聖闘士星矢 冥王神話-冥妃ペルセポネ編 episode1「序章~prelude」 | ゲゲゲのブラック次元

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episode1「序章~prelude」



何百億という光を超え、何千億という闇を抜けて、やがてたどり着く世界

冥界アケローン川の遥か上流、レーテ川の彼方にあるという無限の野

死後、神に選ばれた者だけが来ることを許される理想郷(ユートピア)

飢えも争いも、悲しみも苦しみもない

一切の苦痛と煩悩から解放された悠久の京戸

極楽浄土とも呼ばれるその場所を『エリシオン』という。

 ハーデス神殿では、冥界・エリシオンの創造主にして『時の神クロノス』と『レア』の間に生まれたオリンポス十二神に数えられる冥界の王『冥王ハーデス』が冥王の間にて玉座に座り琴を奏でていた。

 

ヒュプノス「ハーデス様。」

 

ハーデス「ん?」

ヒュプノス「ペルセポネ様がたった今地上よりこのエリシオンへお戻りになられました。」

 

 神話の時代より昔から冥王ハーデスに使える側近の双子神の一人『眠りの神ヒュプノス』。

 

ハーデス「なに、ペルセポネが?!」

 

ヒュプノス「はい、ペルセポネ様が地上よりお離れになったため、現在地上では冬という季節が訪れております。もうしばらくすればタナトスがペルセポネ様を無事ここまでお連れしてくることでしょう。」

 

 入り口から、ヒュプノスの双子の兄であり、同じくハーデスに使える側近の一人『死の神タナトス』が入ってくる。

 

タナトス「どうぞ、こちらへ。」

 

 そしてタナトスの後ろから、『大神ゼウス』と『デメテル』の子、ハーデスと同じくオリンポス十二神に数えられ冥王ハーデスの下に嫁いだ『冥妃ペルセポネ』が現れる。


ハーデス「ペルセポネ!」

 

 ペルセポネの姿を見るなりハーデスはペルセポネを抱きしめる。

 

ハーデス「待ちわびたぞ、貴女がこのエリシオンに帰ってくるこの日を。誰よりも待ち焦がれていた。」

 

 

 ハーデスはかつてペルセポネのあまりの美しさに心を奪われ冥界の果実を食べさせ冬の間だけ冥界に帰らなければならなくさせ、冥界にとどまらせるほど、妻であるペルセポネを誰よりもこよなく愛していた。

 

 だが、何故かハーデスが愛するペルセポネと再会する機会はいつの時代か完全に途切れてしまっていた。

ペルセポネは農耕の神ゆえ、人々の生活を豊かにさせるために冬以外の季節は地上に戻らなければならない。ハーデスは愛するペルセポネを自分から切り離している地上の人類を恨んだ。

そしてー



ハーデス「悲しいな…」

星矢「な、なにっ…?!」

ハーデス「お前たち人間がだ。自らの能力も体力もわきまえず、常に大それたことをしでかそうとする。今や神が与えた地上だけでは飽き足らず、宇宙にまで手を出して汚そうとしている。挙句の果ては…

こうして神とまで戦おうとするとは…。」

ハーデス「お前たち人間にとって神とは恐れ敬うものなのだ。その敬虔な精神を忘れた今、愚かというよりもあまりに悲しい存在だ。」

 

 ハーデスは地上の人類に対する粛清を決意した。




 だがしかし、地上の愛と平和を守ろうとする、『大神ゼウス』と『メティス』の子である『戦いの女神アテナ』とそれに従し希望の戦士『聖闘士(セイント)』達によってハーデスは倒された。

ハーデス「アテナよ、人間と一緒にいるうちに貴女もすっかり愚かになったようだな。このハーデスにとどめを刺せたかもしれんたった一度のチャンスを、

そのペガサスが命懸けで作ったわずかなチャンスを、

感情で泣きじゃくり、ミスミス逃すとは…。

そのペガサス、結局は犬死よな。折角生き延びられたものを自ら死に飛び込むとは…つくづく愚かな男よ。」

アテナ「ハーデス、貴方は愛というものを知っていますか…?」

ハーデス「なに…?」

 アテナが自らを盾として自分を護り胸に刺さったハーデスの剣によって倒れたペガサスの聖闘士『星矢』に涙を流しながらハーデスに問う。

アテナ「確かに神から見れば人間はどうしようもない愚かな存在かもしれない…。で、でも…愛というものを持っているのです。その愛の為に、人間はどこまでも優しくなれる、どこまでも強くなれるのです。たとえ神といえども、愛を知らぬ貴方に人を罰する資格などありません!!」

ハーデス「アテナよ、貴女は女神でありながらいったいいつになったら気づくのか…。愛など…人間が作り出した妄想にすぎぬことを…。」

 そして、アテナに向けてどこからともなく悲しい声が聞こえてくる。

?「アテナ…どうか…ハーデスを許してください。」

アテナ「この声は………ペルセポネ。」

ペルセポネ「ハーデスがグレイテストエクリップスによって太陽を覆い尽くし、地上に一切の光りが訪れることはない永遠の冬をもたらそうとしたのは私のせいなのです…。」

アテナ「貴方は元々私と同じ、父ゼウスから地上の人々に平和をもたらす使命を与えられた女神。たとえ冥界の王妃であっても、その使命を果たすため地上に戻らなければならない。」

ペルセポネ「ハーデスは眠りにつきながら私の帰りを待ち焦がれておられました…。ですが私は…」

アテナ「ハーデスが私との戦いをやめるまで、貴方は冥界に帰られぬおつもりだったのですね。ハーデスが自らの犯した過ちに気付いていただけるまで…。」

ペルセポネ「アテナ、貴方の言う通り、愛の為に、人間はどこまでも優しくなれる、どこまでも強くなれるのです。それは神であっても同じです。ハーデスは初めて会った私にとても優しくしてくださいました、無理にでも冥界にとどめるようと深い愛情を注いでくれました。誰よりも…私のことを愛してくださいました…。本当は…本当はハーデスは…誰よりも愛を知っているお優しい方なのです…。」

アテナ「…お姉様…。」

 

ハーデスにとってアテナの発した言葉は皮肉以外の何物でもなかった。

『惑星直列(グレイテストエクリップス)』によって太陽を覆い尽くし、地上に一切の光が訪れることはない永遠の冬をもたらす。ペルセポネは冬にしか冥界に帰ってこない、ならば地上の季節から冬以外を消してしまえばいい。そうすればペルセポネは永遠に自分の下にいてくれる。誰よりも愛を知っているが故の過ちだった。

 

ハーデスの野望は打ち砕かれた。

 

何百年にも渡る女神アテナと冥王ハーデスの気の遠くなるような長かった聖戦も終焉を迎えた。

が、神々の支配する天界にて更なる陰謀が動き出そうとしていた。『大神ゼウス』と『レト』の子、『太陽神アポロン』へ同じ親から誕生した妹である『月の女神アルテミス』から冥王ハーデスがアテナによって倒されたことを知らされる。

アポロン「そうか…ついにアテナが…。あのハーデスを完全に消滅させるとは…。

しかしグレイテストエクリップスによって我が太陽の光を遮ろうとするとは、ハーデスも恐ろしくも目に余ることをしてくれたものだ。いくら我が父ゼウスに並ぶ最高位の神であろうとも許しがたい。

だがおかしなものだな、いったいいつから人間が神に拳を向けるようになったのか…。ハーデスの言う通り人間とは実に愚かというよりもあまりに悲しい存在だ。」

アルテミス「人間を滅ぼしますか?」

アポロン「そうだな……いずれ私からも人間に粛清せねばなるまい。」

 冥王ハーデスが女神アテナによって倒されてより、200年の年月が経とうとしていた。

 『ルルーシェ家』ギリシャでも随一の貴族であるその家には、2人の子供が生まれていた。兄の方は泉のように美しい目をしていたという。

 そして、赤い満月の夜、異変は起きた。

 

セバスチャン「では坊ちゃま、お休みなさいませ。」

 

ラルク「うん、お休み。」

 

ラルク・ルルーシェ(3)

 

ルルーシェ家の長男

 

 雲から真っ赤に染まった満月が現れたとき、ラルクの目が覚め同時にとんでもないものが目覚めてしまった。ラルクの銀色の髪は見る見るうちに真っ黒に染まっていった。

 

 

ラルク「時は満ちた。地上よ、私は帰ってきた!」

 

ハーデス「このハーデスに仕えし2神よ、余の力によって再び蘇るがいい!」

セバスチャン「坊ちゃま!どうなさいました!?いや、あ、貴方は!?」

ハーデス「だがどうやらラルク・ルルーシェとして蘇ったこの体も、まだ成長しきっていないらしい

いささか余が目覚めるには10年ほど早かったようだ。セバスチャン」

セバスチャン「は、はい!」

ハーデス「この体が成長するまで護れ。神からの命令だ。」

セバスチャン「は、ハッ!ラルク坊ちゃまはこの身に代えても私がお守りいたします!」

ハーデス「任せた。楽しみにしているぞ。」

 

 ハーデスはラルクの心の奥深くへと沈んでいった。そしてラルクはその場で倒れた。

セバスチャン「坊ちゃま!?」

 

シエル「あ、貴方たちは!?」

タナトス「私はハーデス様につかえし、死の神タナトス。」

ヒュプノス「同じく、眠りの神ヒュプノス。」

シエル「タナトスとヒュプノス!?」

タナトス「たった今、200年の時を超え、ハーデス様が復活なさったのだ。」

シエル「ハーデス様!?」

ヒュプノス「200年前の聖戦によってハーデス様の真の体は失われたが」

タナトス「お前たち兄弟の母親の体を使い、ラルク・ルルーシェとしてこの時代に転生なさったのだ。この城の地下でな。」

シエル「お兄様が……ハーデス様!?」

ヒュプノス「この城はかつて、ハーデス様の地上での拠点であるハーデス城の場所と合致する。」

シエル「はい、確か私たちのお爺様が古びた城を取り壊し、そこにこのルルーシェ場を建てたと。」

タナトス「それにしてもまったく用意のいいことよ、ハーデス様は冥界の支配者であらせられる故、地上に転生する際は地上ではなく地下にその体が生まれる。地下の土の中に埋まっていればハーデス様の幼体が窒息死してしまうからな。」

シエル「アン・ルルーシェ、私たちのお婆様があの地下室を作られたそうです。いつもあそこで物思いに深けていたそうで。」

ヒュプノス「アン・ルルーシェというものには感謝せねばなるまい。蘇ったハーデス様のお力によって我らも再びこの世に生を受けることができたのだからな。」

タナトス「やはり我々はハーデス様に最も信頼されているらしい。嬉しいかぎりだ。」

ヒュプノス「まったくだな……。しかし、我々を蘇らせた直後、ハーデス様の巨大な小宇宙もまた途絶えた。」

タナトス「ラルク・ルルーシェの中で眠りにつかれたということか?」

ヒュプノス「おそらく、まだ幼いラルク・ルルーシェの体ではハーデス様と言えども完全な力を発揮することはできない。パンドラよ、あと10年ほどすれば、ラルク・ルルーシェの体を持ってハーデス様は完全に目覚められるであろう。そして、東の塔よりハーデス様のしもべとなる108人の冥闘士が復活する。パンドラ、お前がその108人の冥闘士達を率いり、ハーデス様の命に従うのだ。」

シエル「私が、スペクターを率いる?」

タナトス「フッ……まだ子供のお前にはその程度の理解力しかなかろうとも無理はあるまい。だがお前はこの時代のパンドラとして生まれてきたのだ。今我々が伝えたこと、知らずともなんとなくわかるはずだ。」

シエル「は、はあ……。」

ヒュプノス「まあもうよい、パンドラよ、お前に伝えることはすべて話した。」

タナトス「後は自分で理解するんだな。」

ヒュプノス「健闘を祈っているぞ。」

シエル「あの……お2人はどちらに行かれるのですか?」

タナトス「我らはこれよりハーデス様の園であるエリシオンへ向かう。」

ヒュプノス「パンドラよ、この腕輪を受け取っておけ。」

シエル「こ、これは……。」

ヒュプノス「神によって許された証、エリシオンへの通行許可書のようなものだ。いつか役に立つかもしれんからな。」

シエル「いつか…役に……。あ、あの!!……っ?」

 

 シエルが顔を上げるとそこには既に双子神の姿はなかった。シエルは夢だったのかと思ったがその手には確かにヒュプノスから手渡されたエリシオンへ行くための腕輪があった。

 

 

10年後

 

 ルルーシェ城に3人の男がやってきた。

 

 

シエル「遂に来たか……。」

 

 

 シエルの前に3人の男が跪く。

 

 

ミーノス「冥界3巨頭只今参上いたしました。」

 

アイアコス「ハーデス様の名のもとに。」

ラダマンティス「時間がかかり申し訳ありません、パンドラ様。」

シエル「ふむ、ヒュプノス様タナトス様が私におっしゃられた通り、10年の時を経た今、108の冥闘士が復活したようだな。そして、お前達がその冥闘士たちの最高位に位置する冥界三巨頭というわけか。」

ラダマンティス「ハッ!冥界三巨頭1の突撃担当『ワイバーンのラダマンティス』と申します。」

アイアコス「奇襲担当『ガルーダのアイアコス』。」

ミーノス「私は、えー……マリオネット担当『グリフォンのミーノス』といいます。」

アイアコス「ミーノスは無理に言わなくてもよかったのではないか?」

ミーノス「ちょっと言ってみたかった。」

ラダマンティス「お前達、パンドラ様の前だぞ。無駄な私語は慎め!」

シエル「なるほど、実に頼もしい者たちだ。」

ラダマンティス「ハッ!光栄であります!!」

シエル「しかし連携が苦手と見た。」

三巨頭「ギクッ……!?」

シエル「いくら一人一人が優秀であろうと、チームワークが取れないのは大きな問題だ。ラダマンティス。」

ラダマンティス「は、はい!」

シエル「特にお前が一番その傾向にある。」

ラダマンティス「わ、私がですか!?」

シエル「そうだ、一匹狼を気取ってカッコつけるのは悪い事ではないが一人では戦えない場合もあるだろう。一人で特攻して無駄死にするようなバカな真似を平気でやりそうだ。」

アイアコス「アッハッハッハ、パンドラ様の言う通りだぞラダマンティス。」

ミーノス「前聖戦でも我ら2人の協力を受け入れようとせなんだからな。」

ラダマンティス「おっしゃる通りですパンドラ様……。」

シエル「そう言うミーノスにアイアコスよ、お前達の失態に比べればラダマンティスの難点など赤子のように許せるものだ。アイアコス。」

アイアコス「は、はい。」

シエル「これを見よ。」

アイアコス「こ、これは!?」

ミーノス「前聖戦の!」

シエル「そうだ、前聖戦の記録で私が最も目に余った光景だ。」

 

----アイアコス「10秒後、フェニックスはここに落ちてくる。」

 

 

ミーノス「ぷっ…」

 

 

----アイアコス「10秒後、今度こそここがやつの死に場所となる。」

 

 

ミーノス「ぷっ……アハハハハハハッ!!」

 

アイアコス「笑うなぁ!!」

シエル「まったく、見てるこっちが恥ずかしい……。」

ラダマンティス「ごもっともです……。」

シエル「ミーノス、お前も笑っていられる立場なのか?」

ミーノス「えっ……!?」

シエル「キグナスを追って神しか入れぬ超次元に突っ込んで死ぬとは……。」

ミーノス「あっ…あ……」

シエル「知らなかったとはいえ、間抜けな最後だ。」

ミーノス「も、申し訳ございません。」

ラダマンティス「馬鹿どもめ……。」

シエル「冥闘士最強を誇る冥界三巨頭が揃いも揃ってこのざまとは……。お前たちはそれでも冥王ハーデス様にお仕えする冥闘士か?ハァ……歴代パンドラは一体こ奴らの何を見てきたのか……。情けない…嘆かわしい……ハーデス様がお知りになられたら呆れ果ててものも言われぬだろう……。」

ラダマンティス「……申し訳ありません。我らが未熟なばかりにパンドラ様にこのような気遣いをさせてしまって……。」

シエル「もうよい。それよりお前達、冥闘士の証である冥衣はどうした?」

ミーノス「は、はい。アレを着てくると目立って仕方がないので。」

アイアコス「昔はなかったのですが、この長い間に随分と町が増えてまして。」

ラダマンティス「街の人間共に騒がれると厄介になるかと思いまして、私服で参りました。」

シエル「私服?そのボロボロの布が服と言えるものか!お前達、まさかそのような下品な格好でハーデス様にお会いになるつもりだったのではあるまいな?すぐに着替えてまいれ!」

 

シエルに言われるまま、冥界三巨頭は城の中にある黒服を着てくる。

 

 

ラダマンティス「パンドラ様、服装を整えてまいりました。」

 

シエル「うむ、丁度いい。お前達にはハーデス様、もとい私のお兄様であるラルク様のボディガードとしてハーデス様をお守りしてもらおう。」

ラダマンティス「有り難き幸せ。」

シエル「お前達も知っての通りだろうが、冥王ハーデス様は前聖戦によって滅びた体をラルク様として再生させこの地上に転生なされたのだ。つまり、ラルク・ルルーシェとはハーデス様の人間としての人格というわけだ。例えどんな人格になろうともあの方がハーデス様であることに変わりはないのだ。くれぐれもラルク様に無礼のないよう気を付けることだな。」

ミーノス「ところでパンドラ様、そのハーデス様はどちらに?」

ラダマンティス「おいミーノス!」

シエル「愚か者め、本来ならハーデス様はお前たちごときが直接お会いになれるような方ではないのだぞ?お姿を見せていただけるだけでもありがたく思え。」

ラルク「どうしたのシエル、こんな朝から騒がしいよ。」

シエル「も、申し訳ございませんお兄様!」

ラダマンティス「パンドラ様の兄上!?」

アイアコス「ということはあの方が!」

ミーノス「ハーデス様!?」

シエル「バカ者!跪け!」

三巨頭「ハッ!」

ラルク「ん?シエル、後ろの人達は誰?キミのお友達?」

シエル「いえ、こ奴らは本日よりお兄様のボディガードを務める者たちです。」

ラルク「ボディガード?」

ラダマンティス「ラダマンティスと申します。」

アイアコス「アイアコスといいます。」

ミーノス「ミーノスです。」

ラダマンティス「我ら3人、全力でラルク様のボディガードを務めさせていただきます!」

ラルク「えっ!?そんな急に言われても……僕は別にボディガードなんていらないよ。」

シエル「この者たちと私のかっての希望であります。」

ラルク「……うん、ならわかったよ。3人ともよくわからないけどよろしく頼むよ。」

三巨頭「ハッ!!」

アイアコス「ラダマンティス、ミーノス、お前達も感じたか?」

ラダマンティス「ああ、ラルク様の心の奥から果てしなく巨大で神聖な小宇宙を感じた。」

ミーノス「間違いなく、ハーデス様はラルク様の中におられる。いや……」

アイアコス「ラルク・ルルーシェ様こそ、我らが偉大なる神」

ラダマンティス「冥王ハーデス様そのものなのだ。」

ラルク「じゃあ行ってくるよ。」

シエル「行ってらっしゃいませ、お兄様。」

セバスチャン「どうかお気をつけて。」

 

 ラルクに続いて、三巨頭も車に乗り込む。車が出発する。しばらく道のりが続き、海岸の周辺を走っていたとき、ラルクは岬である者を目にする。

 

 

ラルク「……っ?あの子は……。止めてください。」

 

 

 ラルクの命令で車は岬の前で止まった。ラルクが車から降りると、一つの墓の前で花を添えている少女がいた。ラルクがその少女に近づくと、少女はラルクの足音を聞き立ち上がりゆっくりと後ろへ振り向いた。

 

 

ラルク「や、やあ……(なんて綺麗な子なんだ……。)ここで何してるの?」

少女「花を添えているんです、あのお墓に。」

ラルク「っ!?……家族の人?」

少女「そうとも言えます。私にとっては大切な人でした……。」

ラルク「…そっか……それは、気の毒だったね……。」

少女「貴方のお名前は?」
ラルク「僕はラルク。キミは?」

ルノア「ルノア。ルノア・グラフィティです。ラルクさんってもしかしてルルーシェ家の党首様、ラルク・ルルーシェさんですか?」

ラルク「ああ、うん……そうだけど、僕のことは呼び捨てにしてくれていいよ。いくらルルーシェ家の党首って言っても僕はそんなに大層な人間じゃないから。」

ルノア「そうですか……。」

 

キャスト

 

 

・ラルク・ルルーシェ(CV:保志総一郎)

・ハーデス(CV:大塚明夫)

・ペルセポネ(CV:田村ゆかり)

・タナトス(CV:古川登志夫)

・ヒュプノス(CV:二又一成)

・シエル・ルルーシェ/パンドラ(CV:喜多村英梨)

・アポロン(CV:山路和弘)

・アルテミス(CV:日野由利加)

・セバスチャン(CV:土師孝也)

・ルノア・グラフィティ/ペルセポネ(CV:田村ゆかり)

・ラダマンティス(CV:子安武人)

・アイアコス(CV:三木眞一郎)

・ミーノス(CV:遠近孝一)