ボクは虐待を受けた記憶も激しい苦痛に晒された記憶もない。
でも気づくと心を失い
人の形をした人形になっていた。
なぜだろう・・・。
その問いの答えを見つけ、人としての心を取り戻した経験を
ここに書いていこうと思う。
いつかボクの体験が誰かの役に立ち
いつか誰かの心を取り戻すキッカケになれば嬉しい。
大学生活が落ち着き始めた頃、ボクは素敵な女性と会うことができた。
これはボクにとっては本当に大きな、大きな出来事だった。
親元を離れていたからこそできたことだと今でも思う。
彼女と楽しく過ごせた期間は約半年。
その間、ボクは今でもキチンと恋人同士だったと思っているが
周りからみたらどうだったんだろうか・・・。
彼女との関係は周囲の友人たちには内緒。
でも授業中以外はほとんどずっと一緒だった。
ボクも彼女もお互い一人暮らしをしていたというのも理由だ。
お互いの家を行き来するのではなく
彼女が荷物を持ち込んで、ボクの家にずっといてくれたのだ。
ボクたちの関係を知っていた友人ももちろんいる。
内緒の関係ってどうなんだろう。
今になると疑問に思うが、その時はなんとも思わず
ただただ彼女と一緒にいられる時間が幸せでたまらなかった。
ただ一つだけ。
ボクは彼女にたっぷり貢いだ。
貢いだという言い方が合っているかはわからない。
食事に行き、支払いはお互いに割り勘という時もあれば
ボクがだす時もあった。
でもなにかにつけ、彼女におこずかいを渡していた。
おこずかい、というか貸して欲しいと言われて、貸していたのだ。
ボクの中では貸していた。
彼女の中ではどうだったんだろうか。
だからボクの中では恋人だったという表現になってしまう。
ただそれは返してもらうことなく今に至る。
