ボクは虐待を受けた記憶も激しい苦痛に晒された記憶もない。

 

でも気づくと心を失い

人の形をした人形になっていた。

 

なぜだろう・・・。

 

その問いの答えを見つけ、人としての心を取り戻した経験を

ここに書いていこうと思う。

 

いつかボクの体験が誰かの役に立ち

いつか誰かの心を取り戻すキッカケになれば嬉しい。

 

 

 

ボクは田舎の港町で生まれ、父も母も会社を経営するという

恵まれた環境で育った。

 

二人とも会社を経営しているからといって

あまり一緒に過ごす時間がなかったということは一切なく

 

むしろ、普通のサラリーマン家庭より一緒に過ごす時間が長かったのではないだろうか。

 

朝食と夕食は必ず家族そろっていただくのがルール。

 

そのため父は必ず17時には帰宅し

母は16時には帰宅して、18時には二つ下の妹を含めて全員で食事をした。

 

食事をしながらテレビを見る。

 

これが普通の家庭で行われていると知ったのは大学生になってから。

 

テレビの存在しない部屋が食事をする部屋だったので

なぜテレビを見ながら食事をしないのかと疑問に思ったことは一度もなかった。

 

食事の時の話題は常に政治。

 

ボクと妹は食事中に「話す」ことを許されていなかった。

 

これもまた大学生になってから普通の食事中の風景を知った。

 

【家族団欒】

一緒にいる時間は長かったが、この単語は当てはまらないように思う。

 

家族団欒とは

家族で集まって仲良く談笑し、楽しい時間を過ごすことという事

 

ボクの家で当てはまるのは「集まって」だけだったから。

 

仲良くはかろうじて当てはまるかもしれないが

談笑

楽しい時間

という、それとはまた異質な空間だった。