jun2980さんのブログ -63ページ目

jun2980さんのブログ

 何にでも興味をもっています。今、ミステリー小説の連載中です。また、韓国ドラマ、良い加減料理や難病の膠原病をテーマに写真なども載せながらつぶやいています。皆さんのペタやコメントが励みになります。どうぞよろしくお願い致します。



      第34話


常盤靖子からの告白は、私に衝撃を与えた。

常盤靖子の話しによると、松村のお母さんは事故でも自殺でもなく、殺されたことになる。

それも真犯人は息子である松村だ。

松村は本当に母親を殺したのだろうか。

私は頭を振った。

あの松村がそんなことをするはずがない。

信じたくなかった。

いや、私は信じない。

常盤靖子は「助けて」と、私にすがってきた。

浅井刑事に、松村が母親の背中を押したことを言ってしまいそうだと。

浅井刑事は常盤靖子にあの日の朝、
松村と一緒にいたことを、突き止め
、常盤靖子にどのように松村の母親が落ちていったのか、聞いたらしい。

どうやって、浅井刑事はそんなことを調べたのだろう。

父がよく言っていた、刑事の勘というものか。

父に相談したい気もしたが、管轄も違うし、私が関わろうとしていることを知ると、母がうるさい。

それもまた、めんどくさい気がした。

松村が母親の背中を押したとなると、松村は殺人罪で逮捕されるのだろうか。

でも、松村はどうして、母親を殺したのだろうか。

そんな恐ろしいことをあの松村は、本当にしたのだろうか。

今さらになって、私を頼ってきた常盤靖子。

常盤靖子が私にしたことを思い出すと許せるはずもなかった。

でも、頼ってきたのは松村についてのことだ。

私はうろたえていた。

私の初恋の人が殺人を起こしたなんて。

しかも、自分の母親を殺したなんて。

私は松村に会いたかった。

松村のあの綺麗な顔を見たかった。

百分率を教えてくれた松村。

比べられる量÷もとにする量=割合

松村がお母さんの背中を押したとすることを100としてもとにすると、
松村がそんなことをしないことを0として比べられたい。

だから、松村がお母さんを殺したのは0%。

意味のない馬鹿らしいことを考えて、頭の中のパニックを何とか収めようとした。

「くだらない」

微苦笑すると、西の窓の方に向かって、私は寝返りを打った。

夏の夜明けは早い。

西の窓からでも、白々と明るむのが分かった。

そういえば、宵の西の空のオリオン座を最後に見たのはいつだったろう


松村のお母さんが亡くなった日は、
すでに見えなくなっていたような気がする。

それっきり、オリオン座は夜空から
、姿を消してしまった。

冬の夜空でオリオン座を初めて認めたのは、松村を初恋の相手として意識したころだったろうか。

小学校6年の冬だったような気がする。

冬の夜空に君臨しているオリオン座が、巨人の漁師として神話に登場しているのを知った。

オリオン座の三つの星がベルトと見立てているとのことだったけれど、
私は上に大きく広げている2つの腕が、どうしてもイメージがつかめなくて、それがなければ、砂時計のようだと思った。





その三つの星が、7月の今ごろ、東の空に太陽より少し前に姿を見せて
いるはずだ。

そして、太陽が昇ると、三つの星はすっぽりと青空の中に姿を消してしまう。

松村のことを考えたくないという思いから、違うことを考えたりするのだが、すぐに疑念が私を襲った。

松村が階段の上からお母さんの背中を押したということは、お母さんを殺したかったのだろうか。

私は眠っていない頭のまま、学校へ行かなければならなかった。

昨日の常盤靖子の電話で、今日、学校で話す約束をしたからだった。

そして、立場が逆転したことを、クラスのみんなに知らしめてやりたかった。

杏に対しても、常盤靖子の弱さを見せつけて、けれど、私のところに簡単に戻って来させるものかという、私の意地が働いていた。

そして、吉永君のことを救いたい気持ちはあった。

少なくとも、吉永君は松村を信じてくれている一人だ。

太陽がすっかり明け離れた時、スマホの電話の呼び出しバイブ音が鳴った。

名前の表示を見て、私は心臓が飛び跳ねた。

松村からだった。
       
         つづく

最後まで読んでいただき、感謝いたします。




小説(ミステリー) ブログランキングへぽちっとしてくださいね




入院前に檸檬の可愛い写真をいっぱい撮ってきたのに、全部消えてしまったの。

まさしくミステリー。

で、パパに写メを送ってもらったのだけど、どれも檸檬が淋しそうな目をしているので、ママはちょっぴり辛くなってしまって、アップが出来なかったの。

檸檬も家族なのに、病院に来れないね。

やっぱり、犬という現実があるからね。

パパのカバンに檸檬を入れて、連れて来て欲しいぐらいだけど、無理だもんね。

檸檬、ごめんね。


ママは6人部屋の窓側のベッドだよ
。9階の窓から藻岩山が見えるんだよ。



今朝はマイナス10℃近くまで、冷え込んだらしいけれど、病室は暖かくて、快適生活だよ。


ママのベッドだよ。



ママがちょうどいない時、隣のベッドに入院して来た高校生の娘が、ママのベッドを見て、3歳の子供が入院していると思ったて。

       *

ママは左足の母趾に3㎝四方の潰瘍
が出来ているの。

お肉が丸見え状態なんだ。

自力で皮膚を張ろうとして、でも、
力尽きて壊死してしまうの。

お肉に貼り付いた黄色い壊死を、ドクターが毎日、削り取るんだけど、それがとても痛いんだよ。

で、麻酔の塗り薬を削り取る30分前に付けて、処置されているの。

丸見えのお肉がとても良い赤い色をしたら、太ももから真皮を切り取って、皮膚を移植する植皮手術をするために入院したんだよ。

本当はね、1月19日に植皮手術をする予定だったんだけど、2月9日に延びてしまったの。

例の麻酔の塗り薬なんだけど、看護師とドクターの連携が悪くて、ママはね、麻酔薬を塗られたまま、6時間以上放置されて……

美味しそうな赤々としたお肉が、全部死んでしまったの。

真っ白になって、固くなってしまったんだよ。

それが、最初の手術予定の1週間前なの。

で、お肉の復活に4週間、かかる見込みで、手術が延期になったの。

看護師もドクターも人間だから、ミスがあるのは仕方ないけれど、ちょっと悲しかったよ。

主治医とチームのリーダーのドクター、パパとママと4人で話し合いをして、穏やかに解決したけれどね


喧嘩してもしょうがないからね。

ママは檸檬に会えなくて、淋しいけれど、頑張っているよ。

大好きな檸檬へ

          ママより


小説(ミステリー) ブログランキングへ


よく質問されます。

「韓流スターで誰が好きなの?」

で、私は

「イケメンなら誰でも好き」

と、答えてから

「でも、チソンさん」



付け加えるのですが、みなさん、チソンさんを知らないと、言うのです。

そして、必ず、聞かれる質問が

「どんなドラマに出ているの?」

そこで、私は数ある中で知っていそうなドラマを答えます。

「『オールイン』『ラストダンスは私と一緒に』『ニューハート』『太陽をのみ込め』」

並べますが、みなさん首を傾げます


どうやら、チソンさんはメジャーではないようです。

たまたま、チソンさんを知っている人に会えないだけなのかも知れませんが。





小説(ミステリー) ブログランキングへぽちっとしてくださいね


      第33話


吉永航平は高山美波から「一緒に浅井刑事に、本当のことを話そう」と誘われた。

美波の言い方は半ば強制的な言い方だった。

吉永航平は松村賢介との約束は破れないと断った。 

すると、美波は少し翳りのある眼差し航平に向けた。

決して、揺れないその眼差しに、航平は気圧されそうになった。

「それで、いいの?」

美波にそう詰問されて、航平は下唇を噛んだ。

「本当にそれでいいの?」

なおも、美波は航平に迫ってきた。

「約束は守るものだけど、破ってもいい約束だってあるわ」

「でも、今さら言ってどうするの」

航平は美波の気持ちが分からないわけではなかったが、やはり、賢介を守りたかった。

美波は毅然として背筋を伸ばした。

「真犯人を見つけるためでしょう」

「真犯人…?」

「そう。久保先生のね」

「久保先生は殺されたとは決まったわけではないよ。それに、ぼくの証言が久保先生の真犯人に何か関係があるの?」

「分かったわ。ありがとう。もう帰って」

航平は美波の気迫に圧倒された。

「高山さん…」

続きを言おうとして、美波が言葉を挟んだ。

「悪いけど、私、一人で浅井刑事に会うわ。そして、吉永君のこと話すから」

美波はそう言うと、くるりと背を向けた。

航平は自分を拒んでいる背中に寂寥感を味わった。

「じゃあ」

そう言って、航平は立ち上がりドアに向かうと出ていった。

玄関で航平が「おじゃましました」
と、リビングに向かってあいさつしている声が聞こえてきた。

母が愛想良く送り出したのが分かった。

「美波、何しているの!?吉永君を見送りもしないで!!」

母の階下から怒鳴るような声が聞こえてきていた。

「チッ」

美波は軽く舌打ちをして、ため息をつくと、ベッドに寝転んだ。

母はこういう美波の態度がよろしくないということに、終始している。

美波はうんざりだった。

礼儀作法が悪くて、見送らなかった訳ではない。

それなりの理由があるのだ。

不意に、美波は明後日が終業式であることを思い出した。

スマホを手にすると、航平に急いでメールを送った。


航平は惨めな気持ちで、美波の家からの帰り道を歩いていた。

自分は何も悪いことをしていない。

なのに、何故、美波からこんな形で、拒絶されるのか。

でも、航平はやっぱり、賢介を裏切ることは出来ないと思った。

男と男の約束というより、賢介の母親が死んだ朝、賢介の家から飛び出した男の子が、自分だと証言してしまうことで、何か取り返しのつかないことになってしまうような気がしたからだ。

公園の前を左へ曲がった時だった。

ズボンのポケットの中で携帯電話のメール音が鳴った。

取り出して開くと、美波からだ。

あれだけ、きつく拒否された後だっただけに、航平は美波からの優しい言葉を期待してメールを開いた。

「明後日、終業式。次の日に浅井刑事に話す。」

事務的なメールに航平はがっかりした。

確かに常盤靖子のことを考えても、
その方が面倒くさいことにならないかも知れない。

本州の方では梅雨明け宣言が聞かれ初めていた。

しかし、今日の札幌の夜の風は妙に生暖かくて、雨が降ってきそうだった。

航平は汗ばんだ指で「了解」とメールを返した。


「了解」と航平から返ってきたメールを見て、美波は少し後悔をしていた。

吉永君に八つ当たりみたいなことをしてしまった。

しかし、美波は嫌な予感がしていたのだ。

常盤靖子が久保先生を殺した…

まさか、いくら何でも、常盤靖子だって、そんな恐ろしいことはしない。

そうは思うのだが、否定出来ない自分もいた。

でも、動機は何?

賢介の母親が自殺した原因が久保先生だから、それを恨んでの犯行?

いくら、常盤靖子が賢介のことを好きだからって、そんなことまでするのだろうか。

美波はじっと天井を睨んでいた時だ。

いきなり、スマホの電話の着信を知らせるバイブ音がした。

美波は即座に反応して、スマホを手に取った。

かけてきた相手の表示を見たが、名前ではなく、覚えのない電話番号だった。

美波は一瞬躊躇ったが、通話の案内文字をタップした。

無言のまま、美波は息をひそめた。

くぐもった声で「もしもし」と電話の相手が言った。

どこかで聞いたことがある声だ。

「高山さん?」

「そうだけど」

美波は警戒した。

「誰?」

「私。常盤だけど」

美波は心臓が飛び出てきそうなほど驚いて、飛び起きた。

「どうしたの?」

「助けて」

悲壮感に満ちている常盤靖子の声だった。

「今さら何?」

美波は突き放した。

「刑事がね…浅井刑事がね…」

美波は気持ち悪い汗が背中を流れていくのを感じた。

「私、言っちゃいそうなの」

あの常盤靖子が泣いている。

「何を?」美波はあくまでも強気だった。

「松村君がね…」

「松村」の名前を聞いて、幾分、緊張したが、常盤靖子のまどろっこしい言い方に美波は苛々してきた。

「早く言いなさいよ」

美波は苛々さを隠さないで先を促した。

「私ね…あの日ね…」

そこまで言って、また、むせぶように泣いている。

本当にこの電話の相手は常盤靖子なのだろうか。

あんなに美波をいじめて、ビンタまでして、クラスのみんなが無視するように仕向けた。

おまけに大切な親友の杏までも、美波から引き離した。

「見たの。松村君がお母さんの背中を押して、お母さんが階段から落ちていったのを」

美波は、雨が地面に落ちてぶつかる音が、ぼう然とした頭の中で聞こえているような気がした。

        つづく

最後まで読んでいただき、感謝いたします。

        

小説(ミステリー) ブログランキングへぽちっとしてくださいね