学生時代、友人がバンド活動をしていた影響で、主に舞台撮影に取り組んでいた。
技術を磨くため、YAMAHAのミュージックカメラマンのアシスタントを務めたこともある。
しかし、卒業後、その世界は自分の求めるものではないと感じ、
次第に湘南海岸へ足を運ぶようになった。
当時は、マイクロフィルムを使用したカメラや現像処理機の開発に携わっていたこともあり、
気がつけば、このマイクロ用フィルムで、テトラポットを撮影していた。
造形の面白さに惹かれると同時に、そこに「自然と人間の境界」を感じたのかもしれない。
このシリーズは約5年間続いたが、やがて別のテーマへと移行していった。
それ以来、海での撮影からは遠ざかっていたが、久しぶりに湘南海岸を訪れた。
場所は相模川の河口、平塚。冷たい風が吹きつける中、川の流れに抗うように波が押し寄せる。
そして、その自然の摂理の中に、人間が造ったコンクリートの塊が静かに存在し、人々を守っている。
何気ない風景の中に、さまざまな思いが巡る。
そして、シャッターを切る。自然は絶えず変化し、新たな創造の機会をもたらしてくれる。
海岸線での撮影に、また新たな可能性が見えてきた気がした。
1987年 小田原 #Nikon F3 、#24mm
平塚 #SONYα7 IV 、#24-70mm























