Reincarnation ~過去の記憶 16~ | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。


ヨンに手をひかれ、
ゆっくりとした歩調で
義父母の墓前に到着すると
ウンスは、その場に跪く。

そして、墓に手を触れ
そっと目を閉じた。

ヨンとミョンウォルは、
その様子をじっと見守っている。

その時、暖かな優しい風が
墓の周りを通り抜ける。

「あっ・・・」

ウンスの亜麻色の髪が
風に乱されなびく。

『ウンス・・・?』

「ヨン・・・

お義父様と
お義母様・・・

そして・・・
あの時の吾子・・・フォンが・・・」

ウンスは、懐かしい人たちに会うような
眼差しをしている。

『ウンス・・・』

「ヨン。
もう少しだけ・・・

ここにいさせて・・・

何かを感じるの・・・」

ウンスは、ヨンの声に振り向かずに答える。

『わかりました・・・

されど、間もなく日が暮れます。
身体を冷やす前には
庵に戻らねば・・・

ウンス?!』

背を向けるウンスの身体が、
前後左右に揺れ始めたことに
ヨンが気付いた。

ヨンは、すぐさま、ウンスの身体を支え
その顔を覗き込む。

『ウンス?
如何しました?

ウンス!!』

ヨンの声に、ミョンウォルが
すかさず、ウンスの脈を診る。

「上護軍様。
すぐにウンス様を庵に・・・」

ミョンウォルは、ウンスの脈を診ながら
ヨンに告げる。

『わかった。』

ヨンは、ウンスを抱き上げると
急ぎ足で、庵へとウンスを運んだ。








ヨンに抱かれ、庵へと戻って行くウンス。
ウンスは、ヨンの上の中で
不思議な夢を見ていた。

優しい風に導かれ
ウンスは、小さな丘を登っていく。

丘には、黄色の小菊が
一面に咲き乱れている。

丘の上には、
初老の夫婦と小さな吾子が、
ウンスの到着を待つかのように
佇んでいる。

ウンスの瞳が、その3人の姿を
捕らえたその瞬間
ウンスは、丘の上に立っていた。

「ここは・・・?」

ウンスは、不思議そうに
あたりを見回すと、初老の夫婦に
問いかけた。

《ここは、桃源郷・・・
人の生と死の間・・・

こちらの世界での諍いで
貴女を苦しめることになってしまいました・・・》

ウンスの目の前に立つ初老の夫婦は
ただ、微笑みを湛えながら、
ウンスを見つめている。

ウンスは、どこからともなく聞こえる
その声に、再び、あたりをみまわした。

《ははさま・・・
つぎに、めをさまされたとき・・・

すべて、おもいだされています。

だから、あんしんしてください・・・》

「あ、その声・・・
その声は、フォン・・・
フォンなのね・・・?

そして・・・
あなた達は、
ヨンのお義父様とお義母様・・・

そうですよね?」

ウンスは、どこからともなく聞こえる声を聞きながら
目の前にいる3人に話しかける。

初老の夫婦と小さな吾子は
ウンスに微笑みかけると
ある一点を指さす。

《さぁ・・・
お戻りなさい・・・

貴女は、まだ、こちらに来るべき人ではない。》

ウンスが、3人が指さす先を見ていると
暖かい風が、もう一度吹き抜ける。

風になびく亜麻色の髪を
おさえ、振り向いたウンスの目に
遠ざかる3人の姿が映った。

「フォン・・・?

お義父様?
お義母様?」

《ははさま・・・
もうすぐ、おあいできます・・・
まっていてください・・・》

フォンの声が、ウンスの耳に届いたと同時に
3人の姿が丘の上から消えた。















にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。

また、非難中傷されるような
辛口コメントもお控えください。
万が一そのようなコメントをいただきましても
お返事もできませんし、
心苦しくなるだけですので削除させて頂きます。
ご了承くださいませ。

by junjun