昨夜は、職場の介護施設で、クリスマスレクリエーションの準備がありました。
私も担当になっているので、11月から企画を立てて準備を進めていたわけですが、昨夜は全体の流れの打ち合わせと、ハンドベル演奏の練習をすることになっていました。
難聴なのに、ハンドベル演奏とは!?
無理かも?
でも、前から一度やってみたいと思ってたんです、ハンドベル、面白そう~。
曲は「もろびとこぞりて」と「きよしこの夜」。
私は楽譜を作ってと言われて、でもハンドベルの楽譜なんて見たこともないので、どういう風に作るの?
「カタカナでドレミファを書いて、その紙をテーブルに並べて、自分の鳴らす音のところに丸印をつけておいて、それを見ながら鳴らすのよ」
と聞いたので、自分流でこんな風に作ってみました。
これは、ドとレのベルを持つ人用に丸を付けてみたもの。
ハンドベル隊は私を入れて4人なので、ベルは両手で持っても全部で8個しか持てません。
その点、「もろびとこぞりて」は、ドレミファソラシドの8音だけしかない曲なので、楽に演奏ができそうです。
つまり、横一列に並んで、左からドレ、ミファ、ソラ、シド、の組み合わせでベルを持ったら良いのでは?
しかし、「きよしこの夜」の場合は、オクタープのレとファとミがあるので、誰かがベルを持ち変えなければならなくなる。
そこで楽譜を4枚コピーして丸を付けていってみると、ドレの担当の人は、曲の最後の2音だけしか出番がないなあ。だったら、ドレ担当の人が持ち替えれば良いかも?
まあ、あとは実際に練習してみて考えよう。
というわけで、練習当日。
担当者だけじゃなく、クリスマス会の日が出勤になっている他の職員も残ってくれたので、全部で6人で打ち合わせや練習をします。
ハンドベルはどこかから借りてきてありました。
どれどれ? とベルを持って鳴らしてみると…。
ダメだー!!
全然、ドレミファに聴こえないー!
聴こえないのは想定内だったけど、ここまでひどいとは!
これじゃあ私には無理だ、できない、ハンドベル隊から降ろさせて貰おう。
…と一瞬思ったけれど、いやいや、やらないうちから諦めるのは早い。まずやってみてからにしよう、と思い直しました。
音だけなら補聴器で聴こえるけれど、それが何の音なのか聴き分けられません。
ベルの持ち手にドレミファが書いてあれば分かるのに、なぜかABCDとアルファベットのシールが貼ってある。それで、最初はABCDの順に並べてみて、Aがドなのかな?と思ったら、健聴の人が音を聴いて、首を傾げています。
「私にもドレミファに聴こえないんだけど…?」
あっ、そうかー、これはドイツ語の音階だ、と気が付いて、CDEFGAHCと並べ替えてみると、なんとなーくドレミファのように聴こえてきました。
練習が始まると、この私、難聴のくせに張り切って仕切りました!
皆に楽譜を配って、まずピアノで旋律を弾いて聴かせます。
左から順番にドレミファソラシドになるように、皆にベルを持って貰います。
私は耳ではなく、ベルを持つ皆の手の動きを見て、今何の音が鳴っているかの判断をします。
音楽は目で聴く!
手話は目で話すって言うでしょう? それと同じで、音楽も目で聴くことができるのです。
私は音程は聴き分けられなくても、リズムはわかるしドレミで歌うこともできます。だからベルを指して、鳴らすタイミングを合図したりして、皆を引っ張っていきます。
そうやって練習をしているうちに、不思議な現象が起こったのです。
ハンドベルの音が、ちゃんと曲になって聴こえるようになっていったのです。もろびとこぞりても、きよしこの夜も、ちゃんとメロディーとして聴こえる。
耳が良く聴こえるようになったのか?
いや違う。
耳から入ってくるのは変な音のままなのに、脳内で、正しい音階に修正しているのです!
おもしろい。
やっぱり聴こえなくても諦めずに、ハンドベルやって良かった。
脳で音楽が楽しめることを実感しました。