Reincarnation ~過去の記憶 8~ | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。


ヨンは、ウォンソンの様子見に
チェ尚宮の部屋へと足を向けた。

『叔母上・・・』

扉の前で、ヨンが声をかけると
元気なウォンソンの声が返ってくる。

「ちちさま!!」

その声が聞えると同時に
部屋の中から、ウォンソンが飛び出してくる。

『ウォンソン!
飛び出してきては、危ないではないか。』

ヨンは、飛び出してきたウォンソンを
抱き留めると、抱きあげる。

「ごめんなさい・・・ちちさま・・・

でも、ちちさまに、すこしでもはやく
おつたえしたくて・・・」

ウォンソンは、ヨンに抱かれながら告げる。

『ん?父に何か、話があるのか?』

ヨンは、ウォンソンを抱いたまま
チェ尚宮の部屋の中に入る。

「そのようだ。

先ほどから、お前のところに行くと言って
騒いでおった・・・」

部屋に入ってきたヨンに、チェ尚宮が
ウォンソンの様子を教えた。

『ウォンソン、どうした?

父に話してみよ。』

ヨンは、ウォンソンを膝の上に抱いたまま
チェ尚宮の前に座った。

「はい・・・
ちちさま・・・

ははさまのごびょうき・・・
フォンがなおしてくれます。

ちょっと、おそらのうえで
いさかいがあったようで・・・

それが、ははさまのごびょうきのげんいんだと・・・

でも・・・
おじいさまとおばあさまが
フォンをたすけてくださって・・・

え・・・っと・・・
だから・・・

おじいさまと、おばあさまのところに
つれていってあげてください・・・

きっと、ははさまのごびょうきがなおって・・・
ぼくと・・・ユリのこと・・・
おもい・・・だして・・・う・・・うぅ・・・」

ウォンソンは、今まで堪えてきたことが
一気にあふれ出し、ヨンの膝の上で涙を流す。

『そうか・・・ウォンソン・・・

よく話てくれた。

そうだな・・・
わかった・・・
明日、母様の体調が良ければ
一緒に会いに行こう。

寂しい想いをさせた・・・
ウォンソン・・・』

ヨンは、ウォンソンの頬を
流れる涙を、その大きな手で拭うと
強く、そして、父の愛を一杯に込めて抱きしめた。

「ちちさま・・・」

ウォンソンも、ヨンにしがみつく。
ヨンは、ウォンソンの背中を優しくポンポンとする。

「ヨン・・・」

『叔母上・・・
すまぬが、開京に到着するのは
少し遅れそうだ。

明日、あの方の体調をみて
菩提寺に足を延ばす。』

「そうだな・・・
それが良いかもしれぬ。

兄上も義姉上も、喜ばれよう。」

チェ尚宮は、ヨンとウォンソンを
優しく見守りながら、頷いた。

『ウォンソン・・・

父は、母様のところに戻らねばならぬ。
もう少しの間、おばば様と一緒にいてくれるか?』

「は、はい。ちちさま。
ないちゃって、ごめんなさい・・・」

ヨンが、ウォンソンの目に残る涙を
指で拭いながら言うと、ウォンソンは、小さく頷き返事をした。

『うむ・・・いい子だ。

叔母上・・・
ウォンソンのこと・・・頼む。』

「ああ・・・
わかっておる・・・

早う、戻ってやれ。
ウンスの事だ。
お前の姿が見えぬと、
心細い想いをしているであろう・・・」

チェ尚宮は、ヨンの膝の上から、
ウォンソンを抱きとりながら言った。

『忝い・・・』

ヨンは、チェ尚宮に頭を下げると
チェ尚宮に抱かれたウォンソンの頭を撫で
ウンスが待つ部屋へと戻って行った。















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ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
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by junjun