新緑の息吹が満ちる箱根仙石原の長安寺。
木漏れ日が優しく降り注ぎ、若葉の香りが清々しい空気に溶け込んでいます。
足元には、可憐な白い山野草や、鮮やかなピンクや紫色のツツジが、
まるで緑の絨毯に散りばめられた宝石のように咲き誇ります。
風が吹くたびに、花々はそよぎ、甘く優しい香りが辺り一面に漂い、
訪れる人の心を穏やかに包み込みます。
一週間ほど、長安寺境内は美しい花々が咲き乱れるでしょう。
この素晴らしい光景を、ぜひご覧になってはいかがでしょうか。
有楽町の東京国際フォーラムを訪れるたびに、広場に設置された環境彫刻家リチャード・ロングと安田侃の作品に心を奪われます。
リチャード・ロングの作品は、自然に何かを加えるのではなく、自らの身体を通じて自然と向き合い、その場のエネルギーや気配を繊細に感じ取りながら、最小限の行為をもって対話を試みるものです。歩くこと、石を並べること、泥を塗ることといった素朴な行為の中に、自然の持つ本質的な美しさと力強さを浮かび上がらせようとする姿勢が貫かれています。
対照的に、安田侃の彫刻は、大理石やブロンズといった自然素材を用いながら、優しさと力強さ、そして時の流れを内包するような、静けさと包容力に満ちた造形が特徴です。作品は周囲の景観と調和しながら、場そのものを柔らかく包み込み、人々に静かな心の余白を与えてくれます。
両者の作品に共通するのは、自然との共生や対話を通じて、人間の根源的な感覚に語りかけるという深い志向です。彼らの彫刻は単なるオブジェではなく、その場に生きる空気の一部として存在し、訪れる人々の心に安らぎや感動をもたらすことを目指しています。
新緑がまぶしい季節の午後、作品のまわりには思い思いにくつろぐ人々の姿がありました。彫刻と緑の調和が織りなす穏やかな空間の中で、誰もがひと時の静かな癒しに身をゆだねているようでした。
リチャードロング
安田侃
SONY α-7CR 16-35mm