Reincarnation ~誕生・生まれし運命~ 27 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。


ヨンは、ゆっくりとした歩調で
ウンスが身支度を整えている寝屋の前まで行く。

寝屋の扉の前で、一つ大きく息をつくと
穏やかな声で、寝屋の中にいる
ウンスに声をかけた。

『おはようございます。
お目覚めですか?』

ヨンは、静かに寝屋の中からの
返事を待った。

暫くすると、トギが寝屋の扉を開く。

『トギ・・・
あの方は・・・?』

ヨンは、小さな声でトギに聞いた。

《落ち着いている。

きっと、上護軍の腹の傷を
診せてくれと言われると思う。》

『腹の傷・・・?
何故・・・

あ・・・そうか・・・
わかった。』

ヨンは、ウンスの記憶が
まだ、出逢った頃までしかないことに気付いた。

トギは、ヨンの言葉を聞くと
寝屋の中へとヨンを招き入れた。







ウンスは、寝台の近くにある
卓の椅子に座り、扉の方を
ジッと見つめていた。

そして、トギの後ろに
ヨンの姿を見つけると
立ち上がり、近づいてきた。

「テジャン・・・

もう、大丈夫なのね・・・
良かった・・・

貴方、私のいう事聞かないから
敗血症になって・・・

ねぇ・・・
お腹の傷・・・
診せてくれる?」

ウンスは、ヨンの元気な姿に
嬉しそうな笑みを浮かべる。

そして、一変して医員の顔になると
ヨンの腹の傷の診察をしたいと言った。

『はい・・・
わかりました。

されど・・・
腹の傷は、貴女のおかげで
すっかり治っています。

それでもよろしければ
ご覧ください。』

ヨンは、ウンスの本質が
失われていなかったことに
思わず笑みを浮かべる。

「ん?
何か、私、変なこと言ったかしら?

ま、いいわ。
じゃぁ、上着を脱いで、
此処に横になってくれる?

それから、トギ。
手伝いをお願いしてもいいかしら?」

ウンスは、大きなお腹を抱えながら
てきぱきとヨンの診察を始める。

ヨンは、ウンスに言われるまま
上着を脱ぎ、夫婦の寝台に横たわる。

「それじゃ、診察を始めるわね・・・

あら・・・
本当だわ・・・

すっかり傷が治ってる・・・」

ウンスは、ヨンの腹が
完治していることに、驚く。

「そっか・・・

この傷の具合から・・・
あれから、数年経過しているってことね・・・」

ヨンの腹の傷に触れながら
何か感慨深げに、ウンスは呟いている。

そして、ヨンの肌に触れているうちに
ウンスの様子が、変化していることに
ヨンが気付いた。

『如何しましたか・・・?』

ヨンは、上半身を起こしながら
ウンスに声をかける。

「あ・・・
いえ・・・

でも・・・
なんだろう・・・

この肌の温もり・・・
そして・・・貴方のこの香り・・・

覚えてる・・・ような気がする・・・

そう・・・
とっても大切で・・・
とっても・・・大好き・・・な・・・」

ウンスは、ヨンの肌に触れ
呟くように言うと
その意識を手放した。

『ウンス!!』


ヨンは、意識を手放したウンスを
しっかと受け止め、抱き上げると
そのまま寝台に横たわらせる。

『トギ・・・
ウンスは・・・
大丈夫なのか?

身重の身に
このような負担・・・

また、あの悲しい出来事が
この方の身に

再び降り注いだりはしないか?』

ヨンは、意識を手放したウンスの
手を握りながら、トギに聞いた。


















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。

また、非難中傷されるような
辛口コメントもお控えください。
万が一そのようなコメントをいただきましても
お返事もできませんし、
心苦しくなるだけですので削除させて頂きます。
ご了承くださいませ。

by junjun