Episode3「女神と姫」
私と……同じ顔!?
朔月美遊!貴女さえいなくなれば、あのお方は私だけを見てくれる……
だから消えて……消えて?貴女なんか消えてなくなればいい‼
リボンズの不安要素を取り除きたいミユは、プリズマ☆イリヤの世界に赴き自身のオリジナルである美遊に襲い掛かった。
貴女を殺して、衛宮士郎も貴女の友達もみんな…みんな殺してあげる……
お兄ちゃんとイリヤに手を出すのは、絶対に許さない……!
貴女の価値は、万人の願いを叶える聖杯だったこと!
その力を失った現在の貴女はただの“抜殻”以上の何物でもない‼
……抜殻なんかじゃない‼
貴女の人生に価値なんてない!あの方に選ばれて貴女にない全てを授かったのはこの私!
過去に行って貴女が産声を上げる瞬間にすり潰すことだってできる‼
貴女には分からないの……?私には、友達が…仲間が…家族がいる!帰る場所も‼
私は私の人生を生きてる!何にも価値がないなんて言わせない‼
貴女が価値あると信じてる全てのものはクズでしかない!薄っぺらい貴女のような存在にはお似合いだけどね‼
……私は貴女のことを知らない、でも一つだけ分かることがある
何て?
貴女には何もない、空っぽ……
激しい死闘の末、互いに大技を撃ち合ったが、ダイヤモンドが大幅なデバフを掛けたことにより、ミユは敗北する。
ダイヤモンド…どうして……?
貴女が負けた方が面白そうでしたので
さ、だらしなく倒れていないで早く帰りますよ
かわいそうな子……
自身のステッキに裏切られ、傷ついた体を引き摺り去っていくミユに憐みの言葉を漏らす美遊。
↓
(違う……ただの無機物だったアナタなんかとは違う
私には生まれる前から心があった…あの方のために尽くすという夢も……!
あの暗闇の中で、孤独の中で、あの方に会える日を…自分が生まれるその時を…ずっとずっと待ち続けた
なのに……)
たくさんの人間に助けられて…自分の存在意義を“他人”に見つけてもらって…何一つ自分の力で生きてこなかったくせに……
それなのに、どうして私が憐れまないといけないの…?
嫌な女……っ
少しばかり環境に恵まれただけなのに…たまたま上手くお人好しに恵まれただけなのに……
(友達…?仲間…?家族…?下らない……
周りに支えられて生きてきたような無機物にそんなこと語られると反吐が出る‼)
朔月美遊……美遊・エーデルフィルト……
フフフフフフ……ッ
ミユ様?
アッハッハッハッハ!!!
面白いねダイヤモンド!分からないけど、何だか可笑くなっちゃった
……そのようですね
「帰月先生は裏表のない素敵な人です」
っ……!お兄…ちゃん……⁉
リボーンクロニクル…だっけ?
僕も読んだよ、君が書いたリボンズの活躍を書いた小説……
その後に書いた作品も凄い人気らしいね
君のファンは皆言ってるよ、帰月先生はきっと裏表のない純真で素敵な人なんだろうな~ってさ
…………
……さっきの顔、凄く良かったよ
今までは君のこと、クソ真面目で優しいだけのつまんない奴だと思ってたけど、なんでリボンズが君のこと好きなのかやっと分かった
君は本当にリボンズを愛してるんだね~…そんなになるまで誰かを想うってなかなか出来るもんじゃないよ
正直、初めて君のこと可愛いなって思った……
やっぱり君もネオ・イノベイドなんだね…ちゃんと内側に闇を秘めてた……
ごめんね…今まで邪険にしてて……
良かったら、これからもお兄ちゃんって呼んでよ
悩みとかあったら聞いてあげるからさ
でも、こんな私じゃリボンズ様を失望させてしまうかも……
大丈夫だよ、むしろ今までよりもっと君のこと気に入ってくれるさ
本当……?
君はそのままでいいんだよ
君が彼のことで心を痛めれば痛めるほど、御方は君を見てくれる
僕たちもリボンズに創ってもらった恩返しがしたいけど、生憎僕らは戦うことでしか御方の役には立てないからね……
ミユ、御方を幸せにできるのは君だけだ、期待してるよ
うん…ありがとう……お兄ちゃん
けど、その傷結構深そうだし、今日はカレイドの言う通り安静にしてなよ
良かったですねミユ様、兄上と仲良くなれて
そう…だね……
ミユ様?
ダイヤモンド…ごめん、やっぱり…痛いよ……
\バタッ/
全く……本当に手の掛かる主ですね
↓
3日後――
生涯で最高のパートナーと呼べるのは、どんな者か分かりますか?
……まずは君の意見を聞こうじゃないか
勿論、能力や姿形なども重要ではありますが、最も必要なのは…
自分を敬い愛し、決して裏切らない……その心を生涯貫き通せる者ですよ
ほう……確かにそれは神に認められるための絶対条件と言えるな
神に愛されるにはそれ以外の全てを捨てる意思が必要なんですよ
しかし、それほどの強い意志を永遠に持ち続けられる者など、そうそう現れるものでないでしょう
だけど僕は言いたい……
マモー、貴方も自分が神であるという自覚があるのなら、添い遂げる女性は選んだ方がいい
早まらないでください……貴方に相応しい相手は、いつかきっと現れるでしょうから
↓
彼に言ったあの言葉、何やら意味あり気でしたね
……一万年生きたとはいえ、やはり彼も人間なんだなと思ってさ
彼はいずれ運命の相手に定めた人物と出会い、その女性に執着するようになる
その者が自分に相応しくない相手だということに気付くこともなく……
ところで、頼んでおいたミユへのお見舞いは送ってくれたかい?
はい、新たなシステムのテストも兼ねていますから、抜かりはありません
ちなみに、誰の細胞を組み込んだんだい?
フフフ……彼女もアッと驚くような人物ですよ
↓
おい、どういうつもりだ?
お前の肉体は俺の魂をこの世に繋ぎとめておける唯一の媒体だ
あまり粗末に扱ってほしくないもんだな
なら出て来くればよかったじゃないですか
アナタなら、それくらいできそうですけど
お前に呼ばれねーと俺は表に出て来れないことくらい分かってんだろ?
それと、聖杯の中での生活も悪くねーが、たまには外の情報の報告くらいしたらどうだ?
リボンズ様から聞きましたけど、何やら宇宙中に散らばっているアナタの因子を悪用しようと、様々な宇宙人が活動を始めているようですよ
ほう……死して尚宇宙を脅かす悪魔として名が轟いてるってわけか、そりゃ光栄なもんだな
しかし、前から思ってたんだが、この俺を中に住まわせておきながら何でお前はそんな平然としていられるんだ?
リボンズ様が“欲しい”と仰られたものの管理を私にお任せいただけるというのは、素直に嬉しいことですので
ベリアルさんとは今後も良好な関係を築ければと思っています
ふんっ、悟りでも開いてるのかお前は?
最後に、自覚が足りてねーようだからもう一度言っておくぞ
この体は今やお前だけのものじゃない……同居人がいることを忘れるな
↓
…………
お目覚めですかミユ様、傷は既に完治しています
人間なら致死レベルの出血量でしたが、流石ネオ・イノベイドは回復力も異常ですね
ごめんねダイヤモンド……結局、手間掛けさせて
ミユ様が無駄に頑固なことは知っているのでお気になさらずに
神から貴方にお見舞いの品が届いています
リボンズ様から?
まあ正確には創って送ったのはオベイロンですが……あちらをご覧ください
は……っ⁉
ミユ・リターナー様、我が創造主オベイロン・リバイバル様から貴女様のお世話を任された、イリヤ・パペット・リターナーです
なんなりとご命令を――
なに……コレ……
ネオ・イノベイドの肉体を構成するのに必要な物質を50%使用して創り出された、ハーフ・ネオ・イノベイドなる新たな要素だそうで、彼女はその実験体第一号です
噂には聞いてたけど、だからって何でよりによってイリヤスフィールなんかを……
オベイロン……あの人はいつも余計なことばかり……!
何気にミユ様と同じ姓を与えていることから、妹と思ってほしいという嫌味な意図が見えるのも余計に神経を逆なでしていますね
“こんなの”が私の妹?ふざけないで……!
例え偽物でも、イリヤスフィールに世話を焼いてもらうなんて笑えない冗談だわ……
それほど彼女が嫌いなら、いっそのこと奴隷だと思ってしまえば良いのでは?
奴隷?イリヤスフィールが、私の奴隷……
ふん……なるほど、イイ考えだねダイヤモンド
イリヤ・パペット、これから私はリボンズ様のリストにある世界を制圧しに行く
アナタは率先して戦いなさい、まずはアナタの力を試させてもらう
かしこまりました、マスター
アナタがどこかで野垂れ死んでも、私は一切の責任を負わない
敵を殲滅するまで死ぬ気でやりなさい!
(最近ミユ様がますます黒くなってきているように感じるのは私だけだろうか……)
↓
ハーフ・ネオ・イノベイド……ミユへの見舞いの品としてイリヤ・パペットを創ってやったが、その褒美としてリボンズから新たなネオバース鉱石を頂いた
おかげで僕は、一番欲しかったものを創ることができた
やっと会えたね――
ティターニア……
貴重なネオバース鉱石で私を創っていただき感謝いたします、妖精神オベイロン様
この僕にプレゼントしたということは、君を創っていいと了承してくれたも同然さ
いつかこんな時が来るだろうと思って、予め結城明日奈の細胞を採取しておいて良かったよ
……銀色か…美しいぃぃぃ
……じゃあティターニア、一つ質問だ
君は僕をどう思っている?
私(わたくし)をお創りになった造物主にして、崇高なる至高の御方に仕える偉大な忠臣……
そして私の愛しいお方です❤
おおぉ……!
ヒヒヒヒヒヒ……ッ
ヒャーハーハーハハハハハハッ‼
素晴らしいッ‼遂に…遂にティターニアを手に入れたぞ‼
フフハッヒャヒャヒャ‼
100点満点の答えだよ……
優等生には、ご褒美を上げないとねっ
ハァ…ハァ……///
オベイロン様の温度が…素肌から直に、伝わって……っ///
フヘヘヘヘッヘッ……‼
ヒャーハーハーハハハッ‼
可ぁ愛いねぇ……‼
君の味が知りたくなった……
あっ……///ハァ~……///
嬉しいです……どうぞ、ご賞味ください……っ///
↓
良かったんですか?オベイロンにアレを渡して……
彼はずっとティターニアを欲しがっていたからね、僕にミユをくれたことに対する細やかなお礼だよ
↓
私の味は…お気に召していただけましたか?オベイロン様
それはもう甘かったよ、そのまま食べてしまいたいくらいにね
ただ――
君のこの美しい姿が、たった1時間しか持たないというのが、悲しくて仕方ないよ……
3つに分かれるだけで、また24時間経てばこの姿になれます
そう悲観なさらないでください
愛する妃の姿を長く見ていられない主の気持ちは、感情の薄い君には理解らないだろう
完全なネオ・イノベイドに勝るとも劣らない力を発揮させようとした弊害が、こんな形で生じてしまうとはね……
御身に斯くあれと創られ、求めていただいているというのに、ご期待に応えることができぬ私の無力さをお許しください……
なぁに、愛しい妃のためだ。また御方からネオバース鉱石を頂けるよう頑張ってみるよ
完全なネオ・イノベイド相当になれば、君のその欠点も補えるだろうからね
楽しそうだね、オベイロン
あ?
それ、リボンズが言ってた僕たちの半分の能力を持つ人形でしょ?
良かったね、ずっと欲しかったお妃様が手に入ってさ
ユーリ、僕は今“いいところ”なんだ
悪いが出て行ってくれないか?
うん、僕もこれから紫苑に会いに行くからそのつもりだよ
けどオベイロン、君は以前僕に、女の子を虐めるのが好きだから反抗心のある奴の方がいいとか言ってなかったっけ?
…………
でもソレ、設計段階でマスター登録されてる奴に絶対服従する操り人形なんだよね?
どう考えても君が好きな大人の駆け引きとやらは出来ないと思うんだけど、満足なのかな?
フッ……僕は別にそういうのが嫌いとは言ってないよ
主に絶対服従する妃というのも悪くない、それが我が愛しのティターニアだというのなら尚更ね
ふーん、まあ他人の好みをとやかく言うつもりはないけどさ
んじゃ、失礼したね、どうぞごゆっくり……
……後30分か
おいでティターニア、短い夜を楽しもう
~登場人物~
リボンズ・アルマーク
ミユ・リターナー
イリヤ・パペット・リターナー
ユーリ・レジェッタ
オベイロン・リバイバル
ティターニア・パペット・リバイバル
ライト・アーデ
マモー
ベリアル
美遊・エーデルフィルト

































































































