豊能の行政書士 西川です。

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私のブログをお読み頂き有難うございます。本年は一旦終了し、また来年より再開させて頂きます。

より見識を深め、皆様方により質の高い情報や話題のご提供が出来ますよう、充電いたします。

また来年も宜しくお願い申し上げます。尚、行政書士の業務は年末年始も休みなくやっておりますので何なりとお申し付け下さい。

それでは良いお年をお迎え下さい。

有難うございました。

豊能の行政書士 西川です。

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今回は相続の開始から終了までのスケジュールを解説します。

相続は被相続人の死亡によって開始します。

この①~⑤は被相続人の死亡から三カ月にしなければなりません。

①死亡届の提出…死後7日以内に行う

➁遺言書の確認…公正証書遺言又は法務局で保管された自筆証書遺言以外は家庭裁判所に提出。検認手続後開封

③相続人の確認…被相続人、相続人の戸籍謄本で相続人を確定

④相続財産の調査確認…借金などマイナス財産も含めて調べ、リストアップ

⑤相続放棄・限定承認の申請…必要な場合のみ

       ↓

次の➅⑦は四カ月以内にすることです

➅遺産評価…遺産個々の評価額を算定し相続税がかかるかどうかの目安をつける

⑦所得税の準確定申告…被相続人の所得税を申告

       ↓

次の⑧~➉は十カ月以内に行います

⑧遺産分割協議…相続人全員による遺産分割協議を行い遺産分割協議書を作成

⑨相続税の計算と提出書類の作成

➉相続税の申告と納税

以上です。大切な家族を失ってショックを受けている中でもこれだけのことをしなければなりません。また多くの人は相続や税金については素人です。

➁~➉は費用はかかりますが出来るだけ専門家に任せる方がベターだと思います。

 

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今回は遺留分について解説します。遺産相続では「法定相続よりも遺言による相続が優先される」という大原則があります。

しかし特定の相続人や本来相続権のないような人に全財産を譲るという遺言内容の場合、遺言通りなら本来は遺産を受け継ぐ人の権利を侵害してしまうことにもなりかねません。

そこで遺族が最低限の相続分が取れるよう、遺留分というものを規定しているのです。

尚、遺留分が認められるのは被相続人の配偶者、直系卑属(子・孫・ひ孫等)、直系尊属(父母・祖父母・曾祖父母等)だけです。被相続人の兄弟姉妹は含まれません。

そして遺留分が侵害された時は遺留分侵害請求権を行使する必要があります。何もしないでおくと遺留分を得ることは出来ません。

請求の方法ですが、特に決まった手続はなく、侵害している相手に意思表示をすれば良いのです。もし相手が応じない場合は、家庭裁判所に家事調停の申し立てをするか、地方裁判所に訴訟を提起します。

そして注意すべきはこれには時効があって、遺留分を侵害する贈与や遺贈があったことを知った時から1年以内、相続開始から10年以内に行わないと請求権が消滅してしまうのです。

逆に遺留分の放棄は相続開始後なら自由にすることが出来ます。

また遺言者が遺言書に「遺留分を放棄せよ」と書いても無効です。遺留分の放棄はあくまで相続人本人の意思だからです。  

 

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さて今回は遺言に関する諸々の疑問について解説します。

①遺言書の訂正はどうすれば良いか

ここでいう訂正とは「妻である○○に相続させる」を「長男の●●に相続させる」と変更するような重要部分の訂正を指します。

その時の変更手順は民法963条3項で明文化されています。

遺言者は⑴その個所を指示し⑵その個所を変更した旨を付記して署名し、かつ⑶その変更箇所に押印しなくてはなりません。

変更前の遺言は無効になり変更後の遺言が有効になりますが、変更の方法に反した場合は折角の変更が無効になり、変更前の内容の遺言が有効になります。つまり訂正のやり方を間違うと先の例で長男に相続させるという文言が無効になり最初の妻に相続させるの方が有効になってしまいます。

➁夫婦二人で遺言書を遺せるか

これは共同遺言と言って禁止されています(975条・982条)

例えば夫婦が連名で遺言するという場合です。このような遺言は無効になります。

しかし、夫婦が同一の証書で遺言をしている場合でも、両者が全く異なる内容で、切り離せば二通の遺言になるような時は無効にはなりません。

例えば夫Aは「所蔵する掛け軸甲は長男に与える」、妻Bは「所蔵する壺乙は長女に相続させる」といった内容で、それぞれが物理的に切り離して二通の遺言書になるなら大丈夫です。仲の良いおしどり夫婦が共同で遺言したいという気持ちは分かりますが、出来れば別々に作成するのが無難でしょう。

 

 

 

 

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さて公正証書遺言ですが、もし口のきけない人や耳の聞こえない人が作成するにはどうすれば良いでしょうか。

口のきけない人は通訳人の通訳で申述したり自書しなければなりません。また耳の聞こえない人も通訳人の通訳で伝えることも出来ます(969条)

このように厳格な手続や方式を要求する遺言ですが、特別な場合はその要件が緩和されております。

また遺言で親が「兄弟仲良くすること」や「これまで有難う」など、財産とは直接関係のない文言を書き残すことは可能でしょうか。勿論可能です。しかしこれらの内容は本文よりも付言として書かれることが多いです。付言とは文字通り、遺言に付け加えられる文章です。

ただし付言には法的拘束力はありません。兄弟仲良くと書かれても、兄弟が仲良くしなければ何らかのペナルティが科されるものではありません。

しかし法的拘束力はなくても、付言は親の最後の願いですから、今まで仲の悪かった兄弟も厳粛に受け止めて仲良くしようと努めるのが普通です。

また遺産の分け方が一見不平等に思える場合があるなら付言は書いておくべきです。

例えば1000万の財産を長男600万、次男400万と遺言したとします。

次男にすればなぜ兄貴より200万も少ないのか、500ずつが普通だろうと不満を持つケースがあり、それが兄弟の不仲に発展することもままあるでしょう。

そこで親が付言でなぜ長男に余計に財産を渡すかの理由をきちんと書いておくことで後のトラブルを避ける効果があります。

勿論、次男にはやりたくない理由など書くとかえって逆効果になるので、家族の誰かが気分を害することは書かないことです。ですので恨み言や憎しみの言葉などは論外です。

付言は必ず遺すものではないので書くならその目的を良く踏まえて書かれることをお勧めします。

 

 

 

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前回、自筆証書遺言について説明しましたが、簡単に書ける反面デメリットも多く最悪の場合は無効ということも有り得ます。

今回解説する公正証書遺言には自筆証書に見られるような欠点は殆どなく、私が最もお勧めする方式です。ただ手続が面倒なこと、公証人への費用が発生するなど、手間とカネがかかります。しかし遺言の方式としては最も安全安心ですので、遺言を書かれるなら是非公正証書でされるのがベストかと思います。

公正証書遺言とは「遺言者が遺言の内容を公証人に伝え、公証人がこれを筆記して公正証書による遺言書を作成する方式の遺言(969条)」です。

そして次の要件を満たす必要があります。

①二人以上の証人の立会いがある

②遺言者が遺言の趣旨を公証人に口頭で伝える

③公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせる、又は閲覧させる

④遺言者と証人が筆記の正確さを確認後、各自がこれに署名捺印する

⑤公証人が、その証書が以上の方式に従って作ったものである旨を付記して署名捺印する

 

このように手続が煩雑で費用も必要ですが、それだけに安全性は自筆証書の比ではありません。また原本は公証役場に保管されますので変造や紛失の危険性は0です。

(但し保管だけなら自筆証書遺言も法務局に保管出来るようになりました)

 

 

 

 

 

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今回は自筆証書遺言について解説します。遺言というと自分で書くということから、この自筆証書遺言をイメージされる人が多いと思います。

この遺言①費用がかからない②誰にも知られずに作成出来る③一人で簡単に作成出来る➃作成後も遺言の存在自体を秘密に出来る等のメリットがあります。

しかし反面、方式の不備から無効になる場合も多く、遺言無効確認の訴えも多く見られますし、発見されない危険性や、誰かが見つけて隠したり、捨てられることもあります。

例えば本人が遺言書を貸金庫に預けた場合など、本人の死後貸金庫をすぐに開けることは出来ませんから遺言書も保管されたままになり、内容を実行することが出来なくなるケースも見られます。

それでは自筆証書遺言作成の注意事項を列挙します。

遺言書の全文・日付・氏名は遺言者自身が自分で書かなくてはいけない。

よってワープロ遺言は無効、またDVD動画の遺言も無効です。いずれも自書の要件を満たしていないからです。

但し、カーボン紙による複写は○です。筆跡が残るので自書というのが分かるからです。

また自書の例外は添付する財産目録です。これはワープロでも預貯金通帳のコピーでも○です。これを全て自書するのは大変ですし、財産の内容が大事だからです。

②日付について

まず日付のない遺言は無効です。日付は遺言作成時に遺言能力があったことを証明する意味で絶対に必要です。

日付は何年何月何日という書き方以外に、例えば長女の結婚式の日とか東京オリンピックの開会式の日とかの書き方でも○です。日にちが特定出来るからですが、一方で令和3年7月とか令和3年7月吉日は×です。これでは日にちが特定出来ないからです。

③氏名について

本人ということが分かれば○です。例えば苗字だけ、名前だけ、芸名、通称、ペンネームなど自書されていて本人であることが確実なら大丈夫です。

 

 

 

 

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今回は遺言の方式について解説します。

これまで申し上げたように、遺言が効力を持つのは遺言を書いた本人の死後ですから内容や真意を本人に確認することは絶対に不可能です。

そのため、方式が厳格に定めています。つまり民法に定められている方式に従っていなければ

効力は生じないのです。例えばその文章が心を込めて書かれており、非常に感動的でも方式通りでなければ、遺言書としてはただの紙切れなのです。

さてその方式ですが、通常の場合に行う普通方式と、差し迫った特別の事情がある時に行う特別方式に区別されます。

遺言の大部分は普通方式で、遺言というとこれを意味します。

普通方式は、公証人などの関与がない自筆証書遺言、公証人の関与が必要な公正証書遺言秘密証書遺言の三つがあります。尚、秘密証書遺言のケースは少ないので説明は割愛します。

一方、特別方式は次の四つの遺言があります。

①死亡危急時遺言②難船危急時遺言③伝染病隔離者遺言➃在船者遺言

いずれも普通方式の遺言の作成が不可能または著しく困難な事情がある場合です。

特別方式は、このように時間的心理的余裕のない状況下で行われるので、普通方式ほど厳格性は求められておりません。

 

豊能の行政書士 西川です。

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今回は遺言が出来る人、出来ない人について解説します。

まず未成年者は遺言出来るのでしょうか。

これについては未成年者でも15歳になれば単独で遺言が出来ます。単独でというのは

法定代理人(殆ど親の意味)の同意は不要ということです。

では15歳未満の者がした遺言はどうなるか。結論は無効になります。ざっくり言いますと

中学三年生は親の同意なしで遺言出来ますが、中学二年生では遺言しても無効になるということです。理屈を言えば中二でも中三よりしっかりしている子はいます。しかしここは個人差は考慮せず、形式的画一的に処理するのが妥当なのです。

では親が本人を代理して遺言出来るでしょうか。これは出来ません。また遺言能力がないとされる15歳未満の者は例え親の同意や了解があっても遺言は出来ません。よって15歳未満の者には遺言を遺せる方法は全くありません。

一方、成年被後見人の場合はどうでしょう。具体的には重度の認知症患者のイメージです。

判断能力が一時的に回復していればその間の遺言は可能です(民法973条)。しかし死後に不利な条件の相続を遺言された子どもが「ボケたお父さんがそんな遺言残せる訳ない!誰かの陰謀や!」とクレームをつけて揉めるケースも大いに想定されるので、本当に能力が回復していたかどうかの証拠確認のために、医師二人以上の立会いが必要です。もし医師の立会いがなければその遺言は無効になります。

尚、成年被後見人より程度の軽い被保佐人と被補助人は単独で遺言が出来ます。

また遺言は遺言者の死後に効力が発生するので紛争が生じやすく、それを防止するために遺言の方式が厳格に決められています。

 

 

 

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さて今回からは遺言について解説していきます。

遺言は「ゆいごん」とも「いごん」とも読みますが、法律的には「いごん」が正しいです。

遺言は法的には「被相続人が生前において自分の死後の法律関係を定める最後の意思表示」と」定義されます。

そして遺言の内容は法定相続より優先されて適用します。

更に遺言は被相続人の意思表示のみによって効力を発する相手方のいない単独行為です。

「あれれ、相手方は相続人じゃないの?」と思われた方もいるでしょう。ここでいう相手方とは契約の相手という意味で、財産を渡す相手ということではありません。

契約は生きている者同士でしか結べません。死者の意思表示は遺言ですが、自分が死んだら財産を譲るという意思表示は契約を結ぶことで表します。これは相続ではないので、死因贈与と言います。

遺言は被相続人が死んでから効力が発生するので、その内容が真意に基ずくものかどうかを本人に確認がは出来ません。

そのために、法律では遺言の形式に強くこだわります。何故なら万一争いになっても、本人に確認する術がない以上、裁判所は形式的に判断解決するのが一番公平だからです。

言い換えれば、本人の思いを忖度することは極力避けることが大切なのです。本人の思いは死んだ本人しか分かりません。それを第三者が判断するにはカタチで判断するしかないのです。