ボクは虐待を受けた記憶も激しい苦痛に晒された記憶もない。

 

でも気づくと心を失い

人の形をした人形になっていた。

 

なぜだろう・・・。

 

その問いの答えを見つけ、人としての心を取り戻した経験を

ここに書いていこうと思う。

 

いつかボクの体験が誰かの役に立ち

いつか誰かの心を取り戻すキッカケになれば嬉しい。

 

 

親子で何かをする

という経験がボクには一切ない。

 

強いていうのであれば「勉強」ではないだろうか。

 

普通だったら親子で料理する

親子で虫取りする

親子でキャッチボール

など、色々考えられる、今なら。

 

でもあの時のボクにとって親子一緒に行う行事は「勉強」のみだった。

 

ボクは4歳の時から大学受験が終了するまでの14年間、ずっと欠かさず塾に通っていた。

二つ下の妹は2歳の時にボクと一緒に入塾してから16年間である。

 

幼稚園の4歳、5歳は塾・ピアノ・茶道・華道の繰り返しで1週間が過ぎていた。

小学生になると加えて塾が増え、学校へ行く前の課題、夜寝る前の課題が追加となった。

 

この「課題」こそがボクの記憶にある親子行事である。

 

学校へ行く前の課題をこなすため朝は毎日5時に起きていた。

そうでもしないと遅刻してしまうからだ。

市販のドリルとピアノの自主練を必ず30分。

 

この朝の課題をチェックするために父は必ず仕事場から一度帰宅していた。

 

夜寝る前の課題は中学受験に向けた参考書を父と一緒に毎日日付が変わるまで必ず行なっていた。

 

この時は苦しくて仕方なかったが、親になった今、同じことを子供たちしてやれるかと考えると

父には頭が下がる。感謝しかない。

 

はたから見ると、軍隊のような家庭に映るかもしれないが

その中に存在しているものからすれば至極「通常」の生活であった。

 

そして今となっては「感謝」の思いもある。