Reincarnation ~開京の秋~ 8 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。


夕刻。
ヨンが屋敷に戻ってくる。

チュホンから降り、
屋敷の中へと足を進めていくと
パソンが駆け寄ってくる。

「旦那様。
おかえりなさいませ。

お出迎え出来ず
申し訳ありませんでした。」

パソンは、珍しく額に汗しながら
ヨンの前でお辞儀をする。

『如何したのだ?

そのように、汗をかいて・・・』

ヨンは、ウンスが待つ
居間へと足を進めながら
パソンに聞く。

「あ、はい・・・

市井の民が
持ってきた奥様ご懐妊の
祝いの品を、整理しておりました・・・」

パソンは、汗を拭きながら
ヨンに答える。

『汗をかくほど・・・なのか?』

ヨンは、パソンの顔を
振り返り見ながら聞いた。

「はい。

朝から、ついさきほどまで・・・
途切れることなく・・・

両班のお方の祝いの品については
丁重にお断りして
お引き取りいただきました。

しかし・・・」

パソンは、屋敷の奥に
視線を向けながら言った。

ヨンは、パソンの視線の先に
数人の使用人たちが
何かを仕分けている姿を見つける。

『あれが・・・
そうなのか・・・?』

「はい・・・

申し訳ありません。
市井の民の気持ちを
思うと・・・
無碍に断ることもできず・・・

奥様もお困りになって・・・」

『わかった。

明日からは、
市井の民からの
祝いの品も断るように・・・

その代わり、
祝いに来た民の
名前を、書き留めよ。』

ヨンは、パソンに
明日からの事を指示すると
居間へと入って行った。








『只今、戻りました。』

ヨンは、居間の扉を開け、
ウンスに声をかける。

「ヨン。
お帰りなさい。
お役目、お疲れ様でした。」

ウンスは、白い可憐な花のような笑みで
ヨンを出迎える。

『お体の調子は・・・?』

ヨンは、鬼剣を
壁に立てかけながら
ウンスに聞いた。

「ん・・・
やっぱり、悪阻がね・・・

でも、大丈夫。
マンボ姐さんが、クッパを
持ってきてくれたから・・・」

ウンスは、悪阻で、
食べられるものが限られてきたことを告げた。

『そうですか・・・』

ヨンは、ウンスの隣に座ると
その白い手を握る。

「ヨン・・・
あのね、もう知ってると思うけど・・・」

『民からの祝いの品・・・ですか?』

ヨンは、ウンスの困った顔を見ながら聞く。

「ええ、そうなの・・・

なぜか、私の懐妊を知ってて・・・
次から次へと・・・

それもね・・・
豪華なものじゃないの・・・

お野菜や、お魚・・・
お花とか・・・

きっと、いろんな工面をして
持ってきてくれたんだと思うと・・・

ごめんなさい・・・
断り切れなかったの・・・」

ウンスは、市井の民の気持ちを
蔑ろにすることが出来ずに
受け取ってしまったことを告げた。

『そのようですね・・・

今日は、仕方ありません。
明日からのことは、
パソンに申し渡しています故
安心してください。』

「ヨン・・・」

ヨンは、悪阻で体調が優れない
ウンスの負担を少しでも
軽くできればと考えていた。



















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
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その際は、スルーをお願いします。

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by junjun