ゲゲゲのブラック次元 -54ページ目

ゲゲゲのブラック次元

コッペパンと妖夢が好きなゴクウブラックと
罪のない人間と海砂に優しい夜神月と
色物揃いで最強の部下たちを従えるリボンズ・アルマークが
存在するカオスな次元です

5体目のネオ・イノベイドとしてリボンズ・アルマークに創られた少女『ミユ・リターナー』は内に大きな闇を抱え、精神を蝕まれていた。

 

CHART1「暗黒の世界」

ネオ・イノベイドは本来、設定された年齢に成長するまで時限式カプセルで培養され、開放された際に目覚め意識を持つようになる。

自分がリボンズに創られたこと及び自身の能力など必要な情報は設計段階で組み込まれてはいるが、目覚めない限りは認知する術がないため、それらも全て開放された際に知ることとなる。

ミユの場合『聖杯』が関係したトラブルにより、本来設定年齢の11歳で目覚めるはずが5歳で意識が芽生え始めた。

設計段階で聖杯がリボンズの記憶・願望などを無作為に読み取ったことで、朧気ながらもリボンズの記憶の断片を夢に見ていた(この時点ではまだ自分が何者であるかは理解しておらず、心の中で「ここはどこ?私は誰?」と繰り返している)。

元来(神稚児として)の聖杯の力が失われる7歳に至った頃、ミユは自分がリボンズに創られた存在であることを知る。

ネオ・イノベイドにとってリボンズは己が絶対の忠義を注ぐべき創造主にして神であるが、上述の聖杯の影響からリボンズが愛情に飢えており、心の底で“自分に無償の愛を注いでくれる存在”を求めていたことを彼の「願い」として読み取った結果――

ミユはこの「生まれる前」の状態からリボンズに対し恋心を持ち“無償の愛を注ぐべき存在”としても無意識下で認識するようになる。

生まれる前に意識を持ってしまったミユにとって、開放されるまで何もできず何もない場所での6年間という時間は体感的に非常に永く、上記のことから何よりも早くリボンズに会いたいという気持ちを強く持っているため、培養されている間常に孤独に苛まれていた。

 

CHART2「オベイロン」

ユーリ・レジェッタに次ぐ新たなネオ・イノベイドを創るにあたって、「男性ばかりでは華やかさに欠ける」というオベイロンの提案により、5体目には初の女性型ネオ・イノベイドが創られることが決定される。

発案者としてオベイロンは新たなネオ・イノベイドの素体に組み込むコアとしての細胞を採取する人物のリストを作り、同時期にリボンズが聖杯に興味を持っていたこともあって神稚児である美遊・エーデルフィルトが選ばれたが、オベイロンは別のとある人物を推薦していたため、自らの意にそぐわぬ形で創られることが決定したミユに恨みを抱くようになる。

初の女性型ということで、正常に機能するかどうか不安なので発案者である自分にテスト期間を設けさせてほしいというオベイロンの直訴が了承されたことにより、ミユは1ヶ月間オベイロンの下で監禁生活を強いられることとなる。

培養されている永い時間を耐えたのも束の間、すぐにリボンズに会わせてもらえず、上記のことからオベイロンに恨み節を聞かされ存在を否定されるなど、またしても苦痛な時間を過ごすハメになる。

 

CHART3「創造主の過去」

『二重リンク』対象者に選ばれたミユはリボンズの記憶を読み取らせられ、彼が特に強く記憶に残っている場面がミユの脳内に流れる。

読み取った記憶のどれもがリボンズが己の存在を否定されたと認識したものばかりであり、誰にも理解されず必要とされず愛されない己への自虐の念を込めた「そうでなければ僕が創られた意義がない、存在する意味も!」という言葉にミユはショックを受ける。

自らを創造した神に全てを捧げることが無償の喜びであり己の唯一の存在意義であるネオ・イノベイドにして、リボンズに無二の愛情を持つミユにとって、リボンズが己の存在を否定するなどということは何よりも耐え難く身を裂かれる思いであり、これによりミユは心に決して癒えることのない深い傷を負うことになる。

 

CHART4「創造主からの愛情」

創造主に愛情を注がれることはネオ・イノベイドにとって最上の喜びであることに変わりないが、ミユの場合は自分に自信がないことや上記のリボンズの心情を理解していることもあって、彼から向けられる愛情に胸を刺すような思いを抱き、表面上は歓喜しながらもよく涙を流す様子が見られる。

リボンズが己の存在意義に疑念を抱いているという事実がどうしても根底にあるため、自分を求められれば求められるほどその優しさを辛く感じている。

何事にもネガティブでノリが悪くこれと言って刺激もなく一緒にいても楽しくない自分ではリボンズを幸せにできないと思っている反面、自分が誰よりもリボンズを愛しているという点においてだけは絶対的な自信があり、誰よりも彼に幸せになってもらいたいと切に願っているため、他人を見る目も厳しく、結局はリボンズに最も相応しいのは今のところ自分しかいないと認めており、この件について話すと無限ループになる。

リボンズの貴重な時間を自分に割いてもらうのは申し訳ないと思う反面、CHART1と2の出来事から孤独に対する恐怖心が強いため、1日でもリボンズに会えず部屋に1人きりで居る期間があるといつも以上に不安(ネガティブ思考)になり虚ろな瞳から涙を流し心を閉ざしていることが多い。

 

CHART5「ベリアル」

ミユが心を病んでしまった主な原因はCHART3までだが、彼女が抱えていると思われる別の闇についても語るべきだろう。

リボンズの実験により、ジードに敗北したベリアルの魂をミユの聖杯に汲み取ることに成功したが、それによりミユにある異変が起こり始める。

それ以前までは少女らしいあどけない表情や不安な表情が多かったミユだったが、存在そのものが闇とも言えるベリアルを取り込んでから、別人のような悪い顔を見せるようになり、身内以外に対する言葉遣いが荒くなることも多くなった。

 

CHART5.5「リボンズの闇」

リボンズにとってミユは、「最強の兵器」であるとともに、3百年の長い時間の中で何をやっても手に入らなかった「自分を敬い必要とし、悲しむほどに心から愛してくれる」存在であり、もう2度と現れない運命の相手と認識している。

以上のことから、常に自らが絶対者と語ってきたリボンズが唯一自分より上位種であるとも認識しており、そんな彼女から愛されることこそが今の自らの存在意義であるとさえ思っている。

ただし、リボンズがミユをここまで高く評価し愛でられるのには、彼女がネオ・イノベイドだという大前提がある。

リボンズは自分の思想と能力以外を信用しておらず見下しており、「他人」と認識しているもののことを心から高く評価することはない。

彼はネオ・イノベイドたちを自分の手で創り出した「作品」「自分の力の象徴」「自分の一部」と認識しているため、自分の分身であるミユに愛情を向けられることは“当然”何よりも心地良く、自尊心を満たすのにこれ以上ない方法と言える。

彼が最も信頼し、愛しているのは他ならぬ自分自身なのだから。

誰しも自分を持っていれば他人の考えに否定的になることもあるが、絶対の忠誠心を持ちその考えを正義と妄信し決して逆らわないネオ・イノベイドたちは、自分を個人として確立できていない「生きた無機物」と言っても過言ではない。

第三者からすれば、リボンズは自分の創った忠実な「人形」に囲まれて仲間ができた気になり、更にはその人形の一つを愛し理解者ができたように思い幸せを感じている様は、見方によってはさぞ滑稽な姿に見えることだろう。

結局、自分以外を信じられない考えは変わらず、厳密には自分のことを理解し愛してくれる「者」には出会えなかったのだから、リボンズは現在も独りのままで、唯一心を許せる「物」を仲間に見立てて孤独な状況を誤魔化しているに過ぎない。

創造主に捨てられたことによる劣等感から、他人を見下し誰も受け入れられず、自分の世界に閉じこもってしまった哀れな末路とも……。

ミユは決して盲目的に彼を愛しているわけではなく、上述のこともしっかりと理解した上でリボンズを愛している。

だからこそどうあっても彼の「本当の理解者・恋人」にはなれない自分がリボンズに愛されることに罪悪感を抱いている。

 

CHART6「今後の方針」

CHART3で述べた通り、ミユはリボンズの冷たい過去について深く心を痛めており、そのせいで彼に愛されている今の状況に納得していない面もある。

ミユは恋人同士における「幸せ」は互いに平等でなければならないと考えており、自分の孤独だった時間(6年間)とリボンズの孤独な時間(300年間)の差は如何ともし難いものであり、体験した不幸の差から互いの幸福度にも大きな隔たりがあると思っていることがその理由。

「私の方が幸せなんて許せない……!」

仲間に対して以外には冷徹で残忍なサイコパスにも見えるような一面を見せ、人間をゴミのように軽視し弄ぶ背景には、日々のストレスの発散及び、多くの敵を作り万人から嫌われ自分が不幸になることでリボンズとの幸福度の差を埋めようとしている自己犠牲的な思想がある。

不測の事態に備えて出来る限りネオバース鉱石を集めておきたいと思っているリボンズのために、ネオ・イノベイドたちは各自様々な次元に赴き鉱石の回収に勤しんでいる。

ネオバース鉱石を採取するには様々な条件が伴うが、最も手っ取り早い方法は星の生命にダメージを与えることである。

ミユの場合、この手の仕事は暴れまわることが好きなベリアルに変身して彼に任せている。

今後も彼女はその身を悪魔に変えて様々な星の文明を滅ぼし多くの命を奪っていくことになるだろう。

 

ーー以上が、リボンズ自身が求める以上に彼のことを深く愛し過ぎてしまったが故に茨の道を辿ることになった1人の少女の黙示録である。