豊能の行政書士 西川です。
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さて今回は遺言に関する諸々の疑問について解説します。
①遺言書の訂正はどうすれば良いか
ここでいう訂正とは「妻である○○に相続させる」を「長男の●●に相続させる」と変更するような重要部分の訂正を指します。
その時の変更手順は民法963条3項で明文化されています。
遺言者は⑴その個所を指示し⑵その個所を変更した旨を付記して署名し、かつ⑶その変更箇所に押印しなくてはなりません。
変更前の遺言は無効になり変更後の遺言が有効になりますが、変更の方法に反した場合は折角の変更が無効になり、変更前の内容の遺言が有効になります。つまり訂正のやり方を間違うと先の例で長男に相続させるという文言が無効になり最初の妻に相続させるの方が有効になってしまいます。
➁夫婦二人で遺言書を遺せるか
これは共同遺言と言って禁止されています(975条・982条)
例えば夫婦が連名で遺言するという場合です。このような遺言は無効になります。
しかし、夫婦が同一の証書で遺言をしている場合でも、両者が全く異なる内容で、切り離せば二通の遺言になるような時は無効にはなりません。
例えば夫Aは「所蔵する掛け軸甲は長男に与える」、妻Bは「所蔵する壺乙は長女に相続させる」といった内容で、それぞれが物理的に切り離して二通の遺言書になるなら大丈夫です。仲の良いおしどり夫婦が共同で遺言したいという気持ちは分かりますが、出来れば別々に作成するのが無難でしょう。