
高たんぱくで栄養価が高く安価なレバー(肝臓)は、妊婦にとって良い食材である。
ただ臭みが強いため、それを食することが苦手とする女性は多い。
牛や豚は臭みが強いので、鶏がお奨めである。
また鉄分・亜鉛などの栄養価は、鶏が最も多く含まれているといわれる。
臭みをとる方法としては、肉をよく洗ったり、ショウガで臭みを取ったり、と色々方法がある。
が、私は、豆板醤を入れる。
辛みをつけることで臭みがごまかされるのだ。
最後はオイスターソースで仕上げる。
火曜日、ゴーヤチャンプル。
私はこの料理が好きである。
独特な苦味があるので、好き嫌いが分かれるが、かつお節をふんだんに使うと、それほど気にならない。
ない場合は、だしつゆでも代用できる。
それに炒めの締めに日本酒でアルコールを飛ばせば、かなりしんなりして食べやすくなる。
水曜日、モツの煮込み。
モツの煮込みは、古き良き日本のソウルフードである。
モツは、コラーゲンが多く含まれている。
胎児の骨や皮膚の生育に貢献するはず。
これはオーバーナイトしても食べれるので、便利である。
木曜日、手を抜いて麻婆豆腐+チャーハンにする。
中華料理の定番。かなり楽に作れる。
チャーハンは月曜日から水曜日の残り物を具材にして、テキトーに作る。
冷蔵庫から賞味期限切れ直近の食品を根絶してくれるのだ。
これらもオーバーナイトしても食べれるので、便利である。
ちなみに酢豚にパイナップルを初めて入れたのは、東京原宿にある南国酒家だそうである。
これらは全て五穀米を混ぜて炊いたゴハンと納豆と味噌汁をベースにする。
私も妻も納豆が好きである。
毎日納豆を食べないと生きていけない、というくらい欠かせない。
12歳で大学に入学したというアメリカの天才児は、毎日寝る前に納豆を食べていたそうである。
そして音楽はモーツアルトを聞いていたそうである。
これで生まれてきた子供が天才なら、安いものである。
ディズニーの子供英会話教材は60万円もするが、納豆は3パックでたったの100円である。
ここまで来ると、私はクセがある料理が好きなんだと、つくづく思う。
かなり私の趣味が反映されている。
しかも庶民の料理である。
私の食欲のベクトルは、お安くできているのだ。
これが全て妻の体に入り、子供の栄養になる。
私の子供も私の料理が好きになるのだろうか?
だから、あまり脂っこくてはいけない、辛すぎてもいけない。
食べたものがそのまま行くのだ。
アルコールもそうそう飲めない。
金曜日、お刺身。
炒め物ばかりではやはり飽きるので、魚を食べる。
お刺身は、スーパーで7時近くになると20%引きのものが出てくるのでそれをゲットするのだ。
これらを紙に書いて、冷蔵庫のトビラに貼る。
...なんかやることが主婦っぽい?
今日は火曜日なので、ゴーヤチャンプルなのだ。
『おいしい?』私は聞いた。
『うん、おいしいよ』そうは言うが食は遅い。つわりがきついのだ。
実は、私はあまりおいしくない...。
調理時の食物の匂いにやられて、何かお腹いっぱいでおいしくないのだ。
料理は人が作ったものを食べる方が絶対ウマイのだ。
妻は専業主婦だが、主婦やって、仕事もやって、妊娠している女性も現代では多いのではないだろうか?
それってかなり地獄のような光景になるのだと思う。
主婦って、つくづく大変なのだ。
この後、昼間の食事を考えていなかったので、急遽カレーを作ることにした。
残り物ばかりだとやはりそれもツライ。
ジャガイモとニンジンとタマネギの皮をむく。
鶏肉があったので、それを使う。
カレーは、牛肉よりも鶏肉の方が失敗が少ない。
ルーは買い置きがあった。
私はハウス食品のジャワカレーのスパイシーブレンドのファンである。
...しまった!
ジャガイモとニンジンが多すぎて、カレー鍋に入りきらない...。
仕方がないので、別の鍋を出して、そこに入れる。
冷蔵庫を再度覗くと、そこにハヤシライスのルーがあった。
助かった...!
この鍋でハヤシライスを作るのだ。
ジャガイモとニンジンが具材の、かなり邪道だが、こんなハヤシライスもイケてるはずである。
そんなこんなで、12時になろうとしている。
カレーを作った後、疲れたので、そのまま放置したまま寝た。
一晩寝かせたカレー(とハヤシライス)は、誰が作ってもウマイのだ。
<つづく>
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■農山漁村の郷土料理百選
農林水産省の主催により選定された郷土料理百選。
和食って、祖先の知恵が結集した素晴らしい料理なのだ。
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■ゴーヤ
ゴーヤの正式名称は、ツルレイシ(蔓茘枝、学名:Momordica charantia var. pavel)。
未熟な果実を野菜として利用するウリ科の植物である。
種子に共役リノレン酸を含むことが知られている。
主に未成熟な果皮を食用とし、ビタミンC等の水溶性ビタミンを多く含む。
また、健胃効果もある苦味(苦味成分として、モモルデシン(momordicin)を含む)がある。
近年では夏バテに効く健康野菜・ダイエット食品としての認知度が上がってきている。
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■南国酒家
他の店にはない新顔野菜を積極的に取り入れる中国料理の店として有名。
ちなみに中国料理と中華料理は、意味が違う。
中華料理は、日本人向けに味付けや調理法が工夫、創作された大衆料理を指す。
中国料理は、中国本来の料理を指すのだそうである。
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■ハウス食品 ジャワカレー スパイシーブレンド
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■ハヤシライスの名前の由来について
http://
■妻の母から教えてもらったレバーを使った料理があるので紹介したい。
簡単に作れて、しかも保存がきくとあってとても便利なのだ。
何もない時、レバー好きな私はよくこれを作る。
これが非常にゴハンに合うのだ。
①レバーの下ごしらえ
血合いを取る。白いスジを取る。水で洗う。
②フライパンに油をひき、レバーを炒める。
③ショウガを入れて炒める。
④みりん少々、日本酒少々、しょうゆ少々を入れて炒める。
⑤鍋のふたを締めて、少時間煮る。
⑥最後に黒酢をふんだんに入れて締める。
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